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みんみん



 weblog風に

短いですが。

▼『すばる』2004年5月号(集英社)。
中沢新一の集中連載「僕の叔父さん──網野善彦の思い出」(全3回)。
http://subaru.shueisha.co.jp/html/read/re0405.html
おじさんはおじさんでも、同じ雰囲気のお顔なので、ずっと血がつながっているのだとばかり思っていた。
中沢さんはこういう文章を書かせると本当にうまいと思う。誰にでも書けるものではない。
来月号以降も楽しみ。

2004年04月26日(月)



 ニッコリ

コンビニでコピーをとっていた。
私の後ろに学生さんとおぼしき女の子2人組が立った。日本語訳の書かれたノートを持っているようだ。
まだ時間がかかるけれど、すぐ近くにもう1台コピー機がある。どうも彼女たちはそのことに気づいていないようだ。なので、

あそこにもコピー機がありますよ。

と言って目で促した。
すると女の子のうちのひとりが、知らなかったっ、という感じでニッコリ笑った。
つられて私もほほえんだ。

あなたは見落としてますよと言わんばかりの無表情な顔つきに、「すいません」とか「どうも」といった言葉が返る、というのが、たぶん最もありがちな応対だろう。たぶんそこに頬のゆるみはない。むしろあるのは頬のこわばり。

考えてみれば「どうも」も「すいません」も「ありがとう」もなかったけれど、ニッコリにやられて、なかなか気分がよかった。
それは、企ててやるもんじゃないんだな。

2004年04月22日(木)



 楽しい月曜日

あるいは趣味の話。


午後、金沢で仕事。今まで使ったことのない機材を使ってみたらよかったような気がする。これからはこの方式で行ってみよう。と思ったら来週が楽しみになってきた(といって今まで楽しくなかったわけではない)。よそでもそれが出来ればいいのだが。
まだ走り出したばかりなので向こうから緊張している感じが伝わってくる。
終了後、図書館でちょっとコピー。

香林坊(金沢の市内中心部)まで出る。
ソニ(ー)プラ(ザ)を見て、でも何も買わず、109の裏手に出て、Rallye(ラリー)という雑貨屋に行く。久しぶりだが改めて行くとやはりかわいいお店だ。片っ端から買いたくなるが、我慢してポストカード2枚と雑誌を2冊買う(それに、あまりにかわいいものが多すぎて全部かわいいと、なんだか目が慣れてしまってどうでもよくなってしまうのだ)。そのうち1冊は室生犀星特集。犀星「おぢさま」(>犀星『みつのあはれ』)とは今の私はとても思わないが、まあ気持はわかる。

それからフランソワという喫茶店に入ってみた。以前から気になっていたのだ。時間が止まったような空間だ。コーヒーとトーストを頼む。
どこに行ってもそうであるように私は、トースト、焼いただけで何も塗らないのって出来ますか、と言った。すると「ああ、そういう人が2人いらっしゃるんです。うちでは『空(から)パン』って言ってます」と返ってきたので、おっ、となんだか妙にうれしくなり、じゃその空パンを、と改めて頼む。
「普通は2枚なんですけど」と言われたので、1枚でもお願いできますか、というと、想像通り1枚でも大丈夫だった。きっと3枚や4枚でもオッケーだろう。
しかも「ゆで卵は食べますか?」と聞かれた。注文するとゆで卵か、甘いお菓子か、おかきのようなものが必ずついて来るらしい。ゆで卵は好きなので、はい、と答えると、それだけでいいですか、と言われて、いいです、と答える。更に、
「塩は要りますか?」
要りません、とも。
やがて来たコーヒーはカップになみなみと注がれていて、普通のお店の1.5倍はあった。コーヒーの量があまりにたっぷりとしているので、その重みでカップを持つのに少し難儀した。熱さのせいもある。
パンは、喫茶店のトーストとしては決して厚みがある方ではないかも知れないのに、妙に歯ごたえというのかひきがあった。
雰囲気はというと、実はかなり独特であるとも言えるのだが、ちょっとしたやりとりが良い感じだった。だから、また来よう、と思った。

109でお洋服を見て(今シーズンのアニエスがモノトーンもプリントものも一々みんなかわいく、心が動く)、上の階にあるミニシアターに行く。

映画を観るのがいちばんの目的。観たのは「1980(イチキューハチマル)」
http://1980-movie.jp/index.html
んもうすっごく面白かった。まあ基本的にはB級なんだけれども、1980年代にいろいろな洗礼を受けた者としては妙にリアルで、笑えた。観客は私より若い人が多く(でも案外観客は多く)、笑い声は出ず。
「近田春夫の身長って何センチか知ってる?」「矢野顕子とケイト・ブッシュって声が似てると思わない?」冒頭でそんなこと言われて目頭が熱くなってきてしまった(なぜなら私も「知りたい」し「思う」から)。最初がチープな感じでどうなるんだろうかと心配になったけど、だんだんジェットコースターに乗ったみたいにストーリーが展開していった。ビデオになったら買おう。
配役については、今までともさかりえっていやらしい感じがしてあんまり、だったのだけれど、悪くなかった(ちなみにりー氏は「すいか」@NTV以来すっかり好きらしい)。それよりなんといってもよかったのは、ともさか(元・B級アイドル歌手役)の妹役をやっていた蒼井優という女の子(岩井俊二映画によく出ているらしい)。聖子ちゃんカットが、んものすごくかわいかった。聖子ちゃんカット全盛期の時は私はまだ子供だったのだがもちろん知っている。お姉さんたちがブローしていたのも。それにしても今見るとなんてダサかわいいんだろう。
やっぱ女の子っていいなー。

80年代オマージュの音楽を聴きながら高速道路を走って帰る。
電子音はスピードを加速させるので夜のドライブには気持よすぎて本当はあまりよくない。

中華料理を食べながらりー氏にすげー面白かったよという話をする。映画の冒頭はりー氏の好きな岡崎京子オマージュでもある(cf.『東京ガールズブラボー』)。私にとって岡崎京子は、好きなマンガ家というより、ものすごくわかりやすい同時代的(同世代にあらず)マンガ家であると言える。特に『東京ガールズブラボー』などは。(作品としてはむしろ原律子の方がいいと思う。あの頃の文脈で言えば。)
りー氏と私の80年代におけるそれぞれの好みは必ずしも一致していないのだが(高校卒業後そちら方面に行ったらしいりー氏と、高校卒業と共に収束していった私)、私が暴走気味に興奮して話をするのに、「よかったね」という感じで餃子なんか食べながら答えてくれた。でも、それにしてもパンフレットに写っているケラ(元・有頂天。監督)は太っていて、往年の面影はないねえ、でも太りそうな顔といえばそうだよねえ、などと語り合う。

趣味が合うことが友達の第一条件ではない、とオトナになった今は思うけど、でもこんな映画を観ちゃうと趣味の話だけして盛り上がりたいー、と久しぶりに思ってしまうのだった。

2004年04月19日(月)



 最近の読書

▼江國香織
の本を何冊か読んだ。
いろいろ借りてはあるのだが、『東京タワー』(マガジンハウス)に来てなかなか読み進まない。年上の女と若い男、という図がつまらないのか。
などと思っていたら、黒木瞳がヒロイン役で映像化されるらしい。テレビであったか映画であったか。
1964年生まれの江國さんの文章を読んでいると、たまに、ゆかしい東京の言葉に出会うことがある(ゆかしい、と言って、私は東京で生まれて育ったわけでもないのだけれど)。私と同年代の友人は使わないけれど、その年齢にしては年配のご両親を持つ、少し友人との会話に出てきたような言葉。「行ける」ではなくて「行かれる」とか。「行かれる」は私も使うようになった。

気になると立て続けに読みたくなるのは性癖だが(そしてある日ぱたりとやめる)、なるほど、と思いながらどこか似たような雰囲気を感じてしまうのは仕方がないのか。単に、恋愛小説ばかりを続けて読むことに飽きたのかも知れない。

▼福田和也
さるとるさん情報で、図書館にて『週刊新潮』3/25号の福田和也の時評を読む。網野善彦について述べている。福田さん(ああ、敬称のつけ方って困る)は読まず嫌いしていたのだけれど、ふと思い立って読んでみたら嫌っていたのがもったいなかった。コアな著作を読まずに、周辺をうろちょろしているだけだからかも知れないけれど。
図書館で借りて読んだ『晴れ時々戦争いつも読書とシネマ』(新潮社)は『週刊新潮』の連載をまとめたものなのだろうか。そういえば、先日ある方の車に乗せてもらったら、後ろのシートにこの本(と、とある全集本)が置いてあって、おっ、とうれしかった。あんまり、本についての話ができるようなシチュエーションではなかったのでしなかったけれども。
福田さんついでに、こないだヴィレッジ・ヴァンガードに行った時『en-taxi』(扶桑社)も買った。いや買わせた、りー氏に。財布を忘れて出てきてしまったのだ。ほら、磯崎さんが出ていますよ、とけしかけて。
現金を持っていなかったわけではなかったんだけれども。

▼『ミーツ・リージョナル』2004年5月号
http://www.lmaga.jp/meetsnew/
路線バスでまわる身近な旅と街探検の特集。
拙宅には関西在住のお客様もいらっしゃるけれど、ひょっとするとおなじみの路線も紹介されているのかも。路線バスに乗るとその街の様子(街のつくりや人の雰囲気)がわかるので好きだ。『ミーツ〜』は情報源としてだけでなく読み物としても面白いので、特集によってたまに買う。
湊川公園の人工衛星饅頭がものすごくうまそう(美味しそう、ではなく)に見える。たぶん食べたら普通の大判焼きみたいなんだろう。
内田樹「続・街場の現代思想」という連載コラムが面白かった。内田さんという人がどのような人なのかよく知らないのだけれど(ちょっと調べてみたらなんだか共通点もあったけれども)、先月号(りー氏が買ってきたので読んだ)と今月号のこのエッセイ(「結婚はお得か?」という若い女性に対する問い)はなかなか読まされたので、来月からもちょっとチェックしてみよう。
『ミーツ〜』の連載一般が面白いというべきか。


行為の報告にはなっているけれど、いわゆる書評的にはなっていないですね。
他にも見たり読んだりはしているけれど、こんなところで。

2004年04月08日(木)



 未知との遭遇

午後、にわかに帰省の人と会い、実家で来週着る着物と帯の組み合わせについて母と楽しく悩み(着物は決めたが帯はいまだ迷い中。あとは着付のHさん次第か)、友達と映画を観に行く。
映画は「フリーダ」。フリーダ・カーロの生涯を描いたもの。なかなか面白かった。



土曜日、実家に行った。義妹と甥も来ていた。
りー氏はのいに会いたくて行ったのだけれど、のいは甥が得意でないから隠れまくっていた。甥っ子は甥っ子で、のいもりー氏も気になるから大はしゃぎだったのだけれど。

甥は、今まで親子だけの生活だったのが、富山に帰ってからはぐんと賑やかになって、そのせいか本当によくしゃべるようになった。父は「富山に帰ってきていちばん嬉しいのはH(甥の名)だな」と言う。弟も義妹も甥に負けないくらい喜ばしく思っていると思うが(彼らの性格から推察して)、少なくとも、そのことを日常的にもっともわかりやすく表現しているのが甥であることは間違いない。子供は環境でここまで変わるのかと実感させられる。
私は母ではない伯母であるし、どこか甥を客観的に見ているところがある。彼は彼で大人を巻き込んでたくさんやりたいことがある。嬉しさを満開にさせる様子を見て、もう、あんなに疑いなく自分が世界の中心であるとは思えないよなあ、と思うのだ。そんなのは弟が生まれた時から知っていたような気もするけれど(そういう意味で私は、ひとりっ子である人に共通していると思える、基本的に比較するという発想がないという資質が羨ましく、好きだ)。
そのくせ妙にすとんと聞き分けがよいところがあって心配でもあるものの。

ところで甥はりー氏のことをとっさに「M(私の名)のおとうさん」と称していた。一応、りー氏と私がひと組であることは理解しているようだ。彼にとって家族というのは子(自分に相当するような存在)を中心として認識されるものであるらしい。
それからもうひとつ気になった言葉がある。隠れようとするのいと、甥が(実は自分も腰が引け気味ながらも)なんとかして遊ぼうとしていた。のいのおびえっぷりと言ったら露骨だったので、のいは今遊びたくないみたいよ、と言った。すると甥は「のいとタタカイたい」と答えたのである。
戦う? 聞いてちょっとギョッとしてしまったのだけれど、これは戦闘そのものを意味しないのかも知れない。テレビや何かで聞いたことのある大人っぽいイメージの言葉を使ってみた、とそういう感じなのではなかろうか。「すごく活動的に遊ぶ」くらいの意味なのかも知れない。
でも「タタカイ」のイメージは訂正したいと思ったので、(一瞬絶句の後)「えーっ、戦うのはいやだなあ、私はHも好きだけどのいも好きだからけんかしてほしくないなあ。それよりさあ……(と別のことに気をそらす)」

別にのいが子供嫌いなわけではなくて、甥がのいにちょっと腰がひけているから(そのくせちょっかいをかけようとするから)のいも警戒する、という次第。


子供が成長する中でいろいろな大人と接することが大切、とは言いそうなことだけれど、大人だって同じで、いろいろな大人や子供や動物の存在が大事なんだと改めて思う。というか、いろいろいると面白い、私が。

2004年04月04日(日)



 大阪人

『大阪人』(大阪都市協会)という雑誌がある。先日、サイト経由でバックナンバーを2冊注文した。
数日して、雑誌の名が記された封筒が届いた。中を開けると、1冊しか入っていない。しかも、注文したのとは違う号だった。
うーん、号数を間違えて書いたかなあ、と思いつつ請求書を見ると、私ではない人の名前が書いてあった。外は私宛てになっているが、中身が入れ違っているのだろう。ということはたぶん、「私ではない人(大阪市内在住の女性)」のところには、私が注文した2冊のバックナンバーが届いているはずだ。
出版社に電話すると恐縮された。間違った号を送り返しましょうか、と言うと、「送料がかかるのでお持ちください」とのこと。これはこれでラッキーだ。
ちなみに間違って届いた号は上方落語の特集で、といっても米朝さんあたりが載っているのではなく、三枝さんなどが取材されている。

とここまでは数日前の話。

日中、出かけて帰ってくると、留守電のランプがピコピコしていた。
再生しようとすると五十数秒だと言う。いったい何だ?と思いながら聞くと、知らない人の声だ。これは間違い電話かと思って更に聞くと、くだんの「私ではない人(大阪市内在住の女性)」らしいということがわかった。
彼女の元には私が注文した雑誌が2冊届いていた。間違いだと気づいた彼女は早速出版社に電話をかけたが、土曜日でお休みなのか誰も出なかった。もしかして急いでいるのかと思って電話しました、直接送りましょうか、どうしましょうか、連絡ください、電話番号は……
長い長い留守電が1回、続いてあまり間をおかず短縮版の留守電が1回、計2回入っていた。
一緒に長い長い留守電+短い留守電を聞いたりー氏は大いに受けている(失礼)。

知らせてくれた携帯の番号に電話してみた。しばらく話をしたのだが、彼女は、間違った雑誌が届いた時の印象とか、出版社何やっとんじゃボケー的なことを言い、そして私は、2、3分かそこらの間に、彼女が「三枝さんのファン」で「ローソンで働いている」という情報を得た。
「私、ローソンで働いてるんですよー、お客さん(=私)のことを思ったら直接送ったらいいんじゃないかと思って電話したんですー」
ありがとうございます、私も急いでいるわけじゃないから大丈夫です、向こうから改めて送ってくると言ってますし、○○さんも月曜日改めて出版社に電話をかけられたらいいんじゃないかと思います、お互い楽しみに待ちましょう(笑)、などと話をして電話を切った。

といった顛末が、大阪人の性質なのか彼女の性質から来たものかはわからない。でもなかなか面白い経験だったと思う(最近、大阪人に引きがあるようだ)。

2004年04月03日(土)



 春のレストラン

いたち川の桜目当てに、川沿いのお店に晩ご飯を食べに行った。
ものすごくいいロケーションなのにとっても空いていて、窓側の席をりー氏と2人で陣取った。
以前このお店は街なかで喫茶店をやっていたのだが、いつだったか移転して、パスタやピザを食べさせる店になったのだった。リニューアルしてから初めて行ってみた。
イタリア料理店というほど本格的ではない(セコンド・ピアット、いわゆるメインに当たるメニューがなく、和風なパスタがあったりする)し、オムライスがあるところなど、カフェレストランというのが一番いいのだろうか、と思った。でもピザもぱりぱりしていてよかったし、気軽な感じで楽しみたい時にはいいんじゃなかろうか。
干しキノコと水菜を炒めたものとレタスのサラダ、ローストポテト(にんにく添え)、キャベツとベーコンのアーリオ・オーリオ、ピザ・マルガリータを食べる。
りー氏は小さいデキャンタでワインをもらい、飲み干し、追加でオムライスを注文しようか悩み続け、結局やめる。また今度ね。
楽しい晩ご飯。

2004年04月01日(木)
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