冒険記録日誌
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2015年02月11日(水) 烈拳カンフー大冒険(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原書店) その1

 烈拳カンフー大冒険は、エキサイティングゲームブックの15作目の作品。このレーベルの紹介は久しぶりだなぁ。オラ、なんだかわくわくしてきたぞ。
 なんといっても、スーパー頭脳集団アイデアファクトリーという謎の集団が生み出した、このゲームブック作品群は、崩壊したゲームブックバランス、ふっとんだ世界観、無駄に複雑なルール、シュールな文章と4拍子そろったうえで個性派揃いなのです。一言でいえばバカゲーで終わるのですが、そのぶっ壊れ具合が並の凡作を超越しているので、一部のゲームブックファンには愛されているという、いわばビデオゲーム界でいうDECOゲーみたいな奴ですな。
 このシリーズを好きと言う人は重度のオタクに進化している証拠(のめり込んだ人が一般人には理解できない作品まで好み始めるのは、サブカルチャーの趣味ではよくある現象)だと、以前から私は睨んでいたので、最近徐々にこのシリーズに惹かれつつある自分に少し憂鬱だったりします。

 気を取り直して本作の解説をしますと、タイトルでわかるとおりカンフー映画の世界をモチーフにした作品であり、当然ながら物語の舞台は、少し昔の中国の地方みたいな雰囲気です。
 ゲームブックブーム当時はジャッキーチェンの酔拳を始めとするカンフー映画が、まだまだ流行っていましたからね。ゲームブックの題材として、ありそうでなかった作品といえるでしょう。他にカンフーが題材のゲームブックといえば、双葉のファミコンゲームブックに少しありますが子ども向けだし、本格的なのは二見の「タイガー暗殺拳」(2002年7月の冒険記録日誌を参照)くらいでしょうか。いや、あっちの主人公は忍者なんですけどね。一応。
 ストーリーはゲームブックの王道パターンで、周辺の村々からみかじめ料を奪って住民を苦しめる荒くれ集団の本拠地に主人公が単身乗り込み、彼らを束ねている拳王を倒すというもの。
 個人的には復讐劇とか、カンフーの達人の家に住み込んで修行の日々とか、無銭飲食をして店の中で大乱闘騒ぎとか、カンフー映画あるあるをもっと入れてほしかったところですが、酔っ払い爺さんが実は酔拳の達人というベタなキャラは登場しますし、主人公も敵も店の店主もみんな当然のようにカンフー使いという世界観は再現されていてニヤリとします。
 今まで、パラパラとナナメ読みした程度なので、今回はちゃんと遊んでみたいと思います。

 さて、まずは主人公の設定ですが、見切り、パワー、スピード、体力の4つの能力値を決めます。
 戦闘ルールは結構独特です。手順を紹介すると、(1)主人公のパワー+サイコロ2個と敵のパワー+サイコロ2個でパワー比べ。(2)主人公のスピード+サイコロ2個と敵のスピード+サイコロ2個でスピード比べ。(3)パワーとスピードの勝敗を、用意された勝敗表にあてはめ、その結果に従い、敵か主人公の体力を1〜3点減らす。(4)どちらからの体力がなくなるまで1から繰り返し。というもの。
 とにかく1ラウンドにサイコロ2個を4回も振る必要があるのがかなり辛い。パラパラと本書をみた限りは、体力10点程度の敵が10人も並んでいる読者虐めみたいな戦闘シーンもあり、戦闘が終われば主人公とともに読者もヘトヘトになる気持ちを共有できるシステムとなっています。


('A`)メンドクセー


 この煩雑さはどうにかならないものでしょうか。
 いっそ全て戦闘は勝ったことにして遊ぼうか、という誘惑もあったのですが、この作品のゲームバランスがどうなっているかも確認したいところ。
 そこで今回は主人公のパワーとスピードの能力値を7点減らして遊ぶことにしました。
 戦闘では、パワーとスピード比べは主人公の能力+サイコロ2個で敵の数値と比べて処理する(つまり敵の分のサイコロは常に7の目が出ると仮定する)のです。これなら戦闘で振るサイコロの回数は半分ですみます。
 それから見切りの能力は、戦闘中に任意で消耗することで敵にダメージを与えることができます。戦闘以外にも敵の不意打ちをかわせたか等の判定にも影響するので、多用すると後々苦しくなるという、ファイティングファンタジーでいう運点みたいな存在です。
 とりあえず、能力を決定してゲームを始めましょう。

見切り力 12点
スピード 9点(本来は16点)
パワー 4点(本来は11点)
体力 12点
所持品・装備 特になし。

 出立に先立ち、カンフーを学んできた老師に拳王退治の許しを願いでると、老師から秘拳・金剛拳を習得するため、木人の洞窟なるところで試練を受けるよう命じられました。
 おお、このシュチェーションは!
 タイトルは忘れましたが、昔見たカンフー映画でも、この手の試練を受ける展開があった記憶がありますよ。
 映画では通路をふさぐ熱い巨大香炉を火傷覚悟で動かしたり、両側から迫ってくる壁に押しつぶされる前に走り抜けようとしたり、リアルなゲームみたいな感じがしてワクワクして見ていたもんですが、木人の洞窟には何が待ち構えているのでしょうか?


 続く



山口プリン |HomePage

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