冒険記録日誌
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2016年11月14日(月) たけたろうの冒険 ──FF25・ナイトメアキャッスル編 その3──

(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないでください。)

 寺院が立ち並ぶ一帯は街でも寂れはてた一区画にあった。この国が信心を失って久しいことがよくわかる。
 通りの一番奥にある朽ちかけた大神殿の入り口の階段に、お爺さんが1人ひっそりと腰かけていた。
「わしの名はヒュー。オイデン神に仕える最後の僧侶じゃ。さあ、急ぎなされ、お若いの。敵はすぐそこまで迫っておるぞ」
 私を見るなりそう言ってお爺さんは寺院に入っていく。聞き覚えのある声ね。どうやらこの老人が昨日は私を助けてくれた人みたい。
 私も中に入るとお爺さんがいきなり私にナイフをつきつけて言った。
「よく聞け!お前がこの町の悪に敢然と立ち向かう戦士と見込んだからこそ、牢から救い出したのじゃ!だが、オイデン神の助けを得る前にまずこの寺院に寄進をしなければならない。証拠を示してくれ!」
 寄進といっても価値がある持ち物といったら太守にもらった指輪くらい。がめつい僧侶だわ。私の信条では良い宗教と悪い宗教の判断基準はお金を要求されるかどうかなんだけど。とはいえ、一応、命の恩人だし、まあ渡してもいいか。
 指輪を渡すと、お爺さんは真の英雄の登場だ!とか喜んで、洞窟のような台所に案内してくれた。そこには嬉しい事に食料の山があった。これはすごい!
「たっぷりした食事で英気を養ってもらわねばな」
 老人の言葉が終わる前にパンや干した果物にかぶりつく。食べている私の横で、老人がこの町の事情を話してくれた。
 簡単に言うと、この町ははるか昔に封印されたザカーズとかいう化け物が復活しつつある状態で、気の毒なトールダー男爵はザカーズの配下の魔法使いに操られて骨抜きにされ、南方人たちの好き勝手を許している状態らしい。
 ふーん、よくある話だけど、それは大変ねぇ。もぐもぐ。
 お腹いっぱいになるまで食事をすると、お弁当とばかりに3食分の食料をザックに入れた。
「わしの一週間分の食料が……。いやいやいや。なかなかの食いっぷりだ。さすがは英雄だけはあるな」
 老人が首をふりふり、ため息をつく。そして試練を受けるならば、オイデン神の賜物を授かることができるが挑戦するか?と尋ねてきた。
 まあ、この流れは挑戦しないといけないでしょうね。
 寺院の広い神秘的な大広間に通される。薄暗い頭上を見上げても天井がよく見えないほど高く、中央に天井を突き抜ける巨木がそびえていた。
 葉っぱ一枚ない木だけど、枝々はほのかに光り輝いているように見える。この寺院の神木みたい。
「この木をのぼるのじゃ」
とお爺さんは言う。いやだなぁ、食べたばかりで木登りなんてお腹がもたれそう。
 仕方なくよじ登ると、霧だの風だのが私を邪魔し始めた。(サイコロを8個ふって、意志力と体力点の合計と比べる……失敗。)
 木からずるずると滑り落ちてしまう。(意志力と体力点を1点ずつ減らす)
 再挑戦もできるとお爺さんは言ってくれるけど、このサイコロ8個ふって……っていう今回の冒険独特の判定方法は、平均的な能力の冒険者で成功率が五分五分みたいなのよね。
 サイコロを8個もふると大抵平均値が出てしまうから、私の場合、成功する可能性はかなり低い。それにこの試練は冒険成功に必須というわけでもないし。
 さっさと見切りをつけて、寺院をあとにした。

続く


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