長渕剛 桜島ライブに行こう!



割腹自殺する夢を見ましたか? (桜島ライブ22)

2004年09月19日(日)

『割腹自殺する夢を見ましたか?』−桜島ライブ(22)

                 text  桜島”オール”内藤





買おうかどうしようか、迷ったタンクトップ。
結局やめて、白のTシャツを買いました。
タンクトップとはいえ、黒は日光を吸収するので、
当日桜島に向かうまでの間、暑いかなあと思いました。
結局、何を着ようと暑かったわけですが(^o^)。


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M-11 お家へ帰ろう −アルバム『JEEP』(1990)−



首から下げたハーモニカを、
ワンフレーズ、軽く吹き鳴らしてから、
剛が語りました。

「1990年に作った歌で、
 『お家へ帰ろう』という歌があります。
 最近テレビ見たりしていると、
 腹が立って、腹が立って、
 虫唾が走る思いでねえ。
 7万5千人で、
 けっ・・けっき・・・けけっき・・・
 はは、ゴメン、ゴメン。
 決起集会をするんだからと、、
 2004年版を作ってきたから。」


わーっと盛り上がるA−5ブロック。
そこだけじゃなく、後ろの方からも、
期待感にあふれた歓声が沸き起こりました。

噛み噛みでうまく言えなかった
「決起集会」
という言葉が妙に引っかかりました。

これって、決起集会?

という素直な疑問。
40代の剛らしい言いまわしではあると思います。
とにかく膨大な人が集まっている=決起集会という、
そういう連想をする最後の年代かもしれません。
とくに意味はないと思うのですが、
僕自身、

桜島ライブってなんだろう・・・

という疑問を抱えての参加ということもあって、
剛のこの一言は妙に印象に残りました。

まあ、それは置いといて、
ZEPPでも両日演奏し、インパクトを残した

『お家へかえろう』の2004年版!

4本のギターがかき鳴らされ、
弾き語りのまったりした空気が一変。
寝た子を起こすような、
ザラザラしたサウンドが闇夜を割く。
観客の8ビートの拍手がリズムを刻む。


ささくれ立った薄汚ねえ 古畳の上
割腹自殺する 夢を見た
昼間っからゴロゴロ ごろつきまわり
セブンイレブンで くさい女をはじく


冒頭の歌詞だけがオリジナルと一緒だけど、
それから先は2004年バージョン。
歌い込まれているのは、もちろん社会問題。


小泉さんちに飾ってある 
ブッシュとのツーショット
核爆弾の作り方を 聞きに行こう!

ああ、明日の朝! ああ、国会議事堂に行こう
ああ、ションベン ひっかけて
ああ、お家へかえろう!



ラブソングや自己鼓舞型の歌が主体の剛ですが、
ときおり、アジテーションや社会性を帯びた曲を発表しています。
『JAPAN』『親知らず』『静かなるアフガン』・・・
その中の一曲である『お家へかえろう』は、
この桜島で最初に演奏された社会派ソングでした。
これも、間違いなく、剛の歌の世界のひとつ。

別にそのまま歌ってもいいと思うのですが、
かなりの歌詞のリメークに剛が取り組んだ。
しかも、ZEPPの直前に、ホテルで・・・

ということは、それだけ、剛が今、
歌にしたい憤りがあったということだと思います。
社会や政治に対しての憤りを。

反・ブッシュの戦争
反・小泉政権
反・北朝鮮

そんな剛の立場が、歌詞から伝わってきましたが、
勇ましい剛のボーカルと、
幾重にも重なったギターの音を聴きながら、
僕は・・・

つい数分前までのやさしい弾き語りの剛から、
過激な歌詞をシャウトする、このときの剛へと、
すぐにシフトチェンジすることができずに、
クラクラする思いで手拍子を合わせていました。

いつものライブより、
一曲一曲に深く入り込んでしまう桜島の不思議な空気。
それだけに、目まぐるしく展開する、
多面的な剛の歌世界にグラグラと揺さぶられ、

こりゃあ、体力的だけじゃなく、
精神的にも油断のならないライブだ・・・


と、ますます身が引き締まる思いでした。

休憩が挟まれるとは聞いていましたが、
その休憩がいつ、何回あるのか、
まったくわかりませんでした。

目の前で繰り広げられているライブの第一部。
はたして、これがあと数曲で終わるのか、
それとも、まだまだ何時間も続くのか、
それさえも、まったくわからないのです。
ライブが何部に別れているのかすらわかりません。

2時間なり3時間で終わって、
そのあとアンコール、
そして、さようならまた来てね、で終わる、
通常のライブの常識。

そんなものは、まったくあてにならない、

ゾクゾクするような非日常的ライブ。

何が待っているのか予想のつかないライブ。
これが、これこそが、本物のライブなんだ・・・

そんな僕の思いだけが、
『お家へかえろう』を刻む剛のピックで、
激しくかきむしられていました。



続く


<次回予告>
メロウなメロディに合わせて体を揺らす気持ち良さ。
靴をぬいで、タオルを頭からかけて踊った。
熱い桜島も、いまだけはなぜかロンリーナイト。

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