冒険記録日誌
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2016年06月30日(木) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その11

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 暗い通路を静かに歩いていたが、豪華な衣装を身にまとったスケルトンが剣を振り上げてやってきた。この衣装は寺院の司教が着ていたものだ。これが正体か!
 カンパネラから教えてもらった魔法を使うと、護符は見事に作用して、スケルトンはシューシュー音をたてて消滅した。あっさりボス撃破だぜ。

 通路の最奥に到着してそこに書かれた謎のメッセージを読み上げると、突然、異次元空間に飲み込まれた。
 次のパラグラフは書かれていない。オルセンの塔で手に入れた羊皮紙の謎を解いてそのパラグラフに行かなければ、ここで詰みとなるのだ。
 困った。この手の謎解きは苦手なんだよな。
 羊皮紙の内容はイラストで描かれている。一見すると迷路のような模様が中心に書かれており、その周囲に月や太陽や怪物などの絵がいくつも描かれている図柄だ。
 この本の前の所有者も迷路と思ったらしく、エンピツで道をたどったような書き込みがあるが、特に数字が浮かび上がるわけでもないようだ。そもそも迷路ならスタートやゴールの表示がないのがおかしい。謎のメッセージ「月の神が怒れる陽の神とともに頂へのぼり……」がスタート地点の暗示かもしれないが。
 悩みつつ、ヒントはないか作者あとがきを読んでみると、この謎は老師オルセンに鍵があるらしい。オルセン、おるせん、折る線……。なるほど。
 近くのコンビニでイラストをコピーして、メッセージの意味に合わせて折っていくと、952の数字が浮かび上がった。
 んー、パラグラフ952はないなぁ、と思いながら、ひっくり返すと答えがわかった。

 気が付くとまた階段の途中にいた。
 永遠に続くかと思われる階段を下り続けると、円柱に支えられた大広間に到着する。
 いよいよドラゴンの間に続く、最後の試練がやってきた。
 剣の試練「ザロスの間」か、魔法の試練「ヘイムダムの間」のどちらかを選ばないと行けないらしい。
 迷ったときは最初の選択肢──とばかりにザロスの間に向かう。
 その部屋には古代戦士を模した青銅の巨人像があった。慎重に調べていると、唐突に像が動き出して、巨大な剣の一撃が振り下ろされる。
 とっさに魔法の盾を出現させてこれを受け止めると、戦闘を開始した。
 巨人像は本来かなり手ごわい敵だが、刀鍛冶の爺さんからもらったザロスの剣が像から生気を吸い取っているらしい。
 わずかにふらついた動きをする像を、難なく倒すことに成功した。

 ドラゴンにつながる黄金の扉の前に、下半身は蛇、上半身は美しい女の姿をした生き物があらわれた。
 「ドラゴンの封室へようこそ。わたしはナーガ神のソニア」
 彼女は善竜ラヴァンスに会った次にすることは、ラヴァンスにかけられた力の封印を解く為に、ミルデルムントの高峰にある神殿に向かう必要があると助言してくれる。
 さらにはザロスを倒した勇者として、戦闘での敵に与えるダメージを毎回1/2の確率で、3にアップする祝福を授けてくれた。

 女神に礼を言い、黄金の扉を潜り抜けると、そこには求め続けたもの。赤銅色に全身を光らせた巨大なドラゴンが座してこちらを見ていた。
 何も言葉を発しないが、その眼には明らかに知性が感じられる。
 ラヴァンスの背中の鞍に乗ると、竜は翼を2・3回力強く羽ばたかせ、大轟音と共に井戸のような縦穴を舞い上がった。
 縦穴から外界に飛び出すと、夕空に星がまたたく光景が視界全面に広がった。久しぶりに味わう新鮮で冷たい空気を吸うと、竜に北へ向かうよう指示を出す。
 さあ行こう!ラヴァンスの封印を解くため、ミルデルムントの高峰へ。
 
 冥王モーレグとの戦いはこれからだ!


完 (ご愛読ありがとうございました。山口プリンの次回リプレイにご期待ください。)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 最後の2つの試練は、今回のリプレイではどちらにも対処できる状態で挑んでいましたが、ヘイムダムの試練の方は対抗する呪文を使うタイミングがわかりにくく、そちらを選んだら恐らくゲームオーバーになっていたと思います。ちゃんとヒントはあったので自分が鈍いだけですが、クリア後に関連パラグラフを一々確認して、やっと意味がわかった感じでした。
 解法さえわかっていれば、こちらのルートはMANORAのコントロールの能力(ファイヤーボールがサイコロを振らなくても必中になる)を授かるので、もし2巻以降が出ていれば、ここはザロスの試練とどちらを選ぶか、悩ましい選択だったことでしょう。
 また、衛兵と追いかけっこになる迷宮地帯は、ヒントのおかげでアッサリ抜けてしまいましたが、迷宮にはいろんな罠が仕掛けられ、個人的に気になっていたBEURIOの呪文の唯一の見せ場があるとか楽しいシーンがあるので、リプレイのネタ的にはスルーはちょっと勿体なかったかも。それに唯一の双方向部分として衛兵と何度も戦うこともできるので、体力さえもつなら、わざと迷ってここで経験値を稼ぐ手もあるかもしれません。(もっとも、経験値による成長は1巻の最後なので、現状では無意味ですが。)

 さて、全体的な感想ですが、ソーサリーとの類似の多さは確かに感じますが、もちろん良い点も共通しているわけで、本作単体で考えれば文句なしの良作です。
 1巻クリアに必須なのはカンパネラから教えてもらう呪文と護府だけで、これさえ確保できれば他は好きにルートを選んでも、知らない内にゲームオーバー確定になる心配はなく、情報不足やアイテム不足でかなり不利にはなることはあっても、一応クリアは目指せるゲームバランスは、実に私好み。
 また、その気になればルート選択や敵との遭遇でも魔法や交渉や行動次第で、剣を使った戦闘の大半は避けることが出来ます。クリアまでにどうしても剣を抜くことを避けられないのは、ソーサリーの1巻(魔法使いでのプレイ時)と同じく1回だけでした。
 さらに、和製ゲームブックの中で比較すると、TVゲームを意識した作品が多い中、ラヴァンスはイラストも含めて、洋物ゲームブックに近い雰囲気で製作されている貴重な作品です。また、この後の主人公はドラゴンと一緒に冒険するという、類のないとまでは言わないまでも(※)珍しい展開ですから、もし完結まで発売されていれば、シリーズ全体としてはソーサリーとの差別化はそれなりに出来ていたのではないでしょうか。

 今回は、ラヴァンスで味わう久しぶりの王道ファンタジー冒険に、これこそゲームブックだよ!という気分に浸りながら気持ちよく遊べました。パンタクル3よりも可能性は低いことはわかっていますが、滝日省三さんに続編を是非書いてください!とお願いしたいものです。
 最後に余談ですが、作者あとがきによると、シリーズの重要キャラとなる老師オルセンは本巻にすでに仮の姿で登場していて、オルセンの置き手紙があった塔内のイラストにそのヒントがあるそうです。該当のイラストをみると、冒頭で出会った老人が着ていた服に同じ模様があったので、やはりあの老人がオルセンで正解なんだろうな。



※ 巨大ドラゴンが仲間になるゲームブックは他に双葉文庫の「未来神話ジャーヴァス 救世主の章―新世紀を救え!」があり。あとがきで作者が「次回はゲームブック史上初の空中戦が用意されている」と書いていましたが、実はそれもジャーヴァスでお互いがドラゴンに騎乗してドラゴンブレスを吐きながらの空中戦を先にやっています。


2016年06月29日(水) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その10

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 突然だが沼地で巨大リザードマンに出会った。筋肉が盛り上がって、全身から漂う殺気が凄まじい。
 遠慮がちに声をかけてみるが、「俺はつるむのが嫌いだ」と無愛想に言う。話す気はなしかと思うがさにあらず。
 「……だが、人は信用しないが、物は信用する。」
 要するに何かくれということか。実は昔の記憶があったので、彼が欲しがる物は、今回はもちろん1・2回目のプレイの時にも用意してきていたのだ。遭遇するルートは忘れていたのだが、3回目にしてやっと出会えた。
 大喜びでプレゼントを受け取った巨大リザードマンは、ラスムーゼンと名乗って家に招待してくれる。
 酒を酌み交わしながらしばらくラスムーゼンの身の上話しを聞いてやる。帰り際にラスムーゼンは、モハドバ寺院のトカゲ野郎に出会ったら自分の名前を出せと言い、この前ぶち殺したオーガが持っていたという羊皮紙をくれた。
 羊皮紙はどこかの迷宮の正しい経路を書いてあるようだ。十中八九、モハドバ寺院の地下迷宮のことだろう。

 その後は普通に村に泊まり、翌朝モハドバ寺院に向かう。
 行く手を遮るリザードマンの門番にラスムーゼンの友人だと告げると、リザードマン達は恐慌を起こして、あんたに乱暴な口を叩いたことをラスムーゼンにはどうか黙っていてくれと、象牙の腕輪だの食料だのこちらに押し付けて逃げ出した。どんだけ怖がられているんだよ。
 礼拝堂に向かい、謎の司教を呪文で追い払い、祭壇のレバーをいじると、地下迷宮の入り口がぽっかりと開いた。
 さあ、いよいよ終盤戦だ。

 牢獄に捕らわれていたエルフの捕虜を救出すると、エルフは歌を歌って体を癒してくれ、さらに迷宮の一部の情報を教えてくれた。
 エルフと別れて迷宮の奥に向かうと、衛兵達に見つかって追いかけっこが始まる。
 しかし、ラスムーゼンのくれた羊皮紙と、エルフの情報を合わせて、迷宮の中を迷うことなく、出口らしきところに到着。
 ところが、油断大敵。天井から伸びている2本の紐のうち、1本を引いてみると警報が鳴り響いて、衛兵達がやってきた。(サイコロ+1の人数と戦うことになっていたが、サイコロの目は運よく1!)
 これは退治してもう1本の紐を引くと、扉が開いた。ここから先はなぜか衛兵も追ってこない。
 息をのむと、最終決戦の舞台へ足を踏み出した。


続く


※※※※※※※※※※※※※※※

 船に乗ったコブリン達からもらった鍵が、エルフが閉じ込められていた牢の錠にピッタリあった。なぜあいつらが持っていたのだろうか?
 ソーサリーでも、、四巻のマンパン砦にあった錠の鍵を一巻で出会ったオーガが持っていたりするし、ゲームブックあるあるな現象ではあるのだが。


2016年06月28日(火) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その9

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 うーむ。石像に信者達の奉納品とかを貯め込んでいるかと考えたのだが。
 ここは調べるのが人情ってものなのに、ノーヒントで一発死とは酷すぎるわい。(後で調べると、道中で石像に触らないよう忠告を受ける場所が2箇所あった模様。)
 まあ、気を取り直して3度目の正直行ってみよう。


 技量ポイント10(敏捷ポイント9)(筋力ポイント1)
 体力ポイント20
 所持品:剣、背負い袋、金貨20枚、食料2食分、呪文書

 盲目の老人からまたアイテムを頂戴して、2回目と同じく谷間の森に歩を進め、エルフ達から角笛と食料をいただく。
 このあとは、さらに森の奥に進むようにすると、木立の奥から怪しげなモヤが沸き出し、妙な肌寒さを感じてきた。
 突然、行く手を遮るように、人型の青い影が宙に浮かび上がった。
 「我は精霊クラン。ここから引き返せ!無謀な旅を続けようなどという愚かな過ちを、今すぐ悔い改めよ!」
 ソーサリー一巻にもこんな奴いたよな。ここは対精霊攻撃魔法を迷わず使う事にする。ここで使わなくていつ使う?って感じの呪文だし。
 さっそく、魔法を使うとロータスの実を消費したが、精霊には何も影響していない。あれ? 
 「精霊が眠るとでも思うたか!さても愚かな魔法使いよ、思い知るがいい!」
 精霊の冷気攻撃に体力3点を失う。えーと。どっちもあまり使わない呪文だから間違えた。(汗)
 幸いにも呪文を唱えなおすチャンスがあったので、今度は正しいを呪文を唱えると精霊は苦悶の声を響かせながら地面に吸い込まれて消滅した。
 精霊の消えた地面を掘り起こすと、エルフ文字が刻まれた古ぼけた箱が出てきた。箱の中には紫水晶のネックレスと金貨10枚。角笛でさっきのエルフ達を呼び出してエルフ文字を解読してもらうと、ヘイムダムという敵に使用する呪文が書かれていて、紫水晶はその触媒らしい。これは結構重要なアイテムを手に入れたようだ。

 さらに森を抜けて歩いていると、極彩色のキノコを発見。キノコの風下にいるだけで体調を崩すような、文句なしの毒キノコである。何の役に立つのか不明だが、持って行っても良いと書かれたアイテムは全て持っていくのがゲームブック者の務めでしょう。
 この後は見慣れた街道に戻ったので、1回目の冒険と同じく偏屈な刀鍛冶の爺さんからザロスの剣を譲り受ける。

 ここからは同じく、塔でオルセンの書置きを見つけ、カンパネラさんから呪文を教えてもらい、翌朝到着した沼地では古ぼけた船に乗り込んだ。
 船を漕いでいると、コブリン達の乗った船に出会ったので、黒檀のマスクを使うと、その船は俺たちの持ち物だから返せという。
 戦ってもいいのだが、無断使用しているのも事実なので、ここは平和的に、物々交換をする選択肢を選ぶことにした。
 極彩色のキノコを差し出すと、コブリン達は大喜びでキノコを受け取ってお祭り騒ぎ。船のオールや謎の鍵や食料までおまけにくれる始末でなんとも気前が良い。吸うと気分がハイになるキノコなのか?なんにせよ助かった。

 コブリン達と円満に分かれた後はしばらく静かに船を漕ぎ続ける。
 やがて水位が浅くなり、船が通れないところまで到着したので、船を乗り捨てて沼地を再び歩くことにした。


 続く


※※※※※※※※※※※※※※※

 他の言語の生き物と話せるこの便利な犢檀のマスク”は最初の村の雑貨屋に売っています。
 ソーサリーのRAPの魔法、もしくはドラえもんの爐曚鵑笋コンニャク”と同じ効能を持つ魔法のアイテムが、金貨4枚とはお買い得すぎです。
 他にも後の村の商店で売っているエメラルドの振り子も強力で、目の前で揺らすだけで襲いかかろうとした敵も眠らせてしまうという、JOTIFAの呪文の存在意義を揺るがす驚異の性能を誇ります。これがたったの金貨5枚。
 ところがその一方で食料は1食分に金貨3枚と高価。これはこの世界では魔法の品がありふれているのか、もしくはモレーグの侵略による食糧難で食品価格が高騰しているのだろうか。
 いったいこの世界の物価はどうなっているんだ。


2016年06月27日(月) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その8

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 10年以上ぶりのプレイにしては、終盤手前まで進められたのは予想以上でした。手ごたえを感じたので、二周目に挑戦します。

 技量ポイント10(敏捷ポイント6)(筋力ポイント4)
 体力ポイント23
 所持品:剣、背負い袋、金貨20枚、食料2食分、呪文書

 旅立つと盲目の老人からまた金貨と控えにアイテムをいただく。
 その後の別れ道は違うルートを選び、谷間の森に歩を進めた。
 夕方、森でエルフ達に捕まったものの、思い切って正直に任務の一部を話すと、打倒冥王モーレグの思いは一緒だったらしく、解放してくれる。またこの森にいる間は必要があったら呼んでくれと、角笛と食料までくれた。
 続いて、トロールに遭遇。ファイヤーボールと剣で倒すとトロールの使っていた大剣を入手。この剣を戦闘に使うと、ダメージが2から3へ増加する効果がある優れものだ。
 重いので通常なら攻撃力−1のペナルティがあるのだが、筋力ポイント4の人なら問題はないらしい。今回の自分にピッタリである。

 丘を登るルートを選ぶと森を抜けて、最初の冒険と同じ、大小の洞窟が並んでいる場所にたどり着いた。
 今回は小さい洞窟に入っていみると行き止まり。ただし、虫よけ粉の入った皮筒を発見した。
 早速、前回虫どもに襲われた大きい洞窟で使用すると、大量の虫は潮が引くように退散して、静かになった。今回は金貨を落とすどころか、前の不運な旅人が落としたらしい金貨7枚を入手。幸先が良いようだ。
 大クモはファイヤーボールを使わず、自慢の大剣で退治すると、クモの糸でグルグル巻きになった旅人を発見。助け出して老人からもらった回復薬を飲ませると、旅人は息を吹き返した。彼は感謝して、ウィンドビルの酒場で賭け試合にはのらないよう忠告してくれた。もう知っているけどね。

 その後は、ザロスの剣をくれた爺さんの小屋を通らなかったくらいで、前回と大体同じ。
 カンパネラさんと別れた翌朝は、再び沼地に到着。今回は船を使わず岸づたいに歩き始めると、前回の冒険と同じワニに襲われた。ここはサクッと倒してアリゲーターの牙を入手。
戦闘用馬車に乗ったコブリン2匹に魅了の魔法&黒檀のマスクを使うと、ゴブリン達が馬車に乗せて村まで運んでくれた。おかげで体力の節約になった。
 今回は調子の良い(体力の多い)状態で、モハドバ寺院に挑戦できそうだ。

 翌日になるとモハドバ寺院に行って、正体を明かす魔法を唱え、怪しげな司教をまた撤退させる。
 さて、隠し通路探しだが、前回は動かせなかった石像に注目した。今回はこのために筋力4ポイントにしたようなものですから!
 力任せに石像を動かすと足元の床がパックリと開いて、深い落とし穴に飲み込まれた。



2016年06月26日(日) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その7

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 「おい、ちょっと待て!」
 寺院に入ろうとすると、リザードマンの門番が2人立ちふさがった。
 わいろを使うか、身分を偽るか、腕ずくで通るかの三択だ。体力も減っているので戦闘は避けたい。身分を偽ることにしよう。
 友人の頼みで酒を買いに来たついでに評判のモンドバ寺院に立ち寄っただけだと説明すると、友人の名前を言えとまた3択。アームストロング、ラスムーゼン、ヨルムンガンドの3人だが、全員知らない名前だな。(後で読み返すと剣をくれたお爺さんが、ラスムーゼンに関する情報を言っていた。)
 でも、それ以外の選択肢がないので、誰か選ばないといけない。
 適当に最初の選択肢を選んで、次の尋問も最初の選択肢を選ぶと、信用してもらえたようで無事門を通過することができた。最初の選択肢が安全というジンクスはまだ健在なようだ。

 寺院の中庭を通り、大聖堂への大きな階段を登って扉を開けると、円形の室内に、祭壇と神像と思われる巨大な獣像が設置されているのが目を引いた。
 そのとき、祭壇傍のビロードのカーテンから、僧衣に身を包んだ知的な風貌の男が現れた。
 「旅人よ、モンドバ寺院にようこそ。わたしはこのバラ教団の司教である。今日は礼拝の日ではないが、何か用がおありかな?」
 司教は礼拝を勧めたが断ると、「異教徒め!今すぐ立ち去らんとゴーダ神の怒りにふれるぞ!」とわめき出した。
 実はカンパネラに合った時に彼女から「モンドバ寺院の司教には用心あそばせ」という忠告を受けていたが、それを聞くまでもなくこの司教は胡散臭い。

 こちらが立ち去ろうとしないと見ると、司教は何か魔法的な呪詛の言葉を唱え始めた。こちらも対抗して呪文を唱える。
 魔法防御の呪文でも良かったが、ここは正体を暴露する呪文を使うと、なんと司教の皮膚や肉が溶け始めた。おぞましい怪物の正体が現れようとしている!
 そのとき、背後の扉が軋む音がしたので、一瞬振り向くが何もいない。すぐに視線を戻すと司教は忽然と消えているではないか。どこに消えたのか?
 ビーロドのカーテンを開けると、司教の私室だったが、どこにも抜け道はなかった。(ついでに物色して爛汽織鵑寮弌匹鯑手)
 あとは、祭壇か石像を調べるべきだ。ウィンドビルの村人から聞いたヒントにあった石像を動かそうとしたが、残念ながら筋力ポイントが3以上必要らしい。次に祭壇を調べると小さなレバーが見つかった。手前に引くか?押すか?
 困ったときは最初の選択肢でしょう。
 レバーを引くと、彫像の鼻から強烈な炎が降りかかった。全身を火に包まれ、のたうち回って死亡。 


完 (再挑戦に続く?)


2016年06月25日(土) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その6

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 5日目。
 翌日は湿地帯に行き当たった。
 薄暗くて陰気な沼とも湖ともつかぬものの岸辺で、どうやって渡ろうかとしばし悩んだ。
 目の前には2艇の船がある。オール付きで装飾までついた小奇麗な船と、オールなしで苔に覆われた古ぼけた船で、このどちらかの船を無断借用するか、岸づたいに湿地帯を大回りする3択となっている。
 体力2点を消耗して危険察知の呪文を唱えると、どちらかの船が危険だということがわかった。このシュチェーションのお約束どおりである。
 ただ、呪文によるヒントによるとなにか怪しい力が働いているらしいので、小綺麗な船の方が危ないとみた。古ぼけた船が危険だとすれば、水漏れで湖の真ん中で沈没という展開になると思うので、怪しい力は関係ないと考えたからだ。

 古ぼけた船で湖にのりだす。
 オールがないので、濁った水を手で漕ぐという重労働で、体力をさらに1点消耗する。前方のもやの中になにか別の船影が見えた。用心して謎の船と遭遇しないように迂回する選択肢を選ぶと、今度は小さいが強力な渦巻きに遭遇して飲み込まれそうになる。あわてて船から脱出して手近な岸まで泳ごうとするが、判定用のサイコロの目は10以下を出せば良かったのに、運悪く11だ。
 水流に巻き込まれて気を失い、気が付いた時は浅瀬に打ち上げられていた。
 剣以外の所持品は全て失った。残り体力もかなり低下している。命が助かっただけでも良しとすべきだろうが、これはクリアに致命傷かもしれない。
 さらに追い打ちをかけるように巨大ワニに襲われる。ここでも傷を負って、弱り目に祟り目とはこのことだが、なんとか倒してアリゲーターの牙を入手した。
 雑木林に抜ける道と沼地をさらに進む道に分岐していたが、湿っぽいのはもうコリゴリなので雑木林を抜けて街道にたどり着くと、次の村まで歩き続けた。
 街道では戦闘用馬車に乗ったコブリン2匹が暴走してくるのに遭遇するが、魅了の呪文を唱えて戦闘を回避する。ただ残念ながらコブリンとは言葉が通じないので、金貨5枚だけを巻き上げてわかれる。黒檀のマスクを持っていればコブリンと話せたらしいが、話せると何か情報があったのだろうか?

 ウィンドビルの村に到着した。
 ひとまず雑貨屋に行ってみたが、所持金は少ないし、あまり欲しい物はない。逆に手に入れたばかりのアリゲーターの牙を金貨4枚で売り払った。これで今晩の食事代くらいにはなるだろう。
 酒場に立ち寄って麦パンとあぶり肉の食事(料金は金貨4枚)をして、体力を回復する。
 酒場の中はアームレスリングの賭け試合で大盛り上がりで、進行役から試合に参加しないかと誘われたが、筋力ポイントが2点しかないし、なにより昔のプレイの苦い記憶があったので止めておいた。
 宿を出ると集落の男たちがたむろしている所にまじって雑談をする。モハドバ寺院のことを尋ねると、村人の一人からモハドバ寺院の司教が寺院の石像を動かしている所を見たという情報を入手。
 宿ものぞいてみたが、一泊金貨5枚と高く、モハドバ寺院までの旅は後何日続くかわからない。
 泊まって体力を回復したかったが、路銀を節約して村はずれの廃屋で一晩を過ごす。


 6日目。
 村を出発してから数時間たつと、荘厳な建物が見えてきた。モハドバ寺院だ。
 ( ̄Д ̄;)
 地図見ても距離感がわからねぇ。決戦に備えて宿に泊まっておけば良かった。
 実は山口プリンはここまできたのは初めてだ。過去の最高到達地点は、昨日のアームレスリングの賭け試合で金もないのに挑戦して二戦目で負け、村人に袋叩きにあって体力が0になり死亡だったりする。


続く





2016年06月19日(日) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その5

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 4日目。
 宿を出て1時間ばかり歩くと、谷間の土地に入りこんだ。
 この荒涼とした大地の上にオルセンがいるという塔があるはずなのだが、なかなか見つからず、結局太陽が頭上高く上った頃にやっとひょろ長い塔を見つけた。

 扉を開けて塔に侵入したが、塔はクモの巣だらけで人の住む気配がまったく感じられない。しかし、最上階の部屋に置かれた机の上には、一枚の書きつけが置いてあった。オルセンからの手紙だ!
 それによるとモンドバ寺院の地下に古い地下迷宮があって、その奥に善の竜ラヴァンスの封印された入り口があるようだ。さらに封印された入り口を開ける鍵となる巻物が引き出しにあるそうで、机をまさぐってしっかり回収しておいた。

 ここで窓から耳障りな羽音が聞こえた。みると石の翼をもった醜怪な化け物ガーゴイルがこちらに向かって宙を滑るように突進してくるではないか!(敏捷力チェック→成功)危うくかわすことはできたが、敵の動きは素早く再び宙を舞いながら、キイキイ声でわめく。
「冥王の敵!カオスに誓って、このザヌ=ラトミスがきさまに死を!」
 ファイヤーボールは当たりにくそうなので、魔法の矢を放ったが、体力2点減らしただけだった。もちろんこちらの体力も1点消耗する。盾の魔法を使った方が良かったかな。
 戦闘に勝つとガーゴイルは窓から逃亡して北の空へ逃げ去ってしまう。
 これ以上ここにいても仕方ない。モンドバ寺院に向かって旅を再開しよう。

 道は次第に雑木林の中に入っていく。ここで若い女と醜い妖精ブラックフェアリーが大声で言い争いをしている現場に遭遇する。
 おっ、ついに登場。女魔法使いカンパネラさんだ。このあたりは昔の記憶が残っていたので、彼女の喜ぶ魔法を見せてあげると、カンパネラは喜んでお茶をご馳走してくれた。
 さらにここでは、カンパネラからDESKULという新しい魔法を教えてもらうことができる。
 ところが、この呪文の効果は「ある特定のもののみ有効」と極めて適当な説明しかカンパネラはしてくれない。さらにある法則にのっとった護符が必要ということで、8つの護符の中から一つだけ持って行っていいが、正しい護符は一つだけという嫌な謎かけをしてくれた。これじゃソーサリーのカーレの街にいたロータグさんと一緒だよ。
 ここの謎解きはすっかり忘れていたので、かなり悩んだ。どのくらい悩んだかというと通勤電車内で30分くらいである。これが正解だと思う護符をとってはみたが、どれを選んでもカンパネラはニッコリ笑って選んだ護符を差し出してくれるだけだ。正解は実際にDESKULを使うまで不明である。
 別れ際にカンパネラは祝福をしてくれ、体力が全快する。これはありがたかった。
 食料不足で今夜は飯抜きの野宿となったが、とりあえず行き倒れの心配はまだしなくてよさそうだ。


続く


※※※※※※※※※※※※※※※

 カンパネラはキャラや立ち位置的に、ソーサリーでいうところのアリアンナみたいな人だと思います。
 そこで、またまたソーサリーとの徹底比較コーナー。今回は「アリアンナさんとカンパネラさん、萌えるならどっち?」です。

<容姿>
 文章を見ればどちらも美女ということになっています。
 後はイラストの問題ですが、カンパネラさんは、彫りの深い顔立ちでアメコミっぽい印象。アリアンナさんは……一度追いかけられる夢に出てきたことがあるほど、印象的な顔立ちです。

結論 どっちも濃ゆい


<性格>
 圧倒的にカンパネラさん。ちょっと自己中なところはありますし、怒らせると電撃が襲ってきますが、こちらの対応が良ければ礼儀をもって接してくれます。特に最後の体力回復魔法のありがたみは心に染みますね。主人公と魔法談義に花を咲かせるところなんかフェネストラさんに近い性格かもしれません。
 この勝負はそれ以前に、タダで褒美はあげないと、檻から出してくれた主人公にゴーレムをけしかけるアリアンナさんがひどすぎです。

結論 カンパネラ WIN!


<シュチェーション>
 アリアンナさんはいきなり檻に閉じ込められていたところを主人公と初対面で、掴みは完璧!その理由が小妖精どものせいで不覚にも、というのも意外とドジッコ属性があるかもしれないです。
 カンパネラさんは、小妖精と罵り合い。しかも主人公の挨拶も気づかないほど大声でというのはいただけません。

結論 アリアンナ WIN!


<強さ>
 アリアンナさんが作中に使った魔法は、呪いと、椅子をゴーレムに変えるの2種類。
 カンパネラさんの魔法は、再生・解呪と電撃。あと未知の呪文DESKULを知っていること。
 魔法の系統が違うのでちょっと比べにくいですね。カンパネラさんと結婚したら「ダーリンの浮気者〜」とか電撃攻撃くるんだろうなと思った方は、間違いなくゲームブック世代のおっさんです。

結論 ミニマイトのジャンの魔法防護オーラすら貫通するガザムーンさんが最強


<総論>
 カンパネラ WIN!
 カンパネラさんの優しさは無条件のものではないのですが、魔法の才能があればかなりいい感じにお近づきになれます。
 一方でMっけのある方はアリアンナさんでしょう。反対に檻に入れてもらって調教豚になりましょう。
 ソーサリーやラヴァンスで萌えることができれば、もうゲームブック上級者です。さらに精進をして最終的には「マカリティックたんナメナメ、ハァハァ」と悶えるくらい極めてくださいませ。



2016年06月18日(土) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その4

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないでください。)

 まだ旅は始まったばかりということで、狩りなどで何度か訪れたことのある道を足取りも強く歩いていく。他の人間を見かけることもなく、風の吹き抜ける草原地帯の光景が心地よい。
 日が昇った頃に盲目の老人と道ですれ違った。話しかけてみると、山賊に襲われてわずかな所持品以外洗いざらい奪われてしまったとの話しである。
 老人に残されたものは、ロータスの実一つと象牙の腕輪1個だけだそうで、「金貨3枚で買ってやるか?」という選択肢を迷わず選んだ。
 冒険が始まった直後に、魔法の触媒アイテムが2つも手に入ったわけだ。(旅立つ前にそれくらい用意しておけよって気もするが、それはソーサリーも同じだ。)
 しかも、老人は感謝の印に、回復薬2服分までおまけにつけてくれた。金貨3枚でいやに気前がいい。どう考えても老人の方が損をしている気がする。
(この老人は老師オルセンが化けている姿ではないかと、山口プリンは睨んでいたのだが、作者以外には真相は永遠にわからずじまいである。)

 さらにテクテク歩いて、道が分岐したところでは山越えルートを選んだ。
 冒険初日は何もトラブルなく夜を迎え、今夜は野宿となった。火を起こし、食料を食って寝る。深夜にナイトウルフに襲撃され、初戦闘となったものの、ファイヤーボールを飛ばして、剣でとどめを刺した。ナイトウルフの牙を入手。
 翌朝、再び山道を歩き始めるとまた道が分岐している。どこがどうだったか、昔の冒険の記憶はほとんど残っていないので、ここは最初の選択肢になっている道を選ぶことにした。
(ちなみにゲームブックで、特に当てもなく道の分岐等の選択肢に出会った場合、最初の選択肢が安全ルートになっている可能性が比較的高いと山口プリンは思っているので、様子見をしたい時はよくこの法則に従ってプレイしているのだ。)

 道はやがて大小2つの洞窟の前で行き止まりになっていた。どちらかの洞窟に入るか、崖を登るかの3択だが、やはり最初の選択肢になっている大きい洞窟を進むことにした。トンネルがあるのに崖を登る奴は、よほど性格が捻じれている奴に違いない。
 トンネルでは無数の虫に襲われて、金貨を5枚も落としてしまった。その後登場した巨大クモにファイヤーボールをぶつけると、クモの巣にも引火してあたりは火の海に!火傷しつつも、全速力で走って洞窟の出口で一息ついた。無事脱出したのはいいが、クモがもっていたかもしれないお宝を取りそびれたな。

 道は再び分岐。選んだ道に沿いにあった一軒家に立ち寄り、刀鍛冶をしている偏屈な爺さんの出す謎かけに答えると、ザロスの剣なる名剣を譲り受けた。これは攻撃力が1増加する優れものだ。偏屈な爺さんとはいえ、やけに気前のよい話しである。
 この日はそれ以上の事件もなく、街道の村につくと宿についた。金が残り少ないが飯はちゃんと食べることにしよう。(食事を抜くと体力が余分に減らされるルールがソーサリーにあったが、ラヴァンスも1日の最後には消耗点として、2点ほど体力を減らされる地味にきついルールがある。これで行き倒れになったとか、アドベンチャラーズインでも報告されてたな。)
 野ブタのシチューを食べ終え、地元民に酒をふるまって情報収集をした後は、節約のため馬小屋の傍で野宿。違うゲームならマジックポイントだけ回復しそうな雰囲気だ。
 こうして冒険3日目は終了。今のところ平穏そのものであるが、明日は老師オルセンが指定した場所にたどり着ける見込みになっている。
 果たしてオルセンに無事会って、善の竜ラヴァンスの秘密を教えてもらう事はできるのだろうか。


続く


2016年06月12日(日) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その3

 眠れる竜ラヴァンスの呪文名は6文字のアルファベットです。一見ソーサリーの3文字より複雑そうですが、各呪文名の頭文字は全部違うので、Aの呪文とかMの呪文と覚えたらいいので楽だったりする。また、ソーサリーみたいに偽スペルを混ぜて「こんな呪文は存在しない」なんて意地悪な仕掛けもほとんど(0ではないが)ないので安心だ。

<ANDEMO>
 唱えると、それが危険なものかを察知することができる。消費体力ポイント2。
 危険の内容まではわからないものの、物理的な罠から人の悪だくみにまで、幅広く反応する優秀な呪文。
危機からの具体的な脱出方法まで教えてくれるソーサリーのSUSには劣るが、これはSUSが便利すぎるチート魔法だから仕方ない。

<BEURIO>
 亡霊戦士を呼び出して敵を戦わせることができる召喚魔法。亡霊戦士の力は暗い場所であるほど強力になる。
 ソーサリーの召喚魔法というと、歯からコブリンやジャイアントを呼び出すGOBとYOBがあるが、それよりもゴールデンドラゴンファンタジーの「ドラゴンの目」という作品に登場する‟炎のトラ″(燃え盛る虎の姿をした精霊を呼び出す魔法)の方を連想した。
 闇魔法の雰囲気があって、ビジュアル的にも格好良い魔法である。消費体力ポイント3に加え爛汽織鵑寮弌蹐箸いΕ▲ぅ謄爐必要で、さらに明るい場所では使えないという、最も発動条件が厳しい呪文だけに、かなり強力な魔法なのだろう。
 ただし、「暗い場所であるほど強力になる」というのは逆に言えば、暗闇で敵と戦うという危険な状況である。夜間や地下ダンションで明かりもない状態で敵に襲われたときの緊急回避として使う、という程度の用途に限られそうな魔法である。

<EISLIM>
 魔法の矢で敵を攻撃するシンプルな魔法。命中率は高いが、敵の体力ポイントを2点減らす力しかなく、こちらも体力ポイントを1点消耗するので、あまり割に合わない魔法である。
 ソーサリーにはこのような弱攻撃魔法はない。あえて言えばPOPか。
 「ドラゴンの目」の方には倏阿侶″というほぼ同じ魔法がある。倏阿侶″は手が届かない場所に対して使うなど戦闘以外の場面の方で役に立つ魔法だった。EISLIMは今のところ戦闘でしか使用機会がないが、いずれそれ以外の用途でも出番があるかもしれない。

<FANDAL>
 幻影を生み出す魔法。いろいろと幅広い用途に使えそうであるがあまり使った記憶はない。消費体力ポイントは2。
 ソーサリーのKIDや、バルサスの要塞の「目くらまし」は、ラスボスクラスの敵にも通用するほど強力な幻影魔法だったが、この魔法はどうだろうか。

<JOTIFA>
 相手を即座に眠らせる魔法。“ロータスの実”と体力ポイント1点を消耗する。
 ソーサリーには眠りの魔法としてNAPがあるが、あれは呪文を唱えながら真鍮の振り子を相手の目の前で数秒間振らないと効果が出ないという、とんでもなく冗長な魔法だった。JOTIFAの効果時間は短時間らしいが、それでもこちらの方が実用的である。

<HAMRAC>
 魅了の魔法。消費体力ポイントは1。
 ソーサリーでいうGODの魔法である。冒険中にロケットのペンダントを拾ったら手放さずに温存しておきたくなるな。

<LESARO>
 相手の思考を読み取る魔法。消費体力ポイントは2。人との交渉時に役に立ちそうだ。
 ソーサリーではTELという魔法がある。

<MANORA>
 ファイヤーボールを飛ばす。ソーサリーでいうHOTである。消費体力ポイントは2。
 魔法攻撃の基本となる呪文として、真っ先に覚えるべき魔法であるが、MANORAは命中率がかなり悪いのが難点。クリーンヒットすれば雑魚は一撃で倒せるとはいえ、その条件がサイコロ2つ振って10以上とか酷すぎる。(6〜9でも、一応命中なのでダメージは与えられる。)
 ただし、冒険中に命中率をあげる方法はあるらしい。

<NADIRO>
 精霊や幽霊のような霊体だけで存在するモンスターを撃退する魔法。消費体力ポイントは2。
 ソーサリーに該当する魔法はなし。しかし、MAGの魔法で精霊を追い払うシーンはあった。

<OMSMAD>
 一時的に魔法の盾を作り出す防御魔法。“象牙の腕輪”と体力ポイント1点を消耗する。
 ソーサリーのWOKとほぼ同じ。WOKが体力ポイント1点以外では金貨1枚消耗するだけなのに比べると燃費が悪いが、この世界で象牙の腕輪は金貨2・3枚程度の安価で取引され、入手の機会も多い。
 WALやFOFにあたるバリア魔法が存在しないので、防御の要の呪文として出番は多い。さらにこの呪文を唱えて戦闘に入ると有利に戦えるので、間接的な攻撃魔法としても優秀である。

<PRIDES>
 唱えると邪悪な生き物の正体を暴くことができる魔法とある。消費体力ポイントは3と結構高い。
 ソーサリーに該当する魔法はなし。そもそもこの呪文は、魔法的な変身や幻影を解除するのか、バンパイアのような人間型モンスターの正体を判定するのか、非魔法の変装等に対しては無効なのか。説明文だけでは効能がよくわからない。
 どちらにせよ、使いどころがかなり限定的で出番は少なそう。サスペンス2時間ドラマなら「犯人はお前だ!」と指を突き刺すような場面で、この呪文を使うイメージ。

<ZITALA>
 事前に唱えておけば敵の魔法や呪いから防御できるという魔法。消費体力ポイントは2。先読み必須なので使いどころが難しいが、うまく決まれば気持ちよさそう。
 ソーサリーのMAGにあたるが、MAGは精霊への攻撃にも使えたので、NADIROと効能を分け合っているともいえる。


 魔法に関する設定ですが、かつての冥王モーレグとの戦争で王国を指導し、モーレグを一時撤退まで追いやった後姿を消したという、伝説の魔法使いのオルセンが、王国に手紙を送ってきた。そこには善の竜ラヴァンスの情報と、これらの魔法が載ったアフラマズタの魔法書があったというものです。
 主人公は王国一の実力を持つ若手魔法使いということですが、この魔法書を見て今までの魔法は子どもの遊びだったと衝撃を受けたとあり、冒険中に自前の魔法を使うシーンは一切登場しません。王国一の実力を持つ魔法使いが、魔法の矢や眠りの魔法より下位の魔法しか知らなかったとは、長年の平和で王国の魔法使いの力も弱体化していたようです。

 かなり前フリが長くなりましたが、そろそろゲームを開始しましょう。
主人公の能力と装備は次の通り。

 技量ポイント10(敏捷ポイント8)(筋力ポイント2)
 体力ポイント23
 所持品:剣、背負い袋、金貨20枚、食料2食分、呪文書

 旅立ちの前に今回の任務に主人公を指名した賢者会議の長老に挨拶します。(ソーサリーでいうサイトマスターと会話するシーン)
 長老は竪琴を引きながら出迎えるという、ちょっと掴めないキャラをしていたが気にしない。あたりさわりのない助言を聞くと、暇をつげます。
 さて、北門を潜って出発しよう。


2016年06月11日(土) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その2

 ゲーム開始前にルールの確認をしましょう。
 まず大きな能力ポイントとして、技量ポイントと体力ポイントの2つがあります。戦闘ルールはソーサリー(というかFFシリーズ)と、運だめしがない点以外は一緒なので、技量ポイントは技術点みたいなものです。
 ただ、ソーサリーと違うのは、技量ポイントは10点と決まっていること。技量点は内訳があって、敏捷ポイント(6〜9点)と筋力ポイント(1〜4点)に合計して10になるように割り振っておき、戦闘以外の行動の成否判定は状況に応じてそちらの2つの能力のどちらかを使う点です。(サイコロを2個振って敏捷ポイント、サイコロを1個振って筋力ポイントと比べること)
体力ポイントは0になったら死亡する他のゲームブックとお馴染みのもので、説明は不要でしょう。
 戦闘能力は固定で、行動の成否判定用に2つのポイントがあるのは、ソーサリーよりは、むしろ同じ創元推理文庫のゴールデンドラゴンファンタジーシリーズ(吸血鬼の洞窟など)に近いルールだと思います。
 次にゲームの目玉となる魔法システムですが、こちらは魔法の名前を暗記する必要も含め、ほぼソーサリーと同じものです。唯一の違いは呪文書を持っていけるので、冒険中でも野営中とか平穏なパラグラフなら魔法のルールを見返してもよい事くらいです。
 魔法の種類は12種類。ソーサリーと比べれば4分の1の数でしかなく、劣化ソーサリーと揶揄される理由の一つです。でも、本当はソーサリーの魔法数が化け物なだけなんですがね。他の魔法システムの登場するゲームブックから考えれば12種類というのは一般的な数でしょう。
 さて、ソーサリーの魔法を解説しているゲームブックサイトはあっても、眠れる竜ラヴァンスの主人公の魔法を解説しているサイトはないと思います。そこで、次回はどんな魔法があるのか、以前に冒険中盤まで遊んだ時の使い勝手の感想を含め、ソーサリーの魔法と比較しながら解説してみます。

続く


2016年06月05日(日) 眠れる竜ラヴァンス( 滝日省三/創元推理文庫) その1

 この日記に創元推理文庫のゲームブックの感想を書くのは、何年振りだろうか。
 本作を知らない人にこの作品についてざっくりした概要を紹介しますと、典型的なファンタジー冒険ものです。
 ドラゴンソング・レジェンドという全3部作のシリーズの構想で、この第一巻の「眠れる竜ラヴァンス」が発売されましたが、残念ながらゲームブックブーム終了もあり、第2巻の「ゼダンの審判」以降は発売されなかった悲運のシリーズでした。
 発売後のアドベンチャラーズ・イン(創元推理文庫のゲームブックに挟まれていたミニコミ的なフリーペーパー)や、ネットでのこの作品の感想をみると、「ソーサリーを思い出して懐かしく楽しめた」とか「ソーサリーの二番煎じ」とか、良くも悪くも偉大なソーサリーという作品といろいろ比較された作品です。
 ストーリーは、冥王モーレグが、悪の竜アーリンと手を組んで、世界征服を企んでいて、これに対抗するには人知れず眠りについているとされる善の竜ラヴァンスの力が必要と判明します。主人公はラヴァンスを見つけ出し、冥王モーレグに立ち向かう為、単身旅立つという内容です。竜の存在以外はソーサリーと同じですね。
 ストーリーはどちらの作品も指輪物語の類似ともいえるのですが、ほかにも完全な一方向システムで広大な世界マップを何日もかけて旅していく展開、主人公が魔法も使えてスペルを暗記する必要がある設定、類似した戦闘システムとか、共通点が多かったので比較されるのもやむを得ない気はします。
 私自身は、何度か挑戦したものの、ゲーム中盤当たりでゲームオーバーを繰り返し中断。そのうちに再プレイしようと思っていましたが、ゲームブックブーム終了で続編はでないことを察してきてプレイしなくなったという感じです。
 当時の私は双方向システムの作品の方が好きで、同じ創元推理文庫でも同じ頃に発売されたワルキューレの冒険3部作の方をもっぱら遊んでいました。ただ、あちらは2・3部と進むにつれ個人的には面白さが失速した感があります。今となってはワルキューレは完結まで発売されただけでも良かったと言えますが、ラヴァンスの方の続編も見たかったな。
 今回はそんな「眠れる竜ラヴァンス」をせめて一巻だけでもクリアまで遊んで、プレイの感想とリプレイでも書こうかと思います。

続く


2016年06月04日(土) ゲームブックはどんな人たちが書いたのか

 今週は10年以上ぶりに「青函トンネル大迷宮」を遊んでいました。
 作品の感想は2005年6月1日の冒険記録日誌に書いたとおりですが、今回の再読では作者の雅孝司さんの後書きが興味深く感じました。
 1984年に朝日ソノラマが日本初のゲームブックを出版、続いて社会思想社から翻訳もののゲームブックを出して、ゲームブックブームが本格化して多数の出版社がゲームブックの出版に追随・参入。しかし、ゲームブックはまったく新しいジャンル。瞬く間に百数点も出版されたゲームブックは、いったいどんな人たちが書いたのか?ということを書かれているわけです。(本書の発売は1986年2月)
 雅孝司さんによると翻訳ものを除くと、ゲームブック作家には二つの流れがあるそうで、一つはパソコンゲームソフトのプログラマー、もう一つはクイズ作家だそうです。
 ちなみに雅孝司さん自身は、自分はどちらでもない、パズル作家と主張しています。クイズ作家との違いが判らないな。その違いは説明すると長くなるので割愛と書いていますが、やっぱり同じ括りでいいんじゃないかと思いますね。
 いずれにせよ、1985年まではいわゆるプロの著述家(作家・エッセイスト)によるゲームブックは存在しなかった。ところが江戸川乱歩賞作家の鳥井架南子さんの「悪夢の妖怪村」、ついでに講談社からも乱歩賞作家によるゲームブックが出た(「ツァラトゥストラの翼」のこと)ことになり状況が変わった。これによりゲームブックが書籍、作品として認められるかどうか、非常に注目されると書かれていました。

 なるほど。これを読んだあと現在までのブームのその後を考えますと、残念ながら、現状でゲームブックが世の中で一般的な一ジャンルとまでは認められていないですね。
 自分の想像で思うに、当時はまだゲームは子どものものという風潮が強かったので、最初のブームが落ち着いて淘汰が始まると、ゲームブックは必然的に子どもをターゲットしたものだけが生き残った。つまり小説よりファミコンと同じゲームカテゴリ扱いで落ち着いたというところではないでしょうか。
 ここで先ほどのゲームブック作家の分類に基づき、私から見た感想を分類別に一言書いてみます。

1.プログラマータイプ
 間違いなく鈴木直人氏が最高峰です。(鈴井氏を知る某人から以前聞いた内容からも鈴木直人氏は実際にゲーム開発をしていたようです。)
 ゲームブックのある意味頂点なのですが、ルールやシステムが複雑化なものが多いので、マニア向けとされ、とっつきの悪さが難点です。
 現在ではこのタイプの作家の作品の新作は少ないと思われますが、私はパンタクル3の発売を今でも待っています。

2.パズル作家タイプ
 フーゴハル氏や脱出ゲームブックを出しているSCRAPを思うと、現在人の好みにも対応する作品を出せる貴重なタイプな気がします。
 ただ、私はパズル系は苦手なんだよね。例外的に林友彦さん作品に出てくるような論理パズルは好きなのですが。でも、林友彦さん自体はプログラマータイプかな。

3.作家タイプ
 例としては森山安雄さんの「展覧会の絵」が代表といえます。
 乱暴に言えば、ルールやパラグラフ構造のシンプルなゲームブックを書く人は、全部これじゃないかともいえるので、実際はこのタイプが一番多いと私は思っています。
 作品の出来栄えの方も一番ピンからキリまで幅広く生み出すタイプです。
 雅孝司さんの後書きでは大物作家を引っ張り出していましたが、それは例外的なケースで実際には、ゲームブックブームにのって尚且つ子どもをターゲットということで、安く書いてもらえる作家の卵みたいな方に書かせていたのが大半じゃないでしょうか。中には名作もありましたが、双葉文庫みたいな玉石混合状態でしょう。
 現代では、出版社がわざわざ作家の卵にゲームブックの執筆を依頼するのは稀でしょう。はやみねかおるさんや津村記久子さんみたいなプロ作家が、意表をついてゲームブックを出してくるイメージです。

4.純粋なゲームブック作家
 後書きには書かれていない、もしくは後書きを書いていた当時には存在しなかったタイプです。いわゆる初めからゲームブックを書きたくて書いた人です。
 かつての創元推理文庫のゲームブックコンテストに投稿した人は大抵このタイプでしょう。現在でも同人を中心に活発に活動されている方が沢山いらっしゃいます。
 ブーム当時の作家の卵作品に近いので、玉石混合状態になっている印象です。
 ただし、ゲームブック愛によって、営利を超えたとんでもない作品が生まれることもあるのが特徴。例えば「永劫選択」というゲームブックは、そのあまりもの大容量と独特な内容に、個人的にはアウトサイダーアートの域だと思っていますから。(良い意味で)

 以上のように思うままに書きました。
 他に雅孝司さんの後書きでは、ゲームブック歴もしくは年齢があがるほど、ストーリー重視のゲームブックが好まれる傾向にあると書かれていましたが、実際のブーム当時は次第に複雑化の方に進化してしまいましたね。これがストーリー重視にシフトしていたら、ゲームブックブームはまた違う展開になっていたのだろうか。私はパズル系とアニメや特撮タイアップものがやや苦手なくらい(クリアできなからと、原作を知らないと楽しめないから)で、ゲームブックのストライクゾーンが広いので、両方のタイプとも新作は歓迎しますがね。
 どちらのタイプにしても、ブーム当時と違って、営利的にはゲームブックを書くことは、普通の小説やエッセイに比べてまったく割に合いません。4以外のタイプでも現代でもゲームブックを書いている人の動機は、ゲームブックファンだからじゃないでしょうかね。
 というわけで、現在のゲームブック作家を支えるキーワードは、ゲームブック・ラブだ!ということで〆ておきましょう。


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