冒険記録日誌
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2009年11月21日(土) ゾーヤブレイク2 夢を見る石(テイチクレコード)

(ゾーヤブレイクシリーズの物語の基本背景)
 1920年の出来事です。ボールマン博士という人物が、テレポートの実験を試み、失敗しました。その日以来、実験台になった4歳になる孫娘のゾーヤの姿を見たものはいません。ゾーヤは、潜在意識のみの存在となって、いくつもの時空に飛び散ってしまったのです。

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 「夢を見る石」とはゾーヤブレイクシリーズ第二弾の作品です。一作目の「マンフレットの館」の感想は2002年06月17日の冒険記録日誌に書いています。
 ゾーヤブレイクシリーズは、普通の音楽CDの形態で発売された、ゲームブックになっているドラマCDです。物語が分岐点になると、サーチ機能の早送りで指示されたパラグラフに移動する仕組み。この手の作品は双葉社のテレホンアドベンチャーなど、他にもないわけでもありませんが、それでも珍しいです。

 一作目は、そのテレポート実験が行われたボールマン博士の住処、マンフレットの館でゾーヤを探すというものでした。ここで出会えたのはゾーヤの記憶の断片でしかなく、物語はこの「夢を見る石」に続くわけです。
 「夢を見る石」では日本にあるどこかの町を舞台にゾーヤの意識を探すことになります。そこはゾーヤのテレポート実験の転送先として予定されていた場所だからです。
 厳密にはゾーヤ自身の捜索というより、ゾーヤの意識がこめられている5つの「夢を見る石」を探すことが今回の目的です。CDの解説書には、大正時代のある女学生が書き残した日記という体裁で、事件にまつわる背景設定を間接的に説明しています。

 ゾーヤを捜索するといっても、ゲーム中の行動は並木道を散歩したりバスに乗ったりレストランに入ったりと単なる町の散策みたいな感じ。町の森林公園がアマゾンの奥地みたいだったとか、シュールな展開もよくありますが、不条理さは前作ほどではないかな。
 前作とのゲーム的な違いはゲームオーバーが廃止されていること。どのルートを辿っても最後はエンディングに到着します。ただし多くの石を発見するルートを辿らないと、真のエンディングには到着しないようになっています。
 ノーマルエンドの場合、終盤が軽い心理テストのようなものになっていましたが、当時はゲームブックだけでなく、心理テストも流行っていましたよね。まさに廃れたジャンル同士の夢の共演!と書くとなんか嫌ですね。
 いずれにしても、神秘的な曲と女性の穏やかな声のナレーションが全編を通して流れており、それを聞いているだけで癒されてくるのは今作も一緒です。ゲームブックCDというより、リラクゼーション系のCDといった方がいいかもしれません。


山口プリン |HomePage

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