冒険記録日誌
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2016年08月07日(日) アリスインワンダーランド〜時間の旅〜ゲームブック時間の問題(ジェームズ・ボビン/講談社)

(amazonの商品紹介文より)
 これは普通の本ではありません。時間を遡ったり未来に飛んだりできる魔法の本。
 ティム・バートン監督が「不思議の国のアリス」をもとに描いた大ヒットファンタジー「アリス・イン・ワンダーランド」の続編映画「アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅」のゲームブックが登場。
 読み手のあなたは最初に「アリス」になるか「マッドハッタ―」になるか、はたまた「赤の女王」や「白の女王」になるかを選ぶことができます。
 さらに、あなたの判断で読み進めるページが変わり、物語はどんどん変わっていきます。
 あなたは無事に映画通りの、あるいは映画では見られなかったハッピーエンドにたどり着くことができるでしょうか……?
 さあ、あなたがこの本に夢中になるのも「時間の問題」です。

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 ただいま上映中の映画のゲームブック版です。
 いやぁ、映画とタイアップで同時発売とか、ゲームブックブームの頃みたいでなんだか懐かしいなぁ。それに海外作品のゲームブックというのも最近では珍しいですし。
 そう思いながら遊んだ本作ですが、残念ながら出来の方は自分的にはイマイチでした。
 まず、ゲームブックのタイプとしては、シンプルな分岐小説です。ルールだけでなくパラグラフのフローチャートまでシンプルで、選択肢は映画本編と同じものとIFのものの2択が基本。IFの選択肢はすぐにゲームオーバー(映画とは別のハッピーエンドになることもあり)になる完全一本道なんです。
 4人の主要登場人物の中から主人公を選べるというのも、これも単に4本の短編ゲームブックが収録されているだけでした。
 まあ、一つの映画のストーリーをそれぞれの登場人物の視点でみられるので、これはこれで面白い工夫ですけどね。遊ぶ前はさらにザッピングシステムとかそんな要素の入ったパズル的ゲームを期待していたのでちょっと肩透かし。主人公によってゲームの長さが違い、やはり本来の主人公のアリスが一番長いです。
 特徴的なのは、映画本編とは違うと思われる選択肢を選んだ場合に文章が逆さまのパラグラフになっている演出です。つまり通常の文章は映画の展開、逆さまの文章はIFの展開という風に整理されているわけですが、その工夫は必要だったのかな?文章が逆さまのパラグラフを読むたびに本をひっくり返すのはメンドイし参ったなぁ、というのが正直な気分でした。
 原作となる映画はストーリー、雰囲気ともに結構クセがあります。私は一作目を見ていたので(本書の原作映画は二作目です)大丈夫でしたが、見ていない人は本書だけでは物語についていけないかもしれません。
 というわけで、本書はゲームブックではあるのですが、ゲームブックファンよりは原作映画ファンが楽しむグッズと割り切った方が吉かもです。

 今回は不満ばっかり書いてしまいましたが、サバイバル系の海外産ゲームブックも近々発売されるらしいし、今年のゲームブックの出版状況はいい感じですね。自分には合わなくてもいろんなゲームブックが発売されるのはいいものです。


山口プリン |HomePage

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