冒険記録日誌
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2016年10月09日(日) ねこまんまの鬼退治 ポチは桃の夢を見る(高野富士雄/双葉文庫)

 また妻が入院したので、子どもの保育の都合で実家住まいです。ネット環境もないので当面の間、更新頻度は落ちると思います。
 さて、私が所有している大量のゲームブックは、お気に入りの作品を自宅に置き、残りは実家に置いてあります。つまり今は二軍のゲームブックに囲まれている状態です。
 なかなか時間は取れませんが、この機会にそんな作品の中からいくつか遊んでみることにします。

 本作は高野富士雄さんのいろんなゲームブックに登場する、ねこまんま族のポチを主人公にしたという、ねこまんまシリーズ第二弾の作品。
 この主人公のポチは、食い意地の張ったデブ猫でして、飯食ってゴロゴロしていれば満足という、とにかくやる気ないキャラです。山口プリンは苦手だなぁ、こいつ。
 ちなみにねこまんまシリーズ第一弾は「ねこまんまの大逆転 無責任一代ねこ物語」で、こちらはポチというより、ポチの世話役のタイトという少年の方が実質的な主人公でした。
昔、途中まで遊んだことはあるのですが、空気を読まずに面倒くさがって寝ころんだり、勝手に食い物につられて動こうとするポチを、苦労人のタイトがなだめたりすかしたりの展開ばかりで、イラッときてやめた事があります。

 さて、本作の方ですが、世界観は第一弾とはまったく別の設定です。第一弾がお城やお姫様が登場する西洋のおとぎ話風だったのに対し、第二弾は日本むかし話風となっています。
 まずはプロローグでポチはベタに桃から生まれてきます。大飯くらいのポチに痺れを切らしたお婆さんが、ポチを宝さがしの旅に追い出すところからゲームスタート。今回は正真正銘ポチが主人公です。
 桃太郎よろしく、旅の道中では仲間が加わってきますが、温厚なお地蔵さん、シャイなゴリラ、調子のよいキツネ、いつも怒っている鬼族の娘と登場する仲間は4人。犬、猿、雉とは全然関係ありませんでした。
 お地蔵さんは普段はちょこちょこ動いているだけですが、怒らせると巨大な大魔神に変身して敵味方問わずに襲い掛かるという存在自体がギャグみたいな奴。いつも修行修行と平常心を保とうとしますが、ポチのいい加減な行動に反応してしょっちゅう大魔神に変身してます。
 ゴリラは仲間内で一番おとなしいですが、剣を始めバズーカや手りゅう弾まで各種武器を使いこなす寡黙な傭兵みたいな存在。
 キツネはパーティのムードを明るくする存在。いつもは毒舌まじりで陽気に話すだけで全然役に立ってない気がするけど最終盤に一瞬だけ重要な活躍をしてくれます。ドラゴンボールでベジータの尻尾を切ったヤジロベーみたいだ。
 鬼族の娘は、父を今の鬼族の頭領に殺されたという、仲間で唯一シリアスな過去を抱えています。すぐに行動が脱線するポチ達を懸命に導いてストーリーを進行させつつ、つっこみの鬼と化しています。ギャク漫画の世界に一人だけいる常識人みたいなものですな。
 ゲームルールはシンプルですが、本作は互いのHPを減らしあうタイプの戦闘を採用しています。本作は戦闘に勝っても負けてもすぐに同じ展開になることが多いので、一発勝負で勝敗が決まる方法にした方が良かったんじゃないだろうか。
 実際のプレイでは、物語メインのゲームブックだし、まあいいかと、戦闘は全て勝ったことにして遊んでいました。
 一本道展開で、ゲーム的にも楽勝と思っていたら、最後の最後でまさかの必要アイテム不足でゲームオーバー。中盤からの再プレイで取りこぼしたアイテムを拾ってクリアしましたが、うーん、油断したのだろうか。
 でも、思っていたより面白かったかな。
 前作はねこまんま族以外は常識人ばかりで、ポチの独壇場で周囲がふりまわされるだけでしたが、こちらは仲間達もポチに対抗できる曲者揃いなのが良かったです。怒れる大魔神にポチの方が慌てふためいたりする場面もあったりしてね。
 ゲームとしてはイマイチだし、ストーリーもナンセンスだけど、この雰囲気が気に入れば楽しく遊べる作品だと思います。
 
 最後にバグ情報を一つ。
 終盤手前でバグが一箇所あります。幸い私が読んだ本には、前の所有者が鉛筆書きで行き先を修正していたので、安心して遊んでいたら無限ループ状態になりました。
 修正内容も間違ってるやんけ!と見知らぬ前所有者につっこみを入れてから、結局パラグラフ総当たりで調べました。以下が正解です。

パラグラフ番号248 × 356へ  ○ 350へ


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