冒険記録日誌
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| 2009年08月15日(土) |
ローンウルフシリーズ(ジョー・デバー&ガリー・チョーク/ボビージャパン) |
海外ではあのファイティングファンタジーシリーズにも負けていないとされた人気シリーズ、ローンウルフの紹介です。紹介といっても、熱烈なファンによってすでに語られているサイトもあるシリーズですから、私は単純に遊んだ感想でも書く程度にするつもりです。
まずこのシリーズがどんな内容かといいますとオリジナルのファンタジー世界が舞台で、主人公の所属するカイ修道院が敵軍に奇襲されて全滅。たった一人が生き残った主人公が最後のカイ戦士として巨大な敵と戦っていく、というのが大まかなストーリーです。冒険は各巻ごとに完結していますが連続性があり、全てをつなげると大作ファンタジー小説のようなものになる壮大な冒険となっています。 主人公は魔法使いではありませんが、単純な戦士でもなく、カイ戦士のみに伝授される特殊な技術(例えば偽装の技術や動物との会話術、それに念力のようなもの)が使えます。カイ修道院は、忍者とか軍隊でいう特殊精鋭部隊の養成所のようなものだったのかも。ローンウルフシリーズというシリーズ名から、激渋いキャラを予想していたのですが、カイ修道院への襲撃から主人公が難を逃れた理由が、授業をまじめに受けていなかった罰として薪拾いに行かされていたから、というのが少々情けない。しかも遠くで修道院が襲撃される様子を目撃して、急いで駆けつけようと慌ててしまい、地面につまづいて木の枝に頭をぶつけて気絶。目が覚めたときは全てが終わっていたというのだから、意外にオッチョコチョイなところもある奴です。
次にゲームシステムですが、カイ戦士の特殊な技術(スキル)は全部で10種類あり、そのうちから5つ選んで冒険を始めることができます。このシリーズではヘタな能力値より、その局面局面で役に立つスキルを持っているかどうかが、クリアの為にかなり重要な要素といえます。まあ、特定のスキルがないとクリア不能ということは遊んだ限りではなかったので、あまり難しく考える必要もないみたいですけど。 また1巻の冒険を終えるたびに新たにスキルを1つ覚えることができるシステムで、全てのスキルを覚えるはずの6巻以降はどうなるかというと、また新たな上級技能が追加されて、その繰り返しのようです。 戦闘に関するバランスはそれほど厳しくないかな。私は全ての能力を最低値にして遊んでいましたが、苦戦しつつも5巻まではクリアできてしまいましたから。立ち回りがよければ、戦闘そのものを極力さけることができたことと、シリーズ途中で入手できる剣、ソマースウォードが異様に強力だったことが大きいです。むしろ平均以上の能力で遊んだら主人公が強すぎて、物足りないかもしれません。ソマースウォードが使えない状況や無くす展開も多いので油断はできませんが。 ゲームの仕掛けとしてはどの巻も凝った作りはなく、どちらかというとストーリー重視。そのうえに重厚な世界観という味付けもあるので、雰囲気が気に入れば楽しめるシリーズといったところかな。
日本では知る人ぞ知る名作!といった評価でシリーズの知名度は今ひとつ。和訳されたのは8巻までとローンウルフの世界観を紹介した「マグナマンド・コンパニオン」というガイドブックだけですが、原作は28巻まで出ているようです。 私もゲームブックブームのころは、まったく存在を知りませんでした。そういえば雑誌ウォーロックでも、ボビージャパンから出たゲームブックって、皆無とはいいませんがほとんど紹介されていなかったですね。 この内容なら日本でも、新書サイズのこの本を文庫本サイズに変え、カバーイラストも日本人向けにするなど、売り込み方法を考えればもっと人気がでた気がします。今ではクイーンズブレイドとかラノベFFとか出しているボビージャパンも当時は必要以上に硬派だったんだなぁ。
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