冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2016年03月27日(日) 秘密諜報大作戦(若桜木虔/光文社文庫) その5

(ネタバレ注意!プレイ予定の方は読まないでください。)

 どこから無限ループに入ったのか?工場の脱出したときの展開によって正しいルートと分岐してしまうようです。どこまで戻ればよいのか、よくわからなかったので、工場の屋上に潜入したところからやり直しました。

 印刷所の破壊に成功!慌てふためいて飛び出してくる技術者どもを、狙撃する。
 なんと銃弾は当たらなかった!彼らと俺の間にあるガラスが防弾ガラスだったのだ!
 焦る俺に警備兵の銃弾が体に食い込む。

 やりなおし。

 印刷所を破壊し、夏美がおとりになって、警備兵の注意を引き付けている中、慌てふためて飛び出してきた技術者を狙撃して殺害した。
 工場は爆発音と怒号でパニックだ。手りゅう弾を投げながら走るか、機関銃を乱射しながら走るか、その場で警備兵と応戦するか。脳裏にひらめく選択肢に迷った。どれが正解かなんてわかるわけがない!
 工場から脱出した俺達の前を、一台の車が港に向かって走ろうとしている。
「サンチェス・ロドリゲスよ!」
「工場の下敷きにならなかったとは、悪運の強い奴め」
 俺は奴の眉間を狙撃した。乗り手を失った車は密林に突っ込んで炎上した。

 ロドリゲスって誰だっけ?ああ、序盤に登場した大使館員か。さっきと違う展開だ。

 現在地はわかったが、迎えの潜水艦の浮上時間がせまっている。急いで港に走った。港で船を奪って目的地で移動しようと思ったのだが、港は兵士の乗っていそうな軍用の船ばかりが停泊しており、奪えそうなのはボロイ漁船一隻のみだった。
 贅沢は言ってられないので、漁船に乗り込むと船は爆発した!しまった、罠だったか!

 やりなおし。今度は工場からの脱出方法をちょっと変えてみた。

 工場を破壊し、技術者とロドリゲスを殺害する。迎えの潜水艦の浮上時間に間に合わせるには、港で船を奪うか、潜入した鍾乳洞に戻って水上スクーターに乗るかしかない。俺は鍾乳洞に戻る選択をした。

 ほとんど、同じ展開なのだが、さっきはこんな選択肢がなくて、船に乗るしかなかったよ。何が問題だったの?('A`)

 無事、水上スクーターに乗り込むと、俺と夏美は海に出て、海上に漂って迎えを待つ。
「でも、工場を潰しても、やつらはまた同じことを企むでしょうね」
「そのときはまた俺達が、ぶっつぶすだけさ」
 夏美と話しているうちに、近くの海面が盛り上がって潜水艦が浮上した。任務完了だ。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 このゲームブック(というか、他の出版社も含む若桜木ゲームブック全般)の構造はこんな感じみたいです。

 迷路(時々ゲームオーバー)→ストーリーパートで運任せの選択(時々ゲームオーバー)→無限ループ迷路か次の迷路に分岐(以下繰り返し)

 作者の後書きによると、前作「一緒にアクシア 大遺産を探せ!」より、迷路と無限ループを強化したような事を書いていましたが、実は本作の方が難易度は低いです。なんとかクリアまで耐えられたのもそのおかげです。
 理由としては、前作より迷路の数が増えたことと、無限ループの規模は大きくなったこと、これらにパラグラフ数を取られた分、正解ルートの迷路、一つ一つの規模は小さくなっていることが挙げられます。
 あと、同じ荒唐無稽な設定でも、前作は大学生の合コンという身近な世界から始まっていたので、余計に非現実さが目立ったのですが、スパイものは初めから非日常なだけ気にならなかったです。気にならないだけで面白いと思うかは別ですし、設定の元ネタと思われる「スパイ大作戦」のファンが見るとどう思うかまでは知りませんけど。
 細かい感想としては、相棒の夏美さんが必要最小限の事務的な会話しかしてくれないのが寂しい感じです。たぶんスパイの有り方としては正しい気もしますが、無個性過ぎて存在感がありません。夏美に罠を解除させるか、自分で解除するか?みたいな選択肢に絡めた出番を少しは作って欲しかったところ。

 まあ、無限ループに入れば半永久的に遊べますし、遭難して時間を持て余しながら救助を待っている方などにはオススメできる作品です。備え付けの救命グッズに本書はいかがでしょうか。
 ただしその時は、後で食べられる野草図鑑とか、サバイバルの極意みたいな本の方を積んでおけば良かったと悔やまれないよう自己責任でお願いいたします。


山口プリン |HomePage

My追加