冒険記録日誌
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| 2016年08月27日(土) |
たったひとりのサバイバル・ゲーム!ジャングルから脱出せよ(トレイシー・ターナー/角川書店) |
児童向けに書かれた自然とのサバイバルをテーマにしたゲームブックです。 他のサイトの情報などを参考にすると、海外ではシリーズ化されているらしく、そのうち2冊ほどが日本へ翻訳出版されたものだそうです。 遭難して人里離れた場所に独りぼっちな主人公が、厳しい自然の中をさ迷いながら生還を目指すというのがシリーズの共通コンセプト。以前はディスカバリーチャンネルでベア・グリルスのサバイバルゲームとか夢中で見ていた山口プリンには大好物のシュチエーションです。 過去のゲームブックでは、さいとう・たかを氏の書いた西東社のサバイバルゲーム(2004年8月10日の冒険記録日誌参照)に近いコンセプトと思います。でも、それよりもゲームブックではないのですが、朝日新聞出版から出ている科学漫画サバイバルシリーズの方を連想しました。大人気なのか、最近の本屋の児童書コーナーでよく見かけるんですよね。 案外そちらのヒットを見て、これなら行けると本書の日本版発売にGOが出たのかもしれません。 実際、私も科学漫画サバイバルシリーズを立ち読みして、これをゲームブックに仕立てればもっと面白いのに!と思っていたので、予約した時からとても期待していましたよ。
というわけで届いた本書を早速遊んでみると、シンプルな分岐小説タイプでした。 本書はアマゾンのジャングルが舞台で、小型飛行機が墜落して一人ジャングルの奥地で生き残った状態から始まります。無事人里までたどり着いて、救助されればクリア。選択肢はサバイバル知識を問うようなものが大半で、ゲームの合間に頻繁にジャングルにおける豆知識コラムが挿入されていて、学習本的な要素もあり。 難易度はそれほど高くなく、動物に遭遇すれば出来るだけ接近を避ける、知らない植物は食べないなど、基本的に安全重視の選択肢を選んでいれば楽にクリアできる感じです。絶対に間違っているとは言い切れない選択肢で、運悪く害虫に刺されてしまうなどで、ゲームオーバーになることもたまにありますがね。 適度に展開が分岐してくれ、クリアまでの時間が短いこともあって、ちょっとした時間に遊べて遊び勝手が良いです。 シンプルイズベスト的な意味でゲームバランスが良く、科学漫画サバイバルシリーズの読者層もすんなり楽しめそうな、期待通りの内容でした。
ちなみに日本語版はアニメタッチなイラストをふんだんに使っているので、日本の児童書っぽく仕上がっていますが、本書の文章そのものは、余計な表現を削ったストイックなものです。(余談ですが、イラストの使いまわしが多いのは、ちょっと気になるところ) 文章がストイックゆえに、実はイラストが劇画調だったとしても違和感はないかも。もし仮にイラストレーターが、さいとう・たかを氏なら、文章はそのままでも氏の名作サイバル漫画「サバイバル」みたいなノリに変わっていたでしょう。西東社のサバイバルゲームはまさにそうなんだけどね。
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