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みんみん



 訓練中

朝。
仕事先で袖触れ合っている方とちらりとお話しする。
小さく盛り上がり、ちょっとうれしくなる。

夕方。
仕事が終わって、久しぶりの友人と話す。
それもまた楽しい。



留守中に上の弟から荷物が届いていたので、お礼の電話をする。
一通り義妹にお礼を言うと、「ちょっと待ってくださいね」と甥が出た。
しんかんせんにのってねずみーらんど(と、聞こえるのである)にいった、というようなことをエンドレスで言っていた。それでこちらも「会話」すべく、そう、○○だったの? ふーん、△△はどうだった? などと合いの手を入れつつ、質問してみたりするのだが、それに対する答えは、「しんかんせんにのってねずみーらんどにいった」と述べる時の彼の口調に比べると、消極的である。甥の、自分の述べるべき事柄を人に伝える訓練に付き合っているのだろうと思った。
ここで、一般に大人の間でかわされている(正確には、しかるべき、というべきか。エンドレスで自分の話しかしない大人というのも多々存在するので。自戒をこめて)会話のありようを要求しすぎてはいけないのだろうという気はする。たぶん。
といって、ただこちらも相づちを打てばいいというわけでもないだろうけれども。

2004年11月22日(月)



 帰宅

おみやげだけ買って早々に京都を出る。
今回のおみやげについてはfbwmをご参照ください。

ホテルで『枕草子remix』を読み終えたので、何かまた車中で読みたいと思って、京都駅地下の三省堂書店をのぞく。三省堂で昔アルバイトしていたことがあるので、何となく親近感を持つ。買ったのは、
・三島由紀夫『美しい星』(新潮文庫)
・村上春樹・吉本由美・都築響一『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』(文藝春秋、2004)
の2点。
車中で後者を読む。「Title」誌での連載は私もちょくちょくチェックしていたので、読んだことのある回も多かったが、吉本由美と都築響一が好きなので(村上春樹もたしなみ程度に)、新刊が出ると単純にうれしい。
# あとでりー氏もアマゾンに注文していたことが判明。間に合ってキャンセルした。

昼下がりの車中にて、前のシートの一団(推定総勢10名。親戚か?)がたいへんにぎやかである。
彼らが温泉駅で降りていった後、入れ替わるように既婚女性(母と同じくらいの年代か)グループ総勢8名が座った。旅が始まったばかりの人たちと、旅が終わろうとしている人たち。先の集団はビール&おつまみを廻し、今度の集団は駄菓子を廻していた、という共通項/相違点に目が行った。そして自分はどちらかというとビール派だな、さもなくば何も食べないか、と思う。

知人が北陸に来ているというので、(ほぼ、むりやり)時間を合わせてもらい、最終のはくたか(越後湯沢行き特急)の時刻まで駅前で飲む。ただし私は車のため、不粋にもウーロン茶。
レジでお会計の段になって、アルバイトらしき男の子に、「あなた、出身はどちらですか」と知人が尋ねた。「滋賀県です」という返事。
「典型的な○○式(アクセント)ですね」というので、またそんなことを聞くー、と知人にツッコミを入れ、あー、気にしないでくださいねー、とアルバイト君に伝える(その後、知人は更に地域を聞いていた)。

2004年11月21日(日)



 大阪

に行く。
乗り物の中の読書、というのを久しぶりにする。酒井順子『枕草子remix』(新潮社、2004)を途中まで。
意外に(と言っては失礼だけど)面白い。ネタで勝負、の目が冴えていた。


お昼は、肥後橋のSOLVIVAにて、マルコさん、なみなみさんとランチをご一緒する。おめにかかるのは初めて。
お仕事中であったり、あるいはお仕事前であったりするお2人をお呼び立てし、どどーっと、いろいろなことをお話しして、食べた。あっという間に時間が過ぎてしまって、あれも話せばよかった、これも話せばよかった、と今も思い起こされる。いろいろな話柄が飛び交っていただろうと思うのに。
とても楽しく、また励まされもした。お目にかかれることができて本当によかった。
次回は、とずうずうしくも、しかもものすごくクリアにイメージしながら思ってしまったのがその証拠。


中之島図書館に少しだけ行って、再び川沿いを戻りつつ、国際美術館でデュシャンを観て、grafをひやかし、ほぼなにわ筋に沿って、西大橋の雑貨店&カフェ・チャルカまで、ぶらぶらと歩く。
途中、元・大阪市民である下の弟から電話がかかってくる。用件は「ほくほく線はまだ止まっているのか」。弟は飛行機が苦手なので、JR復旧を心から願っているのだ。大丈夫、もう復旧している、と伝える。
そして、実はいま大阪に来ているのだ、と実況中継する。

まとまった時間歩いて、身体がほかほかしてきたところで、チャルカ着。ハガキを書きつつ一服。
例えば、Kさんご夫妻に書く。Kさんはりー氏の大学時代のお友達で、私はお目にかかったことがない。でも、りー氏を介さない、個人的なお手紙やメールのやりとりがある。
ご夫妻は神戸にお住まいだから、大阪からはすぐだ。でも、初めてお会いする時はりー氏と一緒に、となんとなく自分のなかできめているので、今回も淀川は越えなかった。

それから御堂筋まで出て、かに道楽そばのKIRINのギャラリーでアトリエ・ワンの個展を観る。ビデオが面白かった。上映の仕方なんかも。


大阪の地下鉄の初乗りは200円である。今日は地下鉄のフリーパスが600円だったので、着くなり買ったけれど、ペイできなかった。というのも、乗ったのは東梅田〜肥後橋、なんば〜肥後橋の2回だけで、あとは歩いたから。
道は、碁盤の目状に整備されているから、京都同様、不案内な者でも歩きやすい。もちろんそれは、迷う楽しみ、たどりつく楽しみ、見つけ出す楽しみをいくぶん奪うことでもあるのだが、大きな地図を持たなくても歩くことが出来るのは、実際、便利だ。
出かける時は何かしら仕事を絡ませたりすることが多いけれど、今日はちょっとコピーを取ったりするくらいで、あとはもう、純粋にのんびりした。
ホテルもシングルじゃなくてダブルにアップグレードされていた。快適快適。

また来よう。

2004年11月19日(金)



 今日知った言葉

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
http://danjo.city.kashiwa.chiba.jp/gakushuu/gender_terms/terms/reproh-r.htm

私はそれを、確保しているとも言うし、確保できていないとも言う。
そして、たぶん、根本的には確保できていない。
それは今のところ、家族や親族が理由なのではなく、私の不安定な身分によるところが大きい。そういう世界を選んだ、ということも含めて、撒いた種ゆえであるし、また、私の至らなさでもあるだろう。

それでも、今日その言葉を知ることで私は、ずいぶん、スカッとしたのだった。

そして、私のリプロダクティブ・ヘルス/ライツは、私のものであると同時に、部分的には確かに配偶者のものでもある。

2004年11月18日(木)



 マシュマロ

コンビニで、「ムーミンホッペ」という、ムーミンのかたちをしたマシュマロを買った。
ミルクミント味、とあって、それはどんな味だろうかと思った(もし、ミントがきつすぎると、苦手だな、などと思った)。市販のマシュマロはたいてい角のない丸っこい形をしているけれど、このムーミンのマシュマロは、それより少し歯ごたえがあり(固いというわけではない)、よくありがちな人工的なフレーバーでない、やさしい味がする。
ミルクじゃなくて何かの味に似ていると思ったのだけれど、何だったか。忘れてしまった。

子供の頃、マシュマロはわりと好きだった。自分でお菓子を買って食べる機会が殆どなく、祖母が用意してくれていたおやつの中にマシュマロはなかった、ということも、かえって何か、マシュマロに心向かわせた理由となっているのかも知れない。
でも、周りにマシュマロが好きだという子はいなくて−−いやむしろ、キワモノ的な扱いを受けていたような気がする−−なかなか、マシュマロが好きだとは言えなかった。もっとも、マシュマロが話題になることもほとんどなかったのだけれど。

先日上京した折、尾山台のフランス菓子店に行って、使い物を選びながら、その傍らにあったカラフルなマシュマロに目をひかれた。それは丸っこくなく、直方体をしたマシュマロである。

マシュマロに限らなかったのだ。
人は好きではないかも知れないが、私は好きだとおもったもの/こと。みんな(って、誰だろう)がまずいと言っていたけれど、私は意外に好きだと思った給食のメニュー。人はいやだと言ったけれど、私はけっこう好きだった授業。
そう? 私は好きだよ、と言えなかった、どころか、好きである自分が変なのではないかと思ったりすらした。
あるいはその逆だってあった。私はそんなに好きじゃないもの/こと。

ずいぶんと、面倒くさいところにいたのだな。

2004年11月16日(火)



 レコードと絵本と

金沢へ。
仕事に行くまえに、郵便局と、それから片町のレコード屋さんに行く。
片町(かたまち)というのは金沢の繁華街で、飲み屋街でもあるのだが、目的のお店はその路地を入ったところの雑居ビルの中にある。中古専門で、ハウス系に強い。ここで、弟に頼まれていたアナログレコード5枚を確認し、宅急便で送る手配をした。
支払いをすべく精算を待っていると、ちょっと意外な物が目に入った。レジの後ろに、何冊か福音館書店の絵本が並んでいる。そういえば、壁にはレコードジャケットに混じって「11ぴきのねこ」の絵があるし、絵本展の案内も貼ってある。
絵本、お好きなんですか、
と話しかけると、お店のオーナーらしい、長髪にメガネの、とても親切で、33歳の私は「おにいさん」と称したが、26歳の弟は「おじさん」と称した、そういう雰囲気の男性は、そうなんですー、だったか、好きですねー、だったか、とにかく同意をされ、それで私たちはしばし絵本の話をした。

金沢に、福音館書店という名の書店がある。
出版社の福音館書店と関係はありそうだけど、直営店だとして、なぜ金沢にお店があるのだろう、他の街にもあるのだろうか、とずっと思っていた。いま調べてみたところによると、福音館書店は、もともと金沢から出た会社のようである。
http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/economy/interview/20040123.shtml
オーナーさんは、この福音館書店@金沢によく行くらしい。
「人がいなかったりすると、お茶が出てくることもあるんですよ」
いいですね。新刊書店なのに、古本屋さんみたい。
お嬢さんが生まれて、昔自分が親しんだ本が変わらず今でもあることを知ったことがきっかけとなって、絵本に親しむようになったとのことだ。
「あ、それならぜひ今やってる林明子さんの展覧会に行かれたらいいですよー。今日も午前中に行ってこれをもらってきたんですけどね……」
と言って、ゴソゴソと、林さんの絵の描かれた大きなパネルを出して下さった。
「これが絵本には載ってない絵で」
あー、周りにも、『こんとあき』とか、好きだという方はいらっしゃいます(とここで、さるとるさんを思い浮かべる私)。そうかー、じゃあ、ぜひ、行ってみますね。

そういう場所には、ゆっくりと行きたいものだ。仕事が終わった後とか、仕事でない日に。
それで絵を観た後に、たぶん何か絵本を1冊買い(以前の福音館書店@金沢は、一般の書店だったが、今は児童書を主として扱っているらしい)、もろもろの報告がてら、今度は、アナログプレーヤーを持っていない私としては、何かCDを買いたいと思う。

2004年11月15日(月)
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