長渕剛 桜島ライブに行こう!



7万の大観衆に震えましたか? (桜島ライブ8)

2004年09月01日(水)

『7万の大観衆に震えましたか?』−桜島ライブ(8)

                 text  桜島”オール”内藤




あきれるほどの人の数は写真では全く表現できていません。
ヘリからならいい写真が撮れるかもしれませんが・・・。


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7万人を超える人が来るとわかっていても、
実際にその人数が、なだらかな傾斜のついた、
広い、広い、ほんとうに広い桜島の広場を、
ぎっしり、みっしりと、埋め尽くしている光景。
それを目の当たりにして、
心が動かない人がいるものでしょうか?

まあ、壮観。
もう、壮観。
やれ、壮観。
それは人の集団だとわかっていても、
「なんだ、こりゃ・・・」
と言ってしまう。

これが全員、剛のファンという現実。
ファンといっても、

「ああ、長渕?いいねえ、
 俺も好きだよ、『とんぼ』とか」


という程度のファンじゃない。
ここは東京ではないのだから。
この人たち、全員、揃いも揃って、
わざわざ鹿児島の桜島まで、
しかもオールナイトのライブを見に来たという、
筋金入りのファンなのだから。

それにしても、
これだけの人を鹿児島まで呼び寄せるには、
いったいどんなことをしたらいいのでしょう。

「命懸けの闘いをするから、
 鹿児島桜島まで来て欲しい。」

そう、真剣に、頼んだとしても、
僕の願いを聞きいれてくれそうなのは、
家族と、親友数人というのが関の山でしょう。
こういうときには、親戚や同僚というのは、
まったくもって期待できないもの。
間違いなく誰一人来てくれないことでしょう。
結局のところ、
せいぜい7〜8人集まればたいしたものだと思います。

一方、この世の中には、同じセリフを言った時、

7万5千人が集まってくる人が存在する。

マンガの世界では、
例えば「サラリーマン金太郎」というマンガでは、
主人公の金太郎が声をかければ、
何百人という元暴走族が集まるという設定があった。

そういうことを考えると、
僕らの目の前に広がっていた光景は、
まったくもってマンガの出来事のようなものでした。
いや、マンガ以上に現実感のない光景。
僕らは、ただただ、静かに興奮していました。

ほんとうに、この大観衆は・・・
というか、僕らはどうしてここまでやってきたのでしょうか。
今更ながら、考えてしまいました。
それは、剛が、何年か前のライブで、
「桜島に来てくれよ!」
と叫び、
僕らも「行くぞー!桜島に!」と叫びました。
だから、来たのでした。
それで決まってしまったのです。

ほんとに行くのか?
などと相談することすら、ただの一度もなく、
気がつけば、こうして7万観衆を目にして、
ひたすら呆然としている僕らがいました。

呆然としながらも、ふと思ったことがあります。
全然論理的ではないのですが、

(ああ、桜島ライブは大成功したな・・・)

と思いました。

剛が命懸けで歌うと宣言し、
あの剛が命懸けで歌うなら見逃せないと、
7万人以上が集まった。
集めたということが、一番スゴイ。
だから、この時点でもう、
99%成功していると思いました。

チケットは完売なので、
その時点で成功と言ってもいいのですが、
やっぱり、生身の人間が集まっているのをこの目で確かめて、
大成功を確信したのでした。

もう、大丈夫。ライブは99%成功した。
おめでとう、剛。
あとは、ただ、命懸けで歌うだけでいいんだ。
一人で僕はそんなことを考えていました。

オールナイトで歌うこともスゴイですが、
ほんとうにスゴイのは、
これほどの人間を集めるというひとつの結果を生み出した、
剛の25年間の積み重ねだと思いました。
その25年に比べたら、

たとえ最後まで歌い切れなかったとしても、
歌詞を間違えたとしても、
演出を失敗したとしても、
どんな歌を歌ったとしても、
用意した曲がぜんぶ歌えなかったとしても、
そんなことは些細なことだと思いました。


桜島から朝日を引きずり出すことよりも遥かに、
全国から7万5千人を引きずり集めた事の方が、
ずっと、ずっと、スゴイ!
スゴ過ぎる。

しばしの間たたずんでいた僕らは、
そのあと無言になって、
まずはトイレに行っておこうと歩き出しました。
歩きながら、
あの、目がくらむような大観衆が集まったこと、
その現実の真っ只中に身を置いていることを、
自分の中で消化しようとしていました。

売店やトイレは、会場の両側にありましたが、
会場に面していたのではなく、
会場の隣に、これまた巨大なスペースが広がっており、
そこにたくさんのテントと、
さらにその奥にトイレが多数設置されていました。
これだけで、一つのイベントスペースかと思う大きさでした。

まさにトイレまで行くのも一苦労の距離でした。
まずは会場の横まで歩いていき、丘を超えるような感じで、
売店エリアにやってきて、
広いそのエリアを横切ってトイレまで歩きます。
人がまったくいなかったとしても、往復10分では帰れません。
もちろん人がいないどころの騒ぎではなく、
大きなお祭りかと思うようにごった返しているのです。
これは、30分かかる、と思いました。
ライブ中に何度も来るわけにはいかない、と覚悟しました。

こうしてどうにか時間に余裕を持って会場に到着し、
すっかり安堵していた僕らですが、
ここで、さらにもうひとつ困難が待っていたのです。
その困難は、僕らのブロックだけの問題ではなく、
そこら中のブロックで起きていたのです。

そのため、9時開演のライブは、
30分も遅れることになったのです。



続く


<次回予告>
自分のブロックに入れない・・・。
演出のために空けなければいけない通路に人があふれ、
剛が登場のスタンバイに入っているにも関わらず、
30分ものあいだ、開演ができない事態に・・・

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<補足コーナー>

東京のIさんより、以前の日記に書いた
「なぜグラウンドに長時間足止めされたのか?」
の理由に関しての情報をいただきました。


『おそらくですが、
後ろの方のブロックの人たちを入場させていたためだと思います。
私たちは5時半過ぎにツアーバスが桜島に付き、
そのままグランドを超え、グッズ売り場を越え、
溶岩ロードを歩きました。

私たちがグランドを通るときもスタッフの人たちが
「込み合うことが予想されますのでここで待機してください!」
とメガホンを使って呼びかけていました。
グッズ売り場は確かに込んでいましたが、
規制の必要があるほどぎゅうぎゅうというわけではなかったので
(既に売り切れのコーナーも多かったですし)、
変なこと言うなあと思ったんですが・・・。

溶岩ロードに入ってびっくり。
Fブロック以下の人が入場できずに延々と
右側の道路に列をなして座っていました。
グッズ売り場のすぐ前から1キロ以上は優にあったと記憶してます。
何時間もまたされているであろう人たちの中には、
それぞれ近くのギターをもった人を中心に合唱大会のように
盛り上げようとがんばっているグループもありましたが、
大抵はみんなぐったりしてました。
私は幸いDブロックでしたのでその横をスルスルぬけ、
最後の入場ゲート以外は比較的すんなり入場することができたのですが、
入ってみると後半ブロックは1ブロックに10人以下のがらがら状態。
前のほうはかなりぎっしり入っているのに・・・。
たぶん、4時頃降った雨のためにグランド整備など何らかの理由が生じ、
後半ブロックを入場規制し、
そこでたまった人たちを6時過ぎから入場させるため、
後から着いた人たちをグランドで
一時的に待機させていたのではないでしょうか。』

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桜島 [MAIL]

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