冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2008年07月12日(土) 天才バカボンの華麗なる登校 その6

(赤塚不二夫劇場のプレイレポートです。ネタバレ有りなので遊ぶ予定がある人は読まないことをお勧めします)

都の西北、ワセダのとなり
のさばる校舎は、我らが母校
我らのノーミソ、タリラリランよ
先生もドアホで、授業はパーでも
社会はまねくよ 我らが頭脳
バカ田、バカ田、バカ田、バカ田
バカ田、バカ田、バカ田ー

パパを追いかけてバカボンが到着したのは、パパの母校であるバカ田大学だった。
パパの姿を探して授業中の校舎を探しまわる。試しに、まつりの授業という教室を覗いてみると、
「授業だよ、全員集合!」
先生のかけ声に生徒たちが立ち上がって歌っている。
「エンヤーコラヤッと、ドッコイジャンジャンコラヤーっと、ハァー、アホウ見たさに」
「ハー、ドウシタ、ドウシタ」
「バカ大、こりゃ入ったらー」
「ソレカラドウシタ」
「今日もなー、今日も会えたよバカ、それさなー、バカ大のバカ男」
生徒たちは先生をのせた教壇をみこしのように担いでいる。
「遅刻するなよ、授業さぼるなよ」
「ハー、ビバビバビバ」
 駄目だこりゃ。
 バカボンは教室内を探すのをやめて、校庭に出てみた。
 そこには若いころのパパとママが2人で歩いている姿があった。
「わしは一番す、すきやきは冬に限るのだ」
「はい?」
「いや、あの、わしはプロポ……するのだ」
「プロポ!?」
「そうなのだ、わしはプロボクサーになるのだ」
 もしかして、そうか。パパはママにプロポースしようとしているのだ。
パパ!しっかりしろ!ママに好きと言え!
 そのとき、ハトがパパの頭にフンを落とした。パパは怒ってハトを追いかけていき、ママが一人残されたのであった。駄目じゃん、パパ。
 すると、なんとバカボンの姿が半透明になったのだ。
そうか。パパとママが結婚できなかったら、僕は存在しなくなるんだ。って、今度はバック・トゥザ・フューチャーネタかい!
 こうしちゃいられない。バカボンは、ママに近づいてパパがママのことを好きなことを説明。自分のことはパパの後輩だとごまかす。
 ママはにっこりした。もともとパパのことが好きだったんだな。ママは。
「いい人ね、あなた。あなたみたいな後輩をもって、あの人、幸福だわ」
「お願いです。先輩と結婚してください」
「本当ですか」
「本当よ」
「本当に本当ですよ。賛成の反対なのだ、じゃないですよ」
「すてきなエンゼルさん。あなたのお名前は?」
「バカボン、天才バカボンっていうんです」
「バカボンさん、また会えるといいわね」
「会えます!絶対に!」
 もとの時代にもどったらパパに感謝してもらわなきゃ。バカボンはタイムマシンのもとへ戻ると、イヤミと一緒に現代に帰った。
 到着した時間は8時25分。ギリギリの時間だ。イヤミがもう一度、タイムスリップしようと申し出たが、丁重に断った。今度タイムスリップしたら、どこに飛ばされるかわかったものじゃない。
 バカボンは必死で走った。学校に到着するまでには、まだまだ障害がたち塞がる。バナナの皮、英語で話しかけてくるウィッキーさん(懐かしい…)、アンケート調査員、道を横切るカルガモ一家etc。
 それら全てを振り切って、学校に飛び込んだ。飛び込んだところで、人にぶつかってお互い転倒してしまう。
 イタタタタ。相手を見ると、赤塚不二夫ワールドの永遠のアイドル、トトコちゃんだ。なんだか見た目が秘密のあっこちゃんに似ている。
「ト、トトコちゃん。大丈夫?」
「うん、私は大丈夫。バカボンこそ、早く教室へ。遅刻しちゃうわよ」
 そう、そうだった。教室まで走ろうとすると、飛び散った筆箱や教科書を拾い集めているトトコちゃんが目に入った。
「いいの、気にしないで!バカボンこそ遅刻しないって、決めたんでしょ。男の子なら守り抜きなさい」
 トトコちゃんはニッコリ笑って、床に落ちた文房具を拾いだした。
 でも、トトコちゃんを放ってはおけない。
「バカボン、遅刻しちゃうわよ」
「いいんだ。ぼくはぼくなんだ」
「えっ?」
「今まで、ぼくは自分の意思で行動していなかったような気がするんだ。誰か他人の意志で動いていたような」
 バカボンはそう言って、トトコちゃんと一緒にしゃがみこんだ。そうなんだ、読者がどっちを選ぼうと、ぼくは自分の意志で行動する。
「自分の意思で生きていこうって決めたんだ。たった今から。遅刻より大切なこと。ねぇ、手伝ってもいいでしょ」
 バカボンは照れくさそうに、コンパスや分度器を集め始めた。
 キンコーン、カンコーン。
 始業の鐘が鳴った。新しいバカボンを祝福するように。

HAPPY END


山口プリン |HomePage

My追加