冒険記録日誌
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2011年05月05日(木) ミッドウェー大空海戦(鈴木巌/新星出版社)

 太平洋戦争の戦局を決定づけたといわれるミッドウェー海戦をシュミレーションしたゲームブックです。
 これを遊んだのは、ミリタリーマニアの友人が、ミッドウェー海戦を扱った面白い本があると紹介してくれたのがキッカケです。
 元々この作品の存在自体は知っていましたが、新星出版社の他のゲームブックがイマイチだった記憶があること。某西東社にもミッドウェー海戦のゲームブックがあって、そちらのゲーム性がアミダクジレベル(本当に大半の選択肢がアミダクジなどで分岐するので、プレイヤーが考える余地がない)だったこと。そんな理由でなんとなく期待できないと思って読んでいなかったのです。
 しかし、めずらしくゲームブックと無縁の友人が進める本だからと遊んでみたところ、創土社で出しているような本格的なゲームブック並みとまではいいませんが、結構楽しめました。

 ストーリーは、太平洋戦争開始から三ヵ月後の状態からスタート。日本軍の立場になって史実とは逆に日本軍を勝利に導くのが目的です。
 特定の主人公は存在しませんが、選択肢の度に、その戦況を担当している長官や大尉などの立場になって作戦を決定します。
 乱数処理にサイコロなどの小道具は使いませんが、たまにアミダクジで結果が決まることがあり。(西東社のと違って、あくまでサイコロの代用としてだからこれは許せる)
 ルールでは得点というポイント管理が一つあり、これは正しい作戦や支持ができれば増え、失敗すれば減ります。
 ルール説明によると、史実どおりに進めれば0点になるそうです。敗戦しているのだから、当時の司令官たちは失敗ということですね。
 1パラグラフが=イラスト付きの1ページというタイプのゲームブックで144ページのボリュームです。
 ルール自体は簡単で普通の本を読む感覚で気軽に読めます。
 
 私はミッドウェー海戦のことは、あまり知らなかったのですが、ルール説明のあたりで、両軍の艦隊の構成とか、空母の名前とか、戦闘機の性能とか読んでいるだけでも興味深いですね。
 ゲーム中も、戦闘中の決断シーンはもちろんのこと、電報の何気ない質問に回答すると、これがアメリカ軍の偽電報で情報をばらす結果になってしまったとか、興味深いエピソードがいくつも登場して飽きさせません。
 どこまで史実に忠実にできているのかと思って、ネットで調べてみたら有名なエピソードは大体盛り込んでいるようです。何よりミリタリーマニアの友人が勧めてきたのだから、シュミレーションの出来は合格なのでしょう。

 しかし、私の場合、考えて選択しているつもりなのに、作戦が裏目裏目に出て、最初は戦闘の決着がつく前にゲームオーバー。再チャレンジで最後まで進むも、史実どおりな結末になってしまいました。
 4度目くらいで最後に一矢報いた的な結末で、やっと史実よりマシな展開に。マルチエンディングですが、2種類ある日本軍勝利エンドにはなかなか到達できません。
 まあ、もともと情報面などアメリカ軍が有利な海戦だったようなので、日本軍勝利が難しくても当然かもしれませんが。

 ちなみにこの本を気に入った私は、その後同シリーズの「パールハーバー大空海戦」という真珠湾攻撃を扱ったゲームブックを入手しましたが、こちらはミッドウェー大空海戦ほどの楽しさはなかったかな。
 いや、こちらも作品のクオリティーや、ゲームシステムは同じなんですが、元々圧勝の日本軍の立場で挑戦するので、弱い者いじめなような感じがしてしまって。(ただし、グッドエンドを目指すには、史実以上の戦果を出さないと駄目)
 やっぱり日本人としては、弱小野球部が甲子園を目指すとか、ハチロクがランエボとのレースに勝つみたいな、劣勢からの大逆転的な内容じゃないと盛り上がりませんな。


山口プリン |HomePage

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