冒険記録日誌
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2021年03月28日(日) ソーサリーをプレゼンテーションしてみた

 2年半くらい前に、5・6名くらいでお互いに本をプレゼンするという企画に参加したことがあって、自分が選んだのはS.ジャクソンの名作、ソーサリー四部作でした。
 つまりまったくゲームブックを知らない人たちに、いかにこの本を紹介するかという課題です。
 それで当時のプレゼン資料をここに載せようと思ったのですが、印刷したものはあるのに当時のデータがなぜか見つからない。前に一台パソコンが壊れたので、そっちにデータが入っていたのかもしれない。
 そこそこの文量なので、一から打ち直すのはさすがに大変だし、スキャンして文字データに変換する便利な道具もないので、概要だけをここで紹介します。資料と話した内容と順番は次のとおり。

1.ソーサリーとは
 ゲームブックというジャンルの中で、圧倒的なファンの指示を得ていることを説明し、著者のS.ジャクソンと、ソーサリーという作品を紹介。
 ジョン・ブランシュによる挿絵も資料に掲載して、危険で不潔で混沌とした、生活臭あふれる世界観を中心に説明し、デイズニー映画などとはまったく別の、ファンタジー小説としても魅力があることを解説してみました。

2.ゲームブックとは
 一般の小説ではほとんど見られない、「あなたは」「君は」といった二人称の物語であり、途中途中で提示される選択肢により、読者が物語の展開を変えることができる本を指すと定義。
 例として、夜道で道の向こう側から人が走ってきたとき、なんとなく不安を感じて近くのコンビニに飛び込むか。そのまま歩くかという選択肢をあげてみました。

3.あらすじ
 無法地帯カーカバードに住まう大魔法使いにアナランド王国は、国を治める力をもつという「諸王の冠」を盗まれてしまった。このままではかの地に住まう邪悪な者どもが、統率された軍隊となり、アナランド王国らを攻め入ってくるだろう。この不名誉を他国に伏せたいアナランド国王は、冠奪還の軍隊を派遣することもできず。一人の冒険者(主人公=読者)に冠奪還の任務を命じ、旅立たせた。
 というストーリーと、各巻における冒険の舞台と、そこで待ち受ける危険を説明してみました。

4.ソーサリーのゲームシステム
 能力値やアイテムの記録、戦闘があることなど、ルール面をごく簡単に説明し、ゲームとしての面白さを解説。
 また、戦士として旅立つ初級者モードと、魔法使いとして旅立つ上級者モードがあること。その中でも48種類もある魔法は、本当に学ぶ(覚える)必要があり、これはゲームブックならではのギミックであることを説明しました。

5.創土社版と創元推理文庫版の差異について
 ゲームブックブーム当時には、創元推理文庫から出版され、重版が重ねられたが、ながらく絶版になっていたこと。現在は多くのファンの熱意により、復刊して創土社から発売されていること。翻訳者の違いにより、創元推理文庫版では原作にあった一部バグ(月の蛇の戦い)を解消している一方、創土社版では創元推理文庫版の誤訳により、解けなかった謎(クーガの寺院)が解けるようになったことなどを紹介。旧訳は誤訳が多いこと、新訳では「レッドアイ」という種族が「赤目」と呼び名が変わり、「スカンクベアーのシチュー」と書かれていた名前が「スカンク熊汁」と訳されるなど、ファンの間では各翻訳に賛否の声があがって議論になった事など、現在に至るまで愛されている作品であることを紹介しました。


 このような内容を、細かい部分は資料参照として、10分で説明したわけです。終わったあとの質疑応答では、やはりゲームブックというもの自体に対する質問が中心になっていました。やっぱり、ゲームブックの紹介は難しいと考えたものです。
 君はゲームブックをどう紹介しますか?


山口プリン |HomePage

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