冒険記録日誌
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2016年08月14日(日) スーパーマリオワールド 恐竜ランド編(橋爪啓/双葉文庫)

 原作がスーパーファミコンということで、91年出版です。
 双葉のマリオシリーズゲームブックはこれで4作目ですが、3作目の「スーパーマリオブラザーズ Vol.3 マリオ軍団出撃」が87年発売とかなり間が空いています。原作は説明不要の人気ゲームとはいえ、双葉のゲームブックでも終盤の作品ですので、シリーズ1〜3を遊んだ人でもこれは知らないや、という人は多いのではないでしょうか。実は私もその一人だったのですが。

 ストーリーは、恐竜ランドへとバカンスにやって来たマリオ兄弟とピーチ姫だけど、いつものようにクッパによってピーチ姫がさらわれてしまった。6つの島からなる恐竜ランドを駆け回ってピーチ姫を救い出すという、原作通りのものです。
 一見普通のことですが、実はマリオのゲームブックでは原作通りというのは珍しいです。
 ゲームブックの1の主人公はゲーム世界に吸い込まれた少年でマリオを救う話しだし(ただし、1に同時収録されているおまけゲームブック「ルイージの冒険」は原作の2に近い)、2は未来にタイムスリップしたトンデモ系SFでしたし、3はルイージとピーチを加えたRPG風と原作とは完全別物でした。マリオゲームブックは他に勁文社からも出ていますが、これはマリオとは何かが違う世界観でしたからね。(2002年05月と8月の冒険記録日誌参照)
 というわけで、やってみました初プレイ。

 プロローグからストーリーとか文章は、ほんわか系の雰囲気なんですが、フラワーとマントの数、ライフポイント(HP)、ファイティングポイント(戦闘力)、ヨッシーの満腹チェック、アイテム管理にフラグ用のアルファベットチェックと倒した敵キャラの記録と、ゲームプレイに必要な書き込みが多くて、ルール面は結構ガッツリ系でした。
 恐竜ランドの各島には子クッパが待ち構えている城があり(一部城にいない奴もいますが)、子クッパを倒すと次の島に進むステージクリア型。基本的に一方向システムですが、迷いの森ステージに登場する迷路のように一部は双方向要素も使われています。
 旅の仲間にはスーパーマリオワールドだけあって当然ながらヨッシーがいます。ゲーム中にはちょくちょく、マリオが攻撃するか、ヨッシーが敵を食べるかの選択肢がありまして、マリオが倒した敵の数は、経験値のように後々マリオの戦闘力に影響し、ヨッシーが食べると満腹ポイントが増え、ヨッシーの力に影響するので、どちらを多めにするかは悩みどころでした。自分のプレイではヨッシーの食事をメインにしていたので、中盤から時々敵に負けることもあり苦しかったです。初回プレイは最終ステージへの移動に必要なアイテムがなくてゲームオーバー。
 でも迷いの森ステージで、何度もヨッシーが敵を食べることができる場所があることが判明したので、2回目のプレイでは普段はマリオメインで攻撃して、迷いの森でヨッシーに食べさせる作戦でクリアしました。

 私的にはゲームブックでは世界観がぶっとんだ2や、ゲーム的に面白い3がお気に入りだったので、それに比べれば本作はいくらか地味かもしれません。
 しかし、原作を生かして作られた正統派マリオのゲームブックとして考えると、雰囲気・ゲームバンスともに悪くない作品です。まあ、ライトユーザー向けの雰囲気なのに、ゲーム管理が煩雑なのはちょっと問題がある気もしますが、それは販促上の話しで作品自体の欠点ではありません。
 それに原作ではルイージの影が薄いとされた、スーパーマリオワールドなのに、ゲームブックではルイージが大活躍してくれます!
 ちょいと三枚目な性格ながら、ルイージはマリオに同行して一緒に戦ってくれ、ワープ土管などで離れ離れになったと思ったら、ボス戦の最中に再登場して助けてくれるなど、なかなか美味しい役どころです。ルイージの扱いが不遇だったゲームブックシリーズ1〜3が嘘のように、ちゃんとマリオブラザーズしていることに、ルイージファンの山口プリンとしては感動でした!

 最後に余談ですが、本作には「任天堂は京都にある」みたいなメタ発言も時々あり、他のマリオゲームからもゲストキャラがたまに登場します。
 ボーナスゲームを取り仕切るスーパーマリオランドのディジー姫、回復アイテムを郵送してくれるドクターマリオ(本作ではマリオの従妹という設定)という具合です。
 特に「最近出番がないから、クッパの手下となった」と言いつつ雑魚として登場したドンキーコングはとてもお気の毒。もう少し耐えればスーパーマリオカートで仕事があるよ、いずれ再ブレイクできるから早まらないで!と励ましてあげたいものです。


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