冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2021年04月03日(土) ギリシャ神話アドベンチャーゲーム1 アルテウスの復讐(P.パーカー他/社会思想社) その2

 さてと。どちらへ向かうべきじゃろうか。
 ティリンスからのびている道は2つある。医神アスレウスの町エピダウロスか、ライオンの都ミケーネのどちらかだ。ミケーネの方を行ってみよう。
 ほどなく町の入り口のライオン門の前に立った。あまりの壮大さに圧倒される。きっと大地の息子の巨人キュクロプスが建築したに違いない。そのまま町に入り、市場を抜け、女たちが洗濯をする川の傍を通る。
 守り神を祭った神殿の前に乞食がいるのに気が付いた。んっ、ここにもパラグラフ番号に<>があるのでヒントを見てみようぞ。今までの印象だと「なにを乞食に怯えている。恥辱点を1増やせ」とか書かれても不思議ではないがな。

──君は神殿の前で足をとめ、君の神に祈りを捧げる。一瞬だが神が傍に立ち、クレタの浜辺へ行けとうながされた気がする。敬虔さゆえに名誉点1を得る。

 ふむ。ヒントが良い結果になるかどうか、作者のきまぐれのような気がするの。 
 乞食にも銅貨をめぐんでやると(所持金のルールがないのでゲーム的に損はない)名誉点がさらに1点増した。ミケーネの町自体には用は無い。町を出て次なるクレオネの町の方角へ向かう。
 道中は平穏だったが、町の手前に流れる大きなクレオネ川がいく手を阻んでいた。
 橋のようなものはない。歩いて渡れそうな浅瀬を捜していると、一人の老婆が同じように川の前で立ち往生していた。
 「わたしを哀れんで背負っておくれ。体が弱った私には川を渡ることができない。このままでは飢え死にしてしまう」
 まあよかろう。年配者には敬意を示すのが私の流儀だ。老婆を背負いあげると、無事に川を渡り始める。
 背中の婆さんが話し掛けてきたので頭だけ振り返る。愕然としたことに老婆は、神々の女王ヘラに姿を変えているではないか。
 「よくやった。アルテウス、お前の好意を心にとめておくよ」
 そう言ってヘラは姿を消す。名誉点も2増えた。乱暴な扱いをしなくて本当によかったわい。
 しかし良いことばかりでもない。クレオネの町で宿を所望しようとすると、ピシャリと門前払いを食わされた。ヒントを見ると、川からあがったばかりでズブ濡れになった服が問題らしい。
 金と取り出そうとしたが、ここで母上からもらった大事な宝石を失ったことに気がついた。そういえばさっき川で何か落ちた気がしたな。
 捨て置く選択肢もあるが、そんなことは拙者にはできぬ。戻って川の中に入ると、日も暮れて歯が震えるほど寒かったがなんとか宝石を見つけ出した。この騒動のために恥辱点を1点加算されてしまった。
 やれやれヒドイ目にあったわい。
 疲労した体を川岸にぐったりと投げ出して、翌朝まで拙者はこんこんと眠った。

 翌朝、目を覚ました拙者は、クレオネの町を過ぎて旅を続ける。そしてコリントの町を通過してパガイの町に入った。
 フクロウの女神アテナの神殿の前を通ったとき、男が拙者を呼び止める。男はパガイの領主だった。
「異国の人よ。あなたは旅人でこの町の災厄についてご存知ないようだ。この町にはネズミによる疫病が猛威を振るっているのです。あなたなら、われわれを救うことができるかもしれない」
 ふむ。助けてやりたいのは山々じゃが、どうすればいいのじゃろうか。
 男は拙者を町外れの納屋に連れて行った。
 「ここがネズミどもの巣だ。君を英雄と見込んでお願いする」
 そういうやいなや、拙者を薄暗い納屋に押し込んで扉を閉めてしまったではないか。
 ちょっと待つのだ!まさか、拙者に一匹ずつネズミ達を殺していけというのか。
 目が薄暗闇に慣れてくるにつれ、チョロチョロと何かが駆け回っていた。キーキー叫びながら次々に無数のネズミども襲いかかってくる!
 ギャァァァァ!拙者、名誉ある果し合いなら怖くは無いが、このような戦いは苦手でござる!
 攻撃をはずした!傷を!傷を負ってしまった!重傷を負ってしまった。もう駄目でござる!助けてくだされ〜!

 ハッと気が付くと、パガイの町を離れた道端に拙者はたたずんでいた。どうやらゼウス神が助けてくれたようでござる。
 いや、少々取り乱したようで面目ない事態であったな。ゼウス神の援助は1巻につき1回。もうあてにはできないでござる。
 目の前には夜の女王ヘカテの三面像が立っていて、そこで道が分岐していた。
 気を取り直して、ここは左手の道、デルフィの町へ向かって進むことにしようぞ。

by銀斎


山口プリン |HomePage

My追加