冒険記録日誌
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2016年03月19日(土) 秘密諜報大作戦(若桜木虔/光文社文庫) その1

 007のような現代を舞台にしたスパイアクションもののゲームブックです。
 若桜木虔作品ということで「一緒にアクシア 大遺産を探せ!」の悪夢が思い出さずにはいられないのですが、先に後書きを読んだだけで予想通りの絶望感が襲ってきました。
 「手軽に楽しめるように数値の管理やサイコロを不要にしました。」は良いのですが、「全体の構成として5つの迷路を設けて1冊で5回の楽しみが味わえるようにしました。メモなしでゴールは99.9%不可能です。堂々巡りをして永遠に先に進めない「蟻地獄」(無限ループエンド)も前作以上の規模で設けております。」という事が書かれているわけです。
 遊ぶ前からこれほどテンションの上がらないゲームブックは珍しいですが、光文社文庫のゲームブックで未紹介のものは本作を含めてあと2冊。ここまでくれば全部紹介してしまおうかと思っているので挑戦してみます。
 ただ、やるからには楽しみたいので今回はいくつか工夫をしました。

1.前からチビチビ読んでいた退屈な出来のSF小説があったので、この機会に一気に読み終える。
 このあとに本作を遊べば相対的に楽しく思えるはずです。

2.イメージトレーニングをする。
 自分が軟禁生活を送っており、ベットとトイレしかない部屋で、娯楽に飢えているときに本書が置いてあると想像する。
 あしたのジョーの名エピソード「明日のために その1」は、まさにこの状況でした。

3.無限ループにはまっても前向きに考える。
 遊んでいて「俺、何やってんだろ」という空しさを感じては終わりです。
 昔やっていたパチンコで私は、一度出した玉が延々と呑まれている時、一種の「無の境地」になっていたのですが、無限ループもこれと同じと考えます。
 しかも、損するのは時間だけですから、パチンコよりお得です。

4.ゲームオーバーになっても、いつでも好きなところで再開できる指セーブを採用。
 これで大幅に難易度が下がるはずですが、若桜木虔作品の無限ループエンドは後書きに書いてあるどおり規模が大きく、詰みになっていることがすぐにわからないので、まだまだ安心できません。

5.マッピングはしない。
 これは一見、難易度上昇に見えますが、本作の貴重な長所である手軽に遊べる点を最大限生かすにはこれしかありません。これによりプレイ時間を確保できます。
 それに山口プリンは、「暗黒のピラミッド」とか「ネバーランドのリンゴ」(2004年07月15日や2005年06月20日の冒険記録日誌参照)のような凶悪な迷路ゲームブックもマッピングなしでクリアしたことがあるので大丈夫でしょう。たぶん。

 これで準備は完了です。今回はリプレイ形式で挑戦してみます。


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 俺は秘密諜報機関に所属する破壊工作員。
 国会公務員のようなものだが、もちろん正式なものじゃない。ヤバい仕事が専門だから、任務に失敗したら捕らえられようが殺されようが、誰も助けてくれないってわけだ。
 今回の上層部からの指示は、指定のビデオレンタルショップで、あるポルノビデオを借りることだった。
 早速、そのビデオを借りて家で開けてみると、100万円の札束とテープが一本出てきた。テープを再生してみると、どこかの工場の映像と野太い男の声が流れてくる。
 説明によると、この100万円は精巧なニセ札らしい。次に画面が切り替わって、容疑者とされる男の画像が映し出された。
 「この男はIC機器開発部長の岡村信治だ。共産圏の国に軍事にも転用可能なため流失を禁じられている最新IC情報を横流ししているらしい。我々が調査を開始した途端、このニセ札が発見された。岡村を捕まえるのは簡単だが、背景組織を叩きたい。相手国を見つけ出して、ニセ札工場を破壊してほしい。報酬は一億円。成功を祈る。」
 テープは終わった。
 俺は相棒の夏美に連絡をとった。夏美は、顔はもちろんプロポーションも抜群の女だ。普段はモデルをしているが、工作活動となると、妖艶な微笑で男を手玉に取ることもできる。
 岡村が勤務を終えて工場から出てきたところを、俺と夏美は恋人のフリをしながら尾行した。
(ここからゲームスタート)


続く


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