長渕剛 桜島ライブに行こう!



ハーレーでの登場を予想しましたか? (桜島ライブ11)

2004年09月05日(日)

『ハーレーでの登場を予想しましたか?』−桜島ライブ(11)

                 text  桜島”オール”内藤





夜は暗くてわかりませんので、翌朝に取ったセットの全景。
ありえないバカでかさが伝わるでしょうか?


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スクリーンに映った剛の表情は、なんとも余裕しゃくしゃく。
待ちかねた観客の熱狂を楽しむかのように、
ゆっくりと、ゆっくりと、
ハーレーは傾斜を下って行きます。

ハーレーを使った登場の演出は、
ほんとにたまたまなんですが、
ほぼ一ヶ月前、横浜で開催された、
『ロックオデッセイ』の大トリで登場した矢沢永吉も使っていました。

僕は観に行ってはいませんが、ネットで見たレポート記事によると、

「紫でライトアップされたステージ、
スクリーンモニターには走るバイクの映像、
そしてエンジン音が。
すると!なんとステージ右端からハーレーが続々と登場してくる。
その数ざっと20台近い。
ハーレーがステージ上に勢ぞろいして照明が赤く染まったところで、
まっ白いスーツに身を包んだ矢沢が登場した。」


・・・という感じ。
同じハーレーを使った演出といっても、個性が出るものです。

ステージセットのように、20台ものハーレーを使うのは、
いかにもキング・矢沢らしい豪勢な演出。

一方、剛は、広い会場での移動ツールとして使っていて、
自分で運転しているし、アクティブで若々しい感じ。

考えて見れば、パンフレットでは、
ハーレーで桜島を疾走する剛の写真がたくさん載っていました。
勘のいい人はこれを見て、
ハーレーでの登場を予想したかもしれません。
僕はまったく気がつきませんでしたが・・・。

それに、リストバンドをもらったときに受け取ったチラシ。
その中に入っていたグッズリストには、
終演後だけ販売されるTシャツがあることが載っていました。
そのデザインは、やはり、ハーレーに乗った剛でした。

僕はまったく想像すらしていませんでしたが、ハーレーは、
桜島ライブの演出の中心となるキーワードのひとつでした。

そんなことを考えている間にも、
ゆっくり、ゆっくりではあるけれど、
確実に剛がステージに近づいてくる。
剛の周りが沸き立っているので、
実際には僕の位置からは、
剛の姿が見えると言うよりは、
周りの観客がなにやらバタバタとざわめいているところ、
スポットライトが前の方に移動してきているところが、
見えるだけでしたが、その分、
早くその姿を肉眼で捉えたいとの欲求が高まる。

ステージの向かって右の袖のところまで、
とうとうハーレーがたどり着いたように思えました。
ここでハーレーを降りて、
剛がステージに上がってくるかと思ったら・・・

なんと、そのまま、
ハーレーでステージイン!


どうやらステージの右袖は、
スロープのようになっていて、
そのまま地面から乗り入れられるようになっていたようです。
ハーレーは、ステージ中央で止まり、
それに乗ったまま、剛が観客の方に顔を向けました。

このとき、ようやく、肉眼で、
待ちかねた、その姿を捉えることができました。

黒の革ジャン、ZEPPのときと同じヘアスタイル、
なにやらいろいろ縫い付けてあるジーンズ、
サングラス、ピカピカの大型バイク。

その存在感は・・・
規格外の超大型ステージセットを上回っている。
人間ひとり、人間ひとり、
2メートルに満たないひとりの人間。
でも、その何万倍もの大きさのセットよりも、
バリバリに輝いて、オーラを放っていました。

その表情は気合満点、
ハーレーにまたがったまま、両手を合わせて、
ぎゅっと握り締めた。
この日、最高の大歓声が剛に浴びせられました。

いったい、どんな心境でしょう。
サングラス越しではありますが、
7万5千人が集まっている光景、
7万5千人が沸き立っている光景、
15万個の眼球が、
自分に向かって熱い視線を放っている光景。
剛しか、知りえない、その気持ちは、
とてもじゃないが、僕には想像がつかない。

時刻は、9時45分。
花火、ビデオ映像、登場と、
20分近い、オープニングの演出でした。

バイクを降り、マイクを持つ剛。
いつのまにか、バンドメンバーがスタンバイしている。
ここにきて、最大の注目は、
その第一声と、一曲目。

吉田拓郎は、初のオールナイトライブで、
日本音楽史に残るセリフ、

「朝までやるよーっ!」

を叫びました。
果たして、剛の第一声は?

「ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ!!」
 よおーこそおーっ!
 行くぞおーッ、
 今日は朝までーっ!」


拓郎は、俺たち朝まで演奏するよ、
という、ミュージシャンサイドに立ったセリフでしたが、
剛の場合、一言ずつ呼びかけて、
その反応を確かめながら叫んだセリフでした。

朝までいっしょに行くぞ!
俺だけが行くんじゃない!
ミュージシャンも観客も関係ない!
みんなで行くぞ!

という、剛の気持ちを読み取ることができました。
シンプルでしたが、剛らしい開幕宣言だったと思います。

剛の宣戦布告マイクが終わるやいなや、
ドラムソロがスタート、
ビートをもらって掛け声で後押しする観客。

「ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!」

ハーレーはステージ中央に置き去りにしたまま。
革ジャンを脱ぐと、ピンクのタンクトップ。
銀のネックレス、たくましい二の腕、
黒のアコースティックギターを受け取ると、
背中を見せて体全体でリズムを取る剛。
その姿は、
ZEPPでのオープニングを彷彿とさせました。

僕の注目は、一曲目の選曲に集中!
剛のキャリアのハイライトとなるライブの一曲目。
この選曲に意味がないわけがない。

果たして、その曲は・・・?



続く


<次回予告>
一曲の中でも、揺れ動く感情。
わずかな落胆、そして、これしかないとの思い。
多くを語らない剛のメッセージを受けとめたい。

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