冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2016年08月21日(日) 怪盗ジョーカー ミステリアスゲームBOOK(福島直浩/BANDAI)

 コロコロコミック連載のたかやしひでやす氏の漫画を原作としたゲームブックです。1〜3巻と3冊出ているけど、ここではまとめて紹介します。
 このゲームブックは最近発売されたばかりなんですが、通常の書店取り扱いではなく、ゲームセンターに設定してあるジャンボカードダスというガチャガチャの一種の景品です。
 この景品を扱っているジャンボカードダスというのは、あんまり一般的ではないようで、ごく一部のゲームセンターにしか設置していないみたいです。
 どこのゲームセンターに行っても置いてない!と、一部のゲームブック関連のネット界隈ではゲームブックファンの方々の悲痛な叫びが聞こえていました。
 正直なところ、原作に思い入れもなく、ゲームブックコレクターでもない私は興味がなかったのです。近所のゲームセンターにあれば、買ってもいいかな程度には思っていましたが、探し回る気は全然なし。
 でも、先日家族で小旅行した先で大型ゲームセンターがあったので、試しにちょっと覗いてみたらあったのですよ。怪盗ジョーカーのジャンボカードダスが。
 一回300円で景品は3種類。カプセルではなく、小冊子をビニールで包んだ状態で出てくるようです。
 どうせなら全部欲しいなぁと、一回挑戦してみると、1巻が出ました。次にまわすと3巻、3回目は2巻とストレートに全種類出ました。やった!
 ストレートに出たのは業者が元々3種類が順に出るように中身を設置していただけという可能性もありますが、それよりも幸運だったのは3冊目が出たと同時にジャンボカードダスに売り切れマークが表示されたことです。入手困難というのが実感できるなぁ。久しぶりにレアゲームブック、ゲットだぜ!

 というわけで、さっそくプレイした感想を書いてみます。やっぱり、ゲームブックは遊んでなんぼですから。
 まず、怪盗ジョーカーの世界観ですが、ゲームブックを読んだ限りでは、主人公がちょっと間抜けな忍者のハチを相棒に、宝の所有者に予告状を出しては狙った宝を盗み出すと言う、定番ドタバタコメディ。これだけで8割は説明が終わってしまう気がします。
 ゲームブック版は漫画形式ではないですが、文章と共におそらく原作者書き下ろしと思われるイラストがたっぷり使われています。1〜3巻のどれも、移動先と対応パラグラフ番号が書かれた地図を中心に、どこかに隠されたお宝を探していくという双方向システムです。能力値や戦闘などの煩雑なルールはないのですが、フラグチェックとして時々、そのパラグラフに書かれた□にチェックマークを入れたり、どこそこのシーンではパラグラフ番号に○○加えた番号へ進めなどと指示されることはあります。各巻のパラグラフ数は50ちょっと程度のミニゲームブックです。


──1巻 ナイトサファリの秘密──

 なぜか動物園に隠されている「マーライオンの涙」という宝を探しに、園長に予告状を出して、動物園内を探し回る怪盗ジョーカー。
 各動物たちのブースを巡っていくわけですが、各地に散らばった相棒のハチや怪盗仲間でライバルでもあるスペードやクイーンなどを見つけては仲間として同行させていく展開。必要なシーンで特定の仲間がいると、動物を追い払ったりしてくれるので、新しいシーンに進めるという、コンピューターアドベンチャーゲーム風の謎解きをしている気分になりました。
 難易度的には簡単ですが少しでもイベントを飛ばすと、終盤で宝をライバルに奪われたりしてゲームオーバーになってしまうので、子ども向けと油断していると一発クリアは難しいかもしれません。自分は初回プレイで、スペードに宝を横取りされて失敗しました。

 
──2巻 潜入!シャドウキャッスル──

 シャドウ・ジョーカーなる主人公のライバルの本拠地が舞台。行方不明になったシャドウ・ジョーカーの双子の妹を捜索します。
 古城のような屋敷内の見取り図を中心に進行するわけですが、マップには移動できる場所が少なく、捜索により少しずつ新しく移動できる場所とその対応パラグラフ番号が増えていくので、この巻のみマップに頻繁に書き加えていく必要があります。結末はドタバタ風ハッピーエンドと真のハッピーエンドの2種類です。
 ストーリーは3巻中では比較的シリアスですが、シャドウ・ジョーカーとその妹にかかわる設定など、原作に登場した話しが絡んでいるので、原作を読んでからの方がより楽しめそうです。


──3巻 ハチのめんそ〜れ大作戦──

 テレビで沖縄特集を見ていたら沖縄料理を食べたくなって、「沖縄の名物を食べつくしに行く」という訳のわからない予告状を出して、沖縄に旅立つ主人公と相棒のハチ。沖縄そばやゴーヤチャンプルー等の作り方を料理担当のハチに覚えさせるのが目的ですが、これは盗みなのでしょうか?
 一部シーンはたいした必然性もなくハチの視点で進行したり、どっちでも間違っていないような選択肢で片方が即ゲームオーバーになることが多いなど、ゲーム的にはとっちらかった内容で出来はあまりよろしくありません。この巻は完全なギャグストーリーだし、やり直しは簡単なので、「やられちゃったよ。ま、いいか」とノリ重視で楽しみましょう。


 全体的には小学生向けに書かれているとはいえ、思っていたよりしっかり作られている印象でした。
 とはいえ、普通のゲームブックファンにとっては、コレクター目的以外には無理して入手する必要はなさそうです。コロコロ雑誌本体にも別の怪盗ジョーカーのゲームブックが付録でついていたそうですが、こちらまでは私は手を出しません。
 雑誌の付録まで含めると、小学生女子向けホラー雑誌とかにも時々ゲームブックが掲載されていたりしますが、全部おいかけるとキリがないんですよね。そちらにお金を使うくらいなら、今まで封印している同人ゲームブックの方に手を出した方が、純粋にゲームブックを楽しめるのではないかと思ったりもしますし。
 こういったミニゲームブック達の存在は、たまに山口プリンのゲームブックに対するスタンスについて問いかけてきます。って、あれこれ小難しく考えるものでもないか。
 原作ファンはもちろん、この手のコロコロ系の漫画に理解がある人が、このジャンボカードダスを見かけたら、試しに購入してみるにはいいんじゃないでしょうか。



(追記)
 自宅近くのドラッグストアへ買い物に行ったら、なんとここにも怪盗ジョーカーゲームブックのカードダスがありました。(汗)
 市内の主な大型ショッピングセンターにあるゲームセンターを3カ所くらい見た時はなかったのに、こんな田舎(山口プリンの自宅は、窓の外にホタルが飛び、雨の日に玄関を開けると大抵カエルが2・3匹いる環境です。)の店に設置してあるとは設置基準がわかんねぇ。
 本来なら嬉しいことですが、なんとなく希少価値がなくなったというか、ブームの過ぎたたまごっちを店頭でみかけた気分だ。


山口プリン |HomePage

My追加