冒険記録日誌
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2016年05月29日(日) ぼくの決断 続きはWEBで

 「ぼくの決断」のゲームブックの帯には、「真のクリアは舞台がWEBという独創的な仕組みを実装!」という煽り文句が書かれています。
 ゲーム開始前の説明にも、「真のゴールはWEBページ!そこで条件を満たすと、“クリア証明書”が発行され、オールクリアとなります。」とあり。
 これって一時期のCMで流行っていた「続きはWEBで」ってやつですよね。これ、本単体では未完成品になってるように思えて、私的には嫌ですね。WEBはおまけ扱いならいいですが。

 とはいえ、せっかくクリアしたことだし、一応真のクリアというものを見ておこうかと、エンディングに表示されたURLを打ち込むが、ページが出ない。
 あれ?もうWEBサービス終了している?ったく、これだからWEBは水物なんだよと、作者のサイトを覗いたりして調べるが見つからず。念のため3度目の入力をしてみると、なぜか今度は成功しました。
 (原因は毎回不明ですが、山口プリンは聞き取ったり、打ち込んだURLやメールアドレスは大抵一度は失敗する人間です。)
 エンディングのヒロインが登場して、言われるままパスワードを打ち込むと、クリア証明書なるカードサイズのイラストとCongratulationsの文字が。
 学園祭後の後日談が読めるのかと思ったのに、それだけか〜。しかもイラストはエンディングのパラグラフにあった絵と一緒だし。なぜ、この内容でWEB連動を売り文句にしたのだろうか。

 WEB連動というなら(個人的には連動自体嫌だが)実はしらす娘の中の人の正体は、本編では推測までしかできず、正解はWEBで判明とかすればいいのに。
 いっそ実はしらす娘の正体は新キャラで、5人目のヒロインとアナザーストーリーをWEBで楽しめる、みたいな豪華なおまけなら気にいっていたかも。


2016年05月28日(土) ぼくの決断(夏野栄/実業之日本社)

 2014年と割と最近発売されたライトノベル風ゲームブックです。
 遊んだ感じではライトノベルを読むというより、ギャルゲーを遊んでいる感覚に近いと思いましたが、山口プリンにとってギャルゲーは管轄外につき、わかっていないのでヘタなことは言うまい。
 ゲームの舞台は最近男女共学になったばかりの元お嬢様系女子高、雀百合学園。主人公は高2の男子学生で、学園祭の実行委員会に嫌々参加する羽目になったけど、主人公以外の委員会メンバーは個性豊かな4人の女の子だった、って話しです。
 最初は一体感に欠いた実行委員会も、主人公が女の子たち、つまり各ヒロインの抱えたそれぞれの事情を知るにつれ、なんとかしなくちゃ、と本気で奔走することになり、だんだんヒロイン達とうちとけてきて、学園祭が成功した後は……もう十分展開が想像できるでしょ。
 ストーリーに変な捻りがないだけに、これぞ正しい萌えラノベって感じで、楽しめました。
 ゲーム的にはたいしたストーリーの分岐はなく、あるヒロインから好意をもたれる選択肢を選ぶと、その子に関するアイテムがもらえます。最後の選択肢とそのときに持っている各ヒロインのアイテム数で、どのエンディングに進むか決まるというシンプルな仕組みです。たまにバットエンドがある程度で、難易度は低め。ルールが軽いので手軽に遊べる点はいいと思います。ただし、熊のシーンでのバッドエンドは理不尽と思うけど。
 あと、各ヒロインの身長体重バストサイズ、誕生日や好きな食べ物の情報などを入手するたびに、「メンバーデータ 高幡の身長を入手」とか太字で表示されるのですが、これはまったくゲーム的に生かされることがない情報です。巻頭に生徒会メンバー手帳なる、これらの情報を埋めていくようなものがあり、一回のプレイでは全て集められないので、一種のやり込み要素らしいです。エロゲーでいうCG集めみたいなものでしょうか。
 ああ、エロゲーも山口プリンは管轄外につき、わかっていないのでヘタなことは言うまい。

 ちなみに4人のヒロインのタイプは、本書の帯によると「ちびっこ委員長」「ツンだけ幼馴染み」「女子高生起業家」「極貧少女」だそうです。
 私の好みは断然、頑張り屋のちびっこ委員長の高幡先輩ですが、リアルな嫁にするならちゃんと最後はデレてくれるツンだけ幼馴染みの藤堂だな。うんうん。
 もう一つのお楽しみ要素として、時々商店街などのシーンに登場する、ご当地ゆるキャラの「しらす娘」さんの中の人探しというものがあります。
 その正体は4人のヒロインの誰からしいが……って、正体のわかるパラグラフで、しらす娘が着ぐるみを脱いだ瞬間のイラストまでバッチリ描かれているので、ゲーム中に目に入ってネタバレしちゃったよ。ゲームブックだと、先の展開のイラストが見えてしまう可能性が高いってこと配慮してほしかったな。
 最後にバグ情報。パラグラフ166の「→13」は「→134」の誤りです。クリアまでに本書で一番手間取った箇所はこのバグ修正でした。 


2016年05月22日(日) 真夜中をさまようゲームブック(津村 記久子/美術出版社)

 「真夜中をさまようゲームブック」とは、2015年10月号の美術手帖という雑誌に、唐突に掲載されていた短編ゲームブックです。
 ゲームブック目当てに雑誌を買うのは、クロスワードランド(以前フーゴハルが“はみだしゲーム”というゲームブックを連載していた)以来ですよ。パズル雑誌ならわかるのですが、美術雑誌とゲームブックは、どうにもつながりませんね。
 ちなみにこの号は春画特集だそうで、ゲームブックも春画の描き手が主人公の時代劇風のものか、はたまた一枚の幻の春画をめぐるビブリオマニアの争奪戦ストーリーか?
 そういったいろいろな妄想を描きたてられ、興味深々でこのバックナンバーを買ってみましたが、結論から言うと短編(62パラグラフ)ゲームブックながら密度が濃くて面白かったです。春画特集の方も面白かったしなかなかお買い得でした。

 さてこのゲームブックのストーリーは、職場の飲み会を終えて家に帰った主人公(サラリーマンかOL)が、家の鍵をどこかに落としたのに気づいてどうしよう?と悩むところから始まります。春画と全然関係ない。(汗)
 家族は運悪く旅行中。時刻は終電も終わった深夜。住宅街なので近くにホテルはなし。財布は残り3千円。
 基本的に自宅周辺をあてもなく歩くのですが、迷路やパズルの要素はなく、コンビニ、ファミレス、漫画喫茶、公園などいくつかの地点の移動を繰り返しているうちに時間が経過していく構造になっています。
 この町の治安は悪いようで、複数の不審者と、取り締まりの警官がウロウロしていまして、不審者にあっさりナイフで刺されたり、警官に冤罪で捕まったりと結構ゲームオーバーを繰り返しました。ただしクリアまで遊ぶと、一見バラバラに起きているトラブルが、それぞれ関連しあった事件になっていたのが、わかるのが良いですね。
 問題点は、ゲームブックだから許されるのかもしれないけど、小説的にはちょっと無理がある展開があります。全体的には整合性がとれている内容だけに、特にゲルググのフィギュア絡みの部分にはそう感じます。まあ、そうしないと漫画喫茶で無事一晩過ごして、お話しが終了になっちゃうから仕方なかったのかもしれませんが。
 特筆すべきは、文章のうまさです。客観的な文章でたんたんとした書き方なのに、ユーモアも漂っているという絶妙さ。
 私のお気に入りをあげてみると、例えば停車している車に乗っていた怪しい人と話すシーン。

 「こんばんは」と後部座席の異性は、窓を開けて君に話しかけてくる。君好み、と評すると、君が特殊な嗜好であった場合に不適切なので、この場合は、社会一般的に非常に魅力的な異性であるとする。全体の調和が、平均よりだいぶ高いレベルで保たれたタイプの容姿の異性だ。ちなみに、現在君が非常な興味を持って日々目で追っている、会社の岩尾さんとは似ても似つかない。
 異性のやや翳りのある目付きは、動いていないのにうなずいているように見える。実際、君に対してもなんらかの了解を発信している。なんらかの。


 作者の津村記久子さんは芥川賞を始め数々の賞を受賞している方だそうです。江戸川乱歩賞を受賞した鳥井架南子さんの悪夢シリーズも文章がうまいのが印象的でしたが、これで「実力派の作家はゲームブックも良作を作れる」説にまた一つ実証ができた気分です。

 美術手帖読者は、ゲームブックに無縁と思われる方々が多いと思うのですが、ルールはわずかなフラグチェックと、乱数(ページを無作為に開いてページ数の十の位が偶数か奇数かで分岐)による分岐が数箇所あるだけなので、とっつきは良いと思います。
 完成度も高く、ゲームブック初体験者にはうってつけの作品ですので、これで楽しめない人は、おそらくゲームブックそのものが合わない方と思うので仕方ないという感じです。津村さんの短編集にこれが収録されたら迷わず買うし、是非また新しいゲームブックを書いてほしいです。それにしてもなにがキッカケで美術手帖にゲームブックを書くことになったのか知りたいなー。


2016年05月21日(土) Doする!?パラダイス(1)(2)(3)(玉越 博幸/講談社) 

 全3巻のシリーズなんですが、どの巻も同じ感想になっちゃうので、まとめて紹介します。
 「Doする!?パラダイス」というのは簡単に言うとオムニバス形式のラブコメとなっている漫画ゲームブックです。
 オムニバスということで、何話も収録されており、毎回物語のシュチエーションが違っていますが、主人公の男の子には、気になる女の子がいて、事件やトラブルをキッカケにラストは両想いになるという展開はほぼ同じ。
 ただ、その相手の女の子が、学校のクラスメイトだったり、幼馴染だったり、部活仲間だったり、近所のお姉ちゃんだったりとバリエーションが毎回違うんですよね。シリーズ後半ではマンネリ防止なのか、はたまたネタが尽きたのか、ヒロインが実は幽霊だったとか、体がヒロインと入れ替わる「おれがあいつであいつがおれで」状態になっちゃうなどファンタジー展開もでてきます。

 ゲームブックとしては、単純な分岐しかしないのは当然として、どの選択肢も正解以外のルートを選ぶと即ゲームオーバーという極めてシンプルな一本道ストーリー。
 しかも、大抵はどっちでも間違っていないような行動の2択・3択で、外れるとヒロインに嫌われたり、邪魔者に阻止されENDという理不尽展開です。まともにシナリオが分岐したのはダブルヒロインが登場する回で、どっちの娘を選ぶかにつながる選択肢くらいじゃないだろうか。
 これではゲームブックの意味がないような気もしますが、無理に言えばゲームブックは基本的に感情移入が強い二人称(地の文の人称が「あなた」や「君」になるような作品)なので、この甘酸っぱい世界をより味わってもらう為のゲームブック形式なのかも知れません。

 ちなみに絵柄はギャルゲーの絵を低年齢向けにしたような印象。とりあえず、女の子はよくパンチラしてます。スカート履いているヒロインの回なら、ほぼ確実にパンチラ。パンチラは正義という方にはお勧めします。


2016年05月15日(日) もし今からゲームブックを収集するとしたらどうするか

 今に始まったことではないが、我が家の本棚はパンパンである。というより床に溢れている。
 本棚の内訳をみると、やはりゲームブックが半分を占める。自分はコレクターではないので、レアでもさほど気に入っていない作品は他のゲームブックファンとの交換用に回すことはあるけど、処分することはないので、結局コレクターの方と同じなのである。
 これらのゲームブックは、今では多くが入手困難で宝ではあるけど、時々管理がめんどくさくなることがあるのだ。
 新作の滅多に出ないゲームブックでこうなのなら、電子書籍では満たされない世の中のビブリオマニアの家はどんな状態になっているのだろう。
 マニアまでいかなくても、30巻以上の長編漫画とかを何作品か揃えるだけでも、本棚がいくらあっても足りないだろうし、想像するだけで恐ろしい限りである。

 たまにふと、自宅が火災や水害にでもあって、ゲームブックを含めた全ての本がなくなったとしたら、むしろスッキリするかもな、と思うことがある。
 でも、ゲームブックは好きだから暫くしたらまた集め始めるだろう。
 そこで考えるのは、もし今から0の状態からゲームブックを集めるとしたら何を買うと良いのか?である。
 電子書籍版の事は脇に置いておくとして、他の人に相談されれば、「創土社のゲームブックを全て買っとけ」と答えて完結な気もするが、自分用だとそれだけじゃ満たされないな。
 さりとて、古書店ですらもゲームブックを見かけることがほぼなくなった現在、当時新刊を数百円で買ったり、古本屋で100円で買ったゲームブックを、ネットショップで五千円くらいかけて買い戻したいかというとそれも嫌である。今と同じ品揃えに戻すのには、金がいくらあっても足りないので、入手する候補を絞る必要がある。
 候補作品は今後も何度もプレイする見込みがあるものや、よっぽど思い入れが強いものかつ、現在でもさほどプレミア扱いをされていない、コストパフォーマンスの良いものに限られるのだ。
 考えた結果、出版社別に次のラインナップになると思う。

(創土社)
 とりあえず、「ソーサリー」「鈴木直人全作品」「展覧会の絵」「吸血鬼の血闘」。どれも復刊本だけど、真新しいゲームブックを定価で購入できるのは大きい。
 残りの作品は遊びたい気になった時に買う感じかな。

(社会思想社)
 ファイティングファンタジーシリーズ1〜8巻は必須。
 終盤はプレミア化が著しいシリーズだけど、このあたりのシリーズ序盤作品は当時大量に出回っていただけあって安価に手に入るので。
 中盤(9〜26巻)も名作揃いなので財布と折り合う値段の売りがあれば考えるかな。

(創元推理文庫)
 「ゴールデンドラゴンファンタジーシリーズ(吸血鬼の洞窟とか)の6作品」は今でも時々遊ぶので必須。
 この出版社のゲームブックは大半の作品が好きだし、ギャランスハートのような終盤作品を除けば、当時大量に出回っていた分、高騰もそこまでひどくないので、なるべく集めたいところ。

(双葉社)
 「ドラゴンクエスト機廖嵬ね菴析奪献磧璽凜.后廖崕末の惑星」は必須。
 他にも思い出の品となる「謎の村雨城」を始め、確保したい作品は多々あり。しかし、古本でも安価だった双葉ゲームブックも、ペパーミントシリーズなど近年はものによっては価格が急激に高騰しているので、あきらめるしかない作品も多いかも。

(富士見書房)
 「ブラッドソードシリーズ」は無理してでも欲しいが、高騰しつつあるので悩ましい。他は「クォーラス城からの脱出」を確保したい。
 娘がもう少し育った時用に「バニラのお菓子配達便!」もありかもしれない。

(二見書房)
 「魔城の迷宮」が最も欲しい。
 「グーニーズ」や「タイムマシンシリーズ」も安ければ確保したい。

(その他)
 祥伝社の「悪夢シリーズ」は必須。電子書籍化が決まっているので、今後書籍版の価格が下がることに期待。
 他にファミ通ゲーム文庫の「ダービースタリオン」はコストパフォーマンス最良なので当然確保。
 そこそこ知名度のある勁文社やエニックス文庫、ボビージャパンのゲームブックには、思い入れはないから見送り。ただし、今後の初プレイ用として安価なら欲しいものが数作品あり。
 逆に朝日ソノラマ作品や近代映画社などからのマイナーレーベルのゲームブックには好きな作品も多いけど、値段がプレミア化しすぎて、今、一から入手する気力はありません。価格以前にレア過ぎて、本そのものが見つからないけどね。

 すぐに思いついたところでこんなものか。たぶん、50〜100冊くらいに収まると思うので、本棚はすっきりするだろうね。
 でも今のゲームブックを捨てるなんてとんでもない!第一、この日記のネタがなくなってしまう。
 というわけで、結局はただの妄想垂れ流しなのでした。


2016年05月14日(土) ゲームブックの相棒、それはサイコロ

 あちらこちらでサイコロキャラメル販売終了のニュースが報道されていたので反応しました。
 ほんと残念です。といいつつ、実はとっくに販売終了していたものと思っていましたけどね。
 だって最近でも、久しぶりに買いたいなと思った時もあったのですが、どこにも売ってなかったですもん。

 サイコロキャラメルの思い出といえば、小学生の頃、正月に親戚が集まって、カルタやトランプゲームをした時に出た景品の定番お菓子でしたね。
 あと、自分のゲームブック用としても初代サイコロだったような気がします。
 ちなみに2代目は「火吹山の魔法使い」に付属していた組み立て式サイコロ。3代目は親に数百円程度で買ってもらったサイコロ(色は青)。
 それからしばらくゲームブックをしない時期がきて、再開したときはちょっと高いプレシジョンダイスなんかも買ってみましたが、結局、200円の木製サイコロが4代目に落ち着いていました。
 そして現在使用している5代目サイコロは、控えおろう!頭が高い!2個セットで1万円超えるという、フェラーリのサイコロであるぞ。(2014年11月24日の冒険記録日誌参照)
 いやー、振り返ればサイコロキャラメルからえらい進化したわ。
 でも販売終了となると、また原点に再開したい気もするかも。幸い北海道限定でまだ販売されるそうだし、近所の百貨店でたまに「北海道うまいもの市」とかやっていて、ジンギスカンキャラメルとか売っているんですよね。サイコロキャラメルを見かけることがあれば忘れずに買っておこう。


2016年05月08日(日) ゲームブックはオワコンでもいいじゃない

【特集】ゲームブックはオワコンなのか ― 「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来

http://www.inside-games.jp/article/2016/05/06/98407.html


 いろんなゲームブックサイトが反応しているニュースというか対談記事ですが、ここでも一応感想を書いておきましょうかね。
 最近、創土社のゲームブックが次々に電子書籍化していると思ったら、背後で酒井さんが動いていたようです。
 実は3か月くらい前に、本当にずいぶん久しぶりにご本人様からメールを頂き、「今年からまたゲームブックの業務をやりますよ!」と謎めいたメッセージも入っていたので、もしかしてこれのことかな?とは思っていましたけどね。
 書籍形態だと復刊は困難でも電子書籍ならハードルが低いみたいで、すごい勢いで復刊していってくれるようです。
 記事もちょっと遊び心を加えつつも興味深いことを語っています。ただ、「当時、ゲームブックにトドメを刺したのは、『弟切草』と、その続編『かまいたちの夜』なのかなと思います」という酒井さんの見解だけははっきり違うと思う。※

 今回の記事で嬉しい事は、キンドルであの悪夢シリーズが読めるという事。
 単純な分岐小説を除けば、電子書籍との相性は一番いい気がするし、なにより私のお気に入りで今でもたまに遊ぶくらいですから、常にキンドルで読めるのはありがたい。
 悪夢シリーズの鳥居加奈子さんはもとより、少年魔術師インディ3で続編の予告をされていた井上尚美さんとか、いろんなゲームブックを書き、今もゲームブックへの関心を残されていると思われる山本弘さんや塩田信之さんの新作も読みたいです。
 もちろん新人ゲームブック作家達にも登場してほしいですが、最近のゲームブックは脱出ゲーム風とか、シンプルだけど世界設定にひねりがあるとか、すべてに独自路線を突っ走るとか、今までにない画期的なゲームブックを求めすぎて、自分のなかでコレジャナイ感がありまして。マンネリでもいいから、リビングストン作品みたいなベタな王道ゲームブックの新作が読みたいです。(さらに英ジャクソン作品のアイデアと米ジャクソン作品のゲームバランスが備わっていればより完璧!)
 あと電子書籍の話題の時は毎回いうけど、復刊ならブラッドソードはどうでしょうか。(もちろん5巻の翻訳も含めて!)
 と、好き勝手に書きましたが、新作も版権物もハードル高いのはわかりますからほどほどに期待しましょっと。

 残念なことは二つ。薄々わかってはいましたが、鈴木直人氏がパンタクル3を書く見込みがもうないことですな。ただ、氏との連絡は今も続いているようですから、鈴木直人監修という形でやる気のある方に、パンタクル3を書いてもらうのが良いとは思ってます。
 もう一つ残念なのは酒井さんが当面、電子書籍中心で活動するようだという事。
 電子書籍化の是非はともかく、自分自身が魅力を感じるかという本音のレベルでいうと、ゲームブックは書籍形態でゲームできるからゲームブックなのですよ。電子書籍はそれこそ、昔ファミコンの代わりにゲームブックをしていたように、電子書籍版やゲームアプリ版も遊ぶけどあくまで本当のゲームブックの代用品という感じなのです。
 記事にあったパラグラフ番号を消すアイデアといい、酒井さん的には「ゲームブック=ノベルゲーム」の考えに近いのかな。ゲームブックならではの醍醐味の一つとして、ズルができるとか、その気になれば本に書き込んで自由にルールが改変できるというのもあるのですがね。
 
 とはいえ、希望や夢をいうのは簡単ですが、それを実践するのは並大抵の事ではないですから、酒井さんに対しては尊敬の念しかありません。酒井さんは酒井さんのやり方でやっていってほしいと思います。
 私にできることは今まで通り、この日記でゲームブックの感想を書いていくだけです。まだまだ未読の作品の在庫も多いし、年に数作品の新作が読めれば今のところ大丈夫。ゲームブックのブーム再来なんてなったら、それはそれで新作を楽しめて大いに結構ですが、そこまでは望んじゃいません。
 最近、ゲームブックがマイナーゆえに、少数のファンだけで作られているゲームブック関係のネットの緩い雰囲気が気にいっているんですよ。これが有名ジャンルだと、どんな名作や名選手に対しても、ファンに喧嘩売るようなアンチ意見を書く人が必ず発生しますからねぇ。
 漫画で例えると、アニメ化で巻き起こったブームが終わるとファンは減るけど、残ったファンが原作をまったり楽しむ状態の方が好きというところです。まぁ、連載打ち切りにならない程度のファンは確保したいところでしょうけどね。
 酒井さんも冒険記録日誌を久しぶりに読んで、変わってない事に安心したそうですし、ちったあゲームブックファンの憩いの場として、ここにも意味があれば幸いです。(笑)









※ ゲームブック衰退の原因はいろいろな説があるので、ここでは論じませんが、ビデオゲームの中でもマニア向けなジャンルのサウンドノベル(もしくはノベルゲーム)を持ち出すくらいなら、普通にファミコンからスーパーファミコンへと家庭用ゲーム機が進化していくうちに、ゲームブックより手軽で面白いゲームが生まれて、ファンが移行したと考えた方がわかりやすいです。
 もそもそサウンドノベル自体は、アクションゲームや複雑なRPGよりも遥かにゲームブックで再現しやすい内容ですし、「弟切草」が出た当時は、まるで風来のシレンの「根絶やしの巻物」を読まれたかのように、とっくに書店からはゲームブックが消滅していた時期です。(都会の書店にはまだあったかもしれんが……)
 むしろ、高校の時に何かの授業で論文を書かされたときに、ゲームブックをテーマにして「弟切草が出た事がゲームブックの面白さが今も通用する証拠」とか前向きに書いた覚えがあるくらいです。


2016年05月07日(土) 雑誌「ゲームラボ」にゲームブック記事発見

 アマゾンを徘徊していると、2016年5月のゲームラボに目が留まりました。
 「ドラクエ30周年 裏ネタ&マニアック情報総集編」なる企画号で、目次の中に「「神ゲー」ならぬ「紙ゲー」となったドラゴンクエスト」なる4ページのコーナーを発見。もしやこれはゲームブックのことじゃないか?
 早速、無料立ち読みページで雑誌を見てみると、やっぱりドラゴンクエストのゲームブック特集でした。さすがマニアック情報とうたうだけはあるな。
 立ち読みページで読めたのは2ページだけですが、そこでは双葉版ドラコンクエスト1と2(上下)の3冊が紹介されてました。
 1の方はファミコンを簡略化しつつも削られた要素は少なく、たいまつや鍵も再現されているだけでなく、宿屋や住民が個性豊かで交流が描かれていると、高い評価で紹介されています。もっとも時々入る作者のスターウォーズネタなどのギャグは雰囲気ぶち壊しとも書かれていますけど。
 2の方は、1以上にナンセンスギャグで悪ノリしすぎて、ファミコンのイメージとはかけ離れていると渋めの評価になってました。
 まあ、作者の樋口さん独特のナンセンスギャグは確かに人を選ぶから、この記事に書いていることは理解できます。それでも自分は樋口ギャグも含めて好きだったけどね。
 2もギャグばかりじゃないし、特に当時はファミコンをなかなか遊ばせてもらえなかったから、双葉のドラクエはファミコンの代用品として、とても思い出深い作品ですよ。
 他のゲームブックじゃほとんどしなかった事だけど、一度クリアした後も、遊び足りずにゲームブックのルールや敵の強さを変更したり、それこそゲームラボ風にゲームブックの魔改造をした思い出があるくらいです。

 立ち読みで読めなかった残り2ページは、たぶんエニックス版のドラコンクエストゲームブック1〜6の紹介でしょう。
 エニックス版の4〜6は簡単すぎて物足りませんが(6まで出ていた事自体は凄い事だが)、1〜3はどれも個性的な内容で面白そうだし、特に2の評価は高いんですよね。1〜3はいずれ完全クリアして感想かリプレイをここに書きたいところです。
 さすがに2ページのために雑誌購入とまではできないけど、どう書いてあるのかな?


2016年05月01日(日) アメリカンドリーム(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原書店)

 本書はアメリカ大統領を目指すゲームブックです。
 アメリカ大統領選挙が特に面白い今年に、ふと本書の存在を思い出し、一度読んでみたいと先日の日記に書いたところ、親切な所有者から本書を貸していただける事になったのです。本当にありがとうございます。

 19世紀に移民1世としてアメリカ大陸に渡り、主人公の世代交代を重ねながら西部開拓時代からはじまり、ゴールドラッシュ、そして数々の戦争と、アメリカの歴史を追体験しつつ、最終的には大統領を目指すというストーリー。
 なにか歴史小説みたいな壮大さでカッコイイ内容じゃないですか。

 さて、貸出人様から届いた本書を本格的に遊ぶ前に早速ちょっと試し読み……をしたら5分でクリア。大統領になってしまいました(汗)
 パラグラフ300クラスのゲームブック(正確には全パラグラフ304)でこれだけ早くクリアした作品は滅多にないです。
 理由は、1パラグラフあたりの、選択肢を除いた本文の文章量がわずか3行前後しかないせいだと思います。
 そのうえ主人公が事業を始めたと思ったら、次のパラグラフでは、もう会社をたたんで次の新生活が始まっている、と展開が目まぐるしいことこの上なし。
 主人公の仕事が落ちついたかと思えば、次のパラグラフからは子や孫が新しい主人公になって、まったく新しい展開が始まってしまうあたり、歴史小説というより、一族史の年表を読んでいるような気になってきました。
 あんまり早くクリアできてしまうので、いろんなルートで何度も遊んでみましたが、難易度はかなり低いようで簡単にクリアできます。
 一応、ゲームオーバーもあることはあり、例をあげると

 マフィアのトップとして暗躍したはいいが、警察に捕まったうえ脱獄にも失敗して死刑

 とか、

 大統領にはなれなかったが事業を成功させ、悠々自適な生活を手に入れた

 とか、

 保安官としてショットガンで、ならず者を退治したが、数日後に森でスカンクにくさいのをかけられ廃人になった

 などがあります。どうでもいいですが、最後のは直前の展開(ショットガンとライフルのどちらを使うかという選択肢)と結末がまったく関係ないですね。
 どちらにしてもゲームオーバーは例外的な結末で、大概はたとえ事業に失敗しても別の土地で仕切りなおしてすぐに立ち直れるようです。
 まあ、やり直しのチャンスがあるのも、アメリカンドリームの世界なのかもしれないですね。現実の大統領候補のトランプ氏だって何度も会社を潰しては復活しているらしいからな。
 中盤までは幅広い展開が用意されているので何度も遊べると言いたいですが、終盤の大統領選あたりではわずか2・3パターンの展開に収束するので、実際は数回プレイすればすぐ飽きてしまうのが欠点。
 ルール面は基本的に単純な分岐小説で、時々コイントス(※)の表裏によるランダム判定があるくらい。冗長なルールが当たり前の、スーパー頭脳集団アイデアファクトリー作品とは信じられない簡素な作りです。
 それにしても世界観が摩訶不思議なものばかりの他のスーパー頭脳集団アイデアファクトリー作品達と比べると、本作が真面目なドキュメンタリー風ゲームブックに感じるから不思議だ。
 全体としてあっさりしすぎて物足りない作品ではあるけど、狙いは良い作品だけに、終盤のバリエーションを増やすとか、歯ごたえのある難易度にするとかもう少し改善されていたら、案外良作になっていたかもしれませんねぇ。



※ コイントスはこのゲームの雰囲気にはぴったりですが、実際にやるのは面倒なので、サイコロとかで代用した方が楽かもしれません。
 私は適当にページをめくって開いたページの右端のパラグラフ数が、偶数(表)か奇数(裏)かで判定して遊びました。


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