冒険記録日誌
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2009年10月10日(土) 忍法タイムチェイス(スーパー頭脳集団アイデアファクトリー/桐原書店) その1

 スーパー頭脳集団アイデアファクトリー製作第12弾のゲームブックです。
 公平を保つためにいっておきますと、謎の集団によって作り続けられた、このマニアックなゲームブックシリーズも後期の作品あたりでは普通に良作じゃないかと思える作品がなきにしもあらずです。
 たとえば冒険記録日誌(2004年06月)で既に紹介した「猫といじめっ子反撃大作戦」は、街中や学校を猫視点で冒険するという仕掛けと猫ライフにふさわしい攻略の自由度があり、結構遊べる作品です。
 そしてこの「忍法タイムチェイス」も私は割と好きですね。
 まず、プロローグが面白い。核戦争が終わって戦争の過ちに気付いた人類が、世界連邦という統一国家を作り出した経緯を説明しているのですが、この核戦争の原因というのが、ニューヨークオリンピック開会式の入場行進のときに、ソ連の選手がアメリカ大統領の前でアクビをしたことから、「けしくりからん」「てめえんとこの選手村のベットがせこくて眠れなかったんだ」「何をォ!」(セリフは原文のまま)という子供の喧嘩みたいなところから始まっています。
 そういえば星新一の小説で、「血で血を洗う宇宙戦争の原因が、宇宙船から出たゴミが他の星の宇宙船に当たったことからだった」というショートショートがありましたねぇ。
 ともかく世界連邦の設立により、人類は一応の平和を得たわけですが、各種の犯罪組織はあいかわらず健在です。このなかでも最大の規模をもつ「POF」という犯罪組織を世界連邦捜査局が追い詰めたところ、そのボスのカシムダに逃げられてしまいます。しかもそいつは東京をまるごとふっとばす威力の時限爆弾を置き土産に設置したあと、タイムマシンで過去に逃亡してしまったのです。
 さあ大変、時限爆弾の爆発は1週間後。技術者は解除はできないとお手上げ状態。こうなったら捜査員もカシムダを追って過去に飛んで、なんとしても奴を見つけ出し、解除キーを手に入れるしかない!そこで選ばれたのが伊賀忍者の血を引く君なのだ!って話しです。
 なぜそこで忍者?というつっこみも入れたい気もしますが、向かう先は江戸時代などだから忍者でもいいのかも。横田順彌のSF小説や、山田風太郎の漫画で、忍術でタイムスリップができる話しがあったのを覚えているので、意外とスンナリ受け入れている自分がいます。このゲームブックでのタイムスリップは、忍術ではなくタイムマシンを使うみたいですがね。

 そんなこんなで、選ばれた君は過去に旅立つわけですが、話しが長くなってきたので、また次回に。

続く


山口プリン |HomePage

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