冒険記録日誌
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2013年10月01日(火) 3度目の国会図書館

 この夏に久しぶりに東京に行く用事があったので、ついでに国会図書館によってきました。
 非常にレアで入手困難なゲームブックをまとめて見られる貴重な施設ですので、本当に行く度にワクワクします。東京近郊在住の方が羨ましい。
 最初に国会図書館に行った時のエピソードは、2006年12月の冒険記録日誌に書きましたが、3度目ともなると国会図書館の様子や使い勝手もわかってきました。
 2度目のときはゲームブックよりは海外SF小説を主に借りたので、今回はゲームブック中心。貴重な時間を有効に使えるよう、一度に3冊までしか借りられないことも含め、計画的に借りるオーダーを組み立てます。
 そんなわけでゲームブックオタじみた一日を紹介。

 開館時間を20分ほど過ぎた頃に入館。午前中は近代映画社のインディジョーンズシリーズのゲームブックを3冊借ります。
 なぜこの本を選んだかというと、私は同じ近代映画社のゲームブック「騎士と魔法使い」シリーズのファンであるうえ、同社のゲームブックは、薄っぺらで短編程度の容量しかないので3冊でも1時間程度で全部クリアができるだろうと考えたのです。本格的に400パラグラフもあるようなゲームブックを遊べば一冊でも一日がかりになるのは間違いありません。
 実際のところはマルチエンディングだったので、全エンディングに到達するのに一冊45分程度かかり、この3冊で午前中は終了。

 返却したらすかさず第二弾。今度は朝日ソノラマのハローチャレンジャーブックの中で所有していない5冊のうち、3冊の貸し出しを申し込みます。(※1)
 このシリーズは一説には日本で一番最初に発売されたゲームブックレーベルらしいです。TVゲームで例えるなら、ファイティングファンタジーシリーズをファミコンとすると、カセットビジョン的なポジションになるレーベルと山口プリンの中では勝手に設定しています。
 ぶっちゃけ面白さもファイティンファンタジーシリーズに比べると、ファミコンとカセットビジョンくらいの差はあるのですがね。(※2)
 ただ、このシリーズのゲームの舞台が、王道の西洋ファンタジーはもちろん、アイドルものだったり原作つきのものだったりSFだったり現代サスペンスものだったり少女向けだったり和風ファンタジーだったりと実に多彩で、ゲーム性でも「激突!第7機装兵団 モニュメントの謎」(2002年8月23日の冒険記録日誌に紹介済)のような野心作もあるなど、出来不出来はともかく、ゲームブックの創世期ならではのチャレンジャー精神を感じます。
 予約したゲームブックが到着するまで通常30分はかかるので、その間に国会図書館の食堂で飯を食ったり、売店を冷やかしたり、足の指を扉の角にぶつけて悶絶して時間をつぶしました。

 午後になって到着したゲームブックを眺める。どれもそこそこボリュームがあるゲームブックなので時間の都合上遊ぶ事はできません。出来るのはゲームルールとプロローグあたりを読んで、ゲーム序盤までのお試しプレイくらいです。そんなので意味があるのかと言えば、作品の雰囲気だけでも知っておきたいという気持ちと、今後これらの本が、ネット古書店あたりでプレミア価格で販売された時や、ゲームブックファン同士で交換の機会があった時に、入手する価値があるのかを見極めるためです。予算に限りがある以上、レアなゲームブックでも、苦労して入手したのにつまらなかったでは悲しいですし。
 本当は借りた中で「タイムバブルからの脱出」だけは、この作者の前作「宇宙植民地を救え!」(2011年6月12日の冒険記録日誌で紹介済)が面白かったので、最後まで遊ぶつもりでしたが、午前中の3冊を読むのに時間がかかりすぎたせいもあり無理でした。残念。

 さて、これらも返却すると、帰りの新幹線の時刻が気になり始める時間になりました。
 これがラストと、また3冊を借ります。朝日ソノラマの1冊と、SF短編集を1冊、それから今回の目玉として対戦型ゲームブックの「リヒトホーフェン」。
 「リヒトホーフェン」は二人対戦用のゲームブックで、クイーンズブレイド同様のシステムですが、エロ本みたいなあちらとは違い、ドイツ軍と連合軍による戦闘機同士のドッグファイトを主題にしています。
 文章は別冊のルールブックに書いてあるだけで、「ドイツ軍」と「連合軍」の2冊のゲームブックには文字は一切使用されておらず、画像と選択の先の数字だけしか表示されません。
 手間に表示される戦闘機のコクピットなどは実写で、遠くに見える敵機はイラストで表現する独特の画面が、何の説明もなく延々と200ページ以上描かれている構成は妙な迫力があって、ルールを理解してなくてもつい惹きこまれてしまいました。 ゲーム性は全然違うものの、朝日ソノラマの「モニュメントの謎」に近いインパクトを感じます。
 この内容なら発売当時は発展途上のTVゲームなんかよりも、リアルなドッグファイトを体験できただろうと想像できる内容でしたが、もちろん一人でここで遊べるはずもなく、付属のルールブックを読むだけで返却しました。
 ルールブックは分厚く内容も煩雑そうで手軽に遊べそうはないです。一応、高度の概念がない初級ルールも選択できるなど、少しでも遊びやすいように工夫はされていますけどね。
 パイロット紹介のページは、実在したエースパイロット達が実名で登場するので興味深く読めました。本のタイトルでもわかるとおり、ドイツ軍のパイロット達の紹介の方が充実している気がします。

 本当は参考にコピーも取って帰りたいゲームブックもあったのですが、ここではコピーの手続きにも時間がかかるので止めました。
 いっそ一冊を丸ごとコピーしたい気分でしたが、著作権の都合上、本全体の半分のページまでしかコピーできないのは知っていましたし、ゲームブックで半分のコピーってまったく無意味ですよね(汗)(※3)

 ここで時間切れ。終盤は慌ただしくなってしまいましたが、充実した一日でした。



※1 シリーズのうち「剣士対妖怪 魔境の秘薬」だけは国会図書館にもありませんでしたが、幸運にも後日ゲームブックの交換で入手できました。感謝感謝です。

※2 面白さは最低でもSG-1000レベルくらいはあると訂正します。カセットビジョン並ではさすがに気の毒。

※3 例外として「SF’環状世界」(2006年12月7日の冒険記録日誌に紹介済)という珍品中の珍品ゲームブックを国会図書館でコピーしたことがあります。こいつはパラグラフ移動をすることすら無意味に思えてくるほどの内容なので、一部のコピーだけでこの作品の芸術レベルに達したシュールさを十分堪能できます。オススメ。


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