冒険記録日誌
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2016年11月27日(日) ナイトメアキャッスル(P.ダービル=エバンス/社会思想社)

(攻略のネタバレが一部入っているので、これからプレイ予定の人は、そのつもりで読むか判断してください。)

 先にリプレイの方を書いてしまいましたが、FFシリーズの日本版終盤の作品の一つです。
 クール大陸にあるニューバーグという地方を舞台にした冒険ですが、敵が生理的に気持ち悪い奴が多く、全体にホラー仕立てになっているのが特徴です。
 発売当時は本屋で立ち読みしただけで、結局購入せず、まともに遊ばないままでした。しかし、S.ジャクソンの「地獄の館」とはまた違う雰囲気に惹かれるものがあって、本屋に行くたびにちょくちょく立ち読みしていた記憶があります。
 それで現在ではこの作品をどう思っているかというと、FFシリーズ中のマイランキングではかなり上位の作品です。
 その理由は、不気味な世界観もさることながら、FFシリーズでは数少ないゲームバランスに優れた作品だということが大きいです。
 実際にリプレイでは最低能力でクリアできています。しかも実は最低能力でのプレイでも、重要アイテムの1つくらいは取りこぼしてもクリアができます。

 例えば、スリに財布を盗まれて、重要アイテムの「スカルロスの三又槍」が手に入らない場合、終盤の戦闘が不利ですが、中庭の塔に閉じ込められていたドワーフの爺さんをぬっ殺せば、「スカルロスの三又槍」と同じ、戦闘で技術点+2の効果をもつ斧が手に入り、ある程度は代用品として補えるのです。(もう一つ別の場所で、技術点+2の効果をもつ武器も存在しますが、入手がやや難しい。)
 この斧は、戦闘を始めると逃亡ができないという半分呪われた斧だけど、逃亡が有効な戦闘はほとんどないFFシリーズだけに、トールダー男爵の娘(表紙に出てくる人ね)に会うルート以外を選ばない限り斧のデメリットはほぼないでしょう。ドワーフのお爺さんが可哀そうという問題はあるけど。
 リプレイではザカーズ戦に必須と言っていた緑の球も実は必須ではありません。緑の球なしでは、技術点14・体力点32というバカみたいな能力のザガーズを通常の戦闘で倒す必要があります。素の戦闘能力だけならバルサスダイアやラザックなど、他のFFシリーズの大ボスを軽く凌駕する強敵ですが、スカルロスの三又槍、ロースの護符、狂戦士の薬を合わせて使用することで、技術点7体力点14の戦士が丁度五分五分の戦いまで持っていけるように調整されているのです。

 他のFFシリーズでは「真の道を外す→アイテムや情報をとり損なう→ゲームクリア不能」というパターンの作品が多いのですが、この作品はフラグ管理よりも敵の戦闘力などでゲームバランスをとっているので、最初から最後まで手ぶらで剣一本だけでも理論上はクリアは可能です。
 実際にそれじゃあ、頑張っても強敵過ぎるザカーズに殺されて終わってしまうので、補助アイテムを集めていく感じですね。フラグのかわりに戦闘バランスで、進行を調整している作品は珍しいです。
 技術点12・体力点24・運点12・意志力点12の最強戦士なら狂戦士の薬さえ入手すれば、大半のルートをショートカットしてクリアも見込めるとか、割と自由にゲームを進めることができるうえ、普通はこの選択肢がいいけど、この能力値のキャラなら違う選択肢の方が有利、といった戦略性もいくらかあって、基本的にゲームルールは順守するタイプの私には実に好みの作品でした。

 FFシリーズは後半になるにつれ、どんどん難しくなっていって、理不尽の域に達していました。
 かのリビングストン先生は「難しい作品のようが好まれるようだ」と言っていたとか。でも、その難しさは単に敵の能力が高いだけとか、死んで覚えろトラップの連続とかとは違うんじゃないかな?難しいだけでいいなら、無限ループ迷路を多用して、ルールは軽いが高難易度を誇る、若桜木虔先生のゲームブックはどれも大傑作ですぞ。
 そんなときにこの作品の存在は、「FFシリーズもまだ捨てたもんじゃないな」と思わせてくれました。
 同作者はその後もFFシリーズを書かれているようですが、残念ながら翻訳版は出ていません。
 無許可翻訳の同人誌に手を出す気はありませんが、正式に翻訳されることがあればぜひ遊んでみたいですね。


山口プリン |HomePage

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