冒険記録日誌
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2021年04月11日(日) ギリシャ神話アドベンチャーゲーム1 アルテウスの復讐(P.パーカー他/社会思想社) その10

 「…アルテウス、アルテウス!」
 気がつくと、商業と通信の神ヘルメスが目の前にいた。
 ヘルメスは拙者の目の焦点が合ったのを確認してから言った。
 「お前の兄、テセウスは死んだ。その遺体は未だ、ミノスの迷宮に横たわっている。君の高貴な父上アイゲウスは、強力無双の息子の死に嘆き悲しんでいる。彼の魂は復讐へと駆り立てるが、老いた体がいうことをきかない。これは君の仕事なんだ。さかまく海をわたり、君の生地アテネの危機を救うのだ」

 またしても冒険の最初の時点まで戻されたようだ。しかたあるまい。
 母上に旅立ちの挨拶をした後、トロイゼンの高僧のもとを訪ねると、軍神アレス、知恵の神アテナ、
美の女神アフロディテ、予言の神アポロ、大神ゼウスの妻のヘラ、海の支配者ポセイドンの中から守り神を選べという。
 軍神アレスに祈りを捧げよう。そして今度こそあの牡牛を退治するのだ。
 拙者の祈りに反応して、稲妻のような音と刺激臭のする煙とともにアレスその人があらわれた。筋骨逞しい、山男のような大男だ。
 「俺を選ぶとは賢明な判断だな。さあ、ミノタウロスをぶち殺してこい。お前にその力を授けよう。少々時代遅れだが、簡単な方法が一番いいんだ」
 アレスの目が輝く。ぬおぉぉぉ!こ、これは!筋肉に力がみなぎるのを感じるでござる。(原攻撃点が2増える)

原攻撃点  6  棍棒(攻撃点+1)
原防御点 10
名誉点   7
恥辱点   0

 冒険は始まった。まずはティリンスの都へとむかう。
 さっそく最初の冒険で出会った殺人鬼が経営している宿屋に入ると、宿の主人を殺して(名誉点+4、恥辱点+2)斧(攻撃点+5、防御点−3)を奪う。アレスの加護とこの斧さえあれば、攻撃力についてはまず無敵だろう。
 翌朝、医神アスクレピオスが見守るエピダウロスの町へと進む道のりを歩いていく。あの盗賊達を痛い目にあわせねば気がすまんからな。
 ほこりっぽい道のりを歩いていくと、朽ちかけた皮の鎧を来た骸骨が転がっていた。ふとヒントを見ると、まだ使える兜が転がっているのに気がついた。(防御点+2)
 医神アスクレピオスの神殿に到着する。やはり神殿に近づくと、神を恐れぬ盗賊どもの仕業により、医神アスクレピオスの彫刻が苦しげな表情をしていた。そばの泉は流れる血で赤く濁っている。
 「貴様、なんのようだ。アスクレピオスを苦しめるのが我らが目的。余所者には用はない。叩き殺される前にとっとと立ち去れ!」
 2人の盗賊が拙者の前にあらわれ、短刀を抜き放って脅した。
 拙者は猛然と攻撃を仕掛けた。が、冷静さは残している。敵が複数の戦闘は、仮にこちらの攻撃が全て成功しても、どうしても勝負がつくまでに相手の攻撃を受ける回数が多い。今回の戦闘では防御力の下がる斧より、棍棒を選び名誉点で防御力をアップする戦法をとることにした。
 たちまち盗賊の1人が重傷を負って倒れる。しかし二人目の相手の攻撃では、サイコロで最高の12の目が出た。たちまち拙者も重傷になってピンチになる。
 く、くそっ。また降伏して守り神に助けてもらうべきか。いや、退かぬ!! 媚びぬ 省みぬ!!拙者にはアレスの加護がある!
 しかし、無常にも盗賊の短刀が拙者を貫いた。
 
 はっ、と気が付くと拙者はどこかの川岸に立っていた。ゼウスに救われ、安全なところまで転送されたらしい。(名誉点1、恥辱点0の状態になる。斧と兜は無事)
 やれやれ、一巻で一度しか使えない権利をさっそく行使してしまったようだ。この調子では先行きが不安じゃわい。
 ここはクレオネ川のほとりだった。またまたヘラの化身である老婆をおぶって川を渡ってやる。(名誉点2を得る)
 宿に泊まって、翌朝ケンクレエという海洋都市へ向かい、陸路を進み、海からあらわれた馬を御してポセイドンの機嫌をとる。(名誉点3を得る&ポセイドンと友好関係になる)
 クロムミオンという町の手前で、イノシシ出現。破壊力のある斧にものをいわせ瞬殺。クロミオンの市民達の祝福(名誉点+6)と槍(攻撃点3、防御点1)を得てそのまま宿に泊まり、翌日にはメガラの町へ到着する。ここまでは前回と同じコースだ。

 メガラの町では市場にいかずに町をぶらついて見ることにした。するとヘラの神殿になにやら人だかりを発見。
 どうもヘラのために人身御供を捧げる儀式を行っているらしい。人身御供とは残酷なとは思うが、神の儀式を邪魔することはやめて、さっさと立ち去った方が賢明だろうの。最初の冒険では子犬を助けてヘカテを怒らせてしまったからな。ヘラの怒りともなればヘカテよりも執念深そうじゃし。くわばらく
わばら。
 去り際に神殿の中をチラリと見てみると、嫌がって抵抗している若い女がひきずられて行くところだった。よく見ればアフロディテに匹敵するほど美しい……。

 「嫌がるおなごを生贄にするとは!貴様らの血は何色だああああ!!!!」

 拙者は斧を振りかざして突進する。まさか儀式に邪魔が入るとは思わなかったらしく、神官たちは呆然としている。女を捕まえていた男にパンチを浴びせて倒すと、女の手を引き連れて神殿から逃走する。
 群集は突然のことに右往左往するなかをうまく、追っ手を巻きながら走りつづけるとやがて、人気のないところまで逃げ延びることに成功した。
 「ありがとうございます。あなた様のおかげで命を救われました。お慕い申し上げます」
 女がヨヨヨと拙者にしがみついて、泣き崩れた。
 「もう家には帰れません。あなた様について行きます」
 娘を抱きしめながら、神妙な顔で首を振る。
 「当然のことをしたまで。武士の旅に女はいらぬ。お嬢さん、次の町まで送ってあげよう。そこで新しい生活をはじめなさい」
 「アルテウス様……!」
 それにしてもええ、おなごやの。……いかんいかん、理性が飛びそうでござる。しかし、もしかするとアフロディテ殿より美しいかもしれんのぉ。

 「アルテウス。お前、目がくもっているのじゃないの」
 いきなりアフロディテ殿がクスクス笑いながら目の前に現れた。おおっ、アフロディテ殿。懐かしゅうござる。
 「美しい者を救ってくれてありがとう。彼女のことは私が面倒をみるわ。ちょうど新しい小間使いが欲しかったところだしね」
 娘と女神が一緒に姿を消した、きっとアフロディテ殿の神殿に向かったのであろう。
 アフロディテの庇護の元なら、あの娘もヘラの怒りからまぬがれるだろう。まずは一件落着だ。
 拙者は少しばかり危ういかもしれんがな。(アフロディテと友好関係、ヘラとは敵対関係になる)

by 銀斎


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