冒険記録日誌
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2016年12月10日(土) |
シティ・サバイバル(さいとう・たかを/西東社) |
さいとうたかを先生が書いたゲームブックでは最後の作品。 先生お得意のサバイバル系の漫画ゲームブックですが、今回は巨大地震にみまわれた都会が舞台です。 本の帯には「本書は恐るべき巨大地震に備えいかに生き抜くかを教えるサバイバルテキストである」と書かれていました。確かに無人島や砂漠での遭難よりは、遭遇する可能性は高そうです。 ゲーム中にナレーションで、過去の震災の事例が流れるのは、いつものさいとうたかを節ですが、コラム内では実在する防災グッズの説明に、電話番号入りで販売会社の紹介までしています。 ゲームブックよりマニュアル本としての側面を強調しているのか、本作は西東社のゲームブックレーベルとは独立して出版され、なんと阪神・淡路大震災の年にも本書は再販されていました。 東日本大震災の後にも、もしかすると再販されるかもと当時密かに思っていたのですが、なかったですね。さいとうたかを漫画のゲームブックじゃない「サバイバル」の方は再販されてましたけど。
デパートで巨大地震に遭遇したら?とか、大火災に襲われたら?津波に襲われたら?とシュチエーション毎に進行していきます。 どぎつい表現はしていないものの、間違った場所に避難すると、発生した大火災にまきこまれると主人公を含めた避難民達が丸焦げになるとか、なかなか壮絶なデットエンドが多いです。 本の趣旨から当然でしょうが、ちょっと危険を誇張しすぎな気もするな。あと、デパートのどの売り場が安全なのかという選択は、実際に地震警報が出てからそこまで移動する時間があるのだろうか。 遊んだ印象ですが、娯楽性よりマニュアル性に比重があるのか、どうしたら安全に生き抜けるかを語っているだけで、漫画の主人公には何の設定もなく、ちょっと面白みに欠ける気がします。 彼女と一緒に逃げるパートもあるけど、彼女はほとんど黙ってついてくるだけ。少しはストーリー性をつけてくれたらよかったのに。
それからゲーム面の話しですが、大震災が発生したらどう逃げるべきか?とか、イラストを見てどれが安全なのか判断せよ、といったが選択肢が中心。 ルールでは、所持品(懐中電灯やラジオなど。所持品というより避難道具?)の管理と、ゲームの達成点を示すポイントが存在します。 ちなみに所持品は自由に選べず、中間地点でそれまでに獲得したポイントに応じて、指定された数だけ付属のスクラッチカードをコイン等で削って入手するというものです。なにがもらえるかはランダムという事で、ちょっと変わった仕掛けです。 でも、繰り返して遊べないのは不便だな。勿体なくてスクラッチ削れないや。
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