冒険記録日誌
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2008年07月08日(火) 天才バカボンの華麗なる登校 その2

(赤塚不二夫劇場のプレイレポートです。ネタバレ有りなので遊ぶ予定がある人は読まないことをお勧めします)

「バカボン、起きなさい」
「お兄ちゃん、早く起きないと、また遅刻しちゃうよ」
「そんなことではてぬぐいなのだ。いや、てぬるいのだ。バカボーン!起きるのだ」
 家族の声でうわぁ、と目が覚めた。
「バカボンどうしたの?すごい汗ね」
「ううん、なんでもないよ。ママ」
 無理矢理笑顔を返したが、顔がどうしてもひきつってしまう。
 ふっ。人の海綿体の中で圧死する以上になさけない死に方は、きっとないよ。「華麗なる登校」のタイトルに、これほどかけはなれているものはない。
 とにかく、あれは悪い夢だったと思って、学校に行こう。

「ウギャー!痛えてよー」
 おでんを串ごと飲み込んでしまって、猛烈な腹痛に苦しむチビ太が登場した。もう汚物まみれになるのはうんざりなので、今度は医者を呼びに行く選択肢を選んでみた。
 ところが赤塚不二夫ワールドで医者といえば、手足をタコやニアワトリのものに移植してしまうようなマッドな奴しかいないのであった。そんな医者を連れてきたら、ますます話がややこしくなる。
 医者が頼りにならないなら、おまわりさんだ。バカボンはそう判断して交番に飛び込む。
「なんだ坊主。ジッパーにキンタマでもはさんだか」
 そこにいたのは下品なおまわりさん(というキャラ)だった。
「キンタマをはさんで、これが本当のキンタマげた!ギャハハハハハ」
 駄目だ。まったく頼りになりそうもない。帰ろうとすると、下品なおまわりさんはまた声をかけた。
「よう、他にもおまわりはいるぜ。会っていくかい?何か用があるんだろ?」
 うーん。時間の無駄になりそうだが、あえてここは会ってみるを選択する。すると登場したのは、あがり症のおまわりさん(というキャラ)だった。もじもじして、彼も全然頼りになりそうもない。
「坊ちゃん、こんなおまわりさんで、ごめ、ごめんなさい」
 つきあったバカボンが馬鹿だった。今度こそ交番を出ようとすると、下品なおまわりさん曰く、まだおまわりさんはいるという。何となく気になるので、また懲りずに会ってみるを選択すると、
「エー、毎度バカバカしい取り調べで、お時間を拝借いたします」
 登場したのはタイホ亭こん坊だった。噺家志望のおまわりさんで小話ばかりしゃべっている奴だ。これも駄目だ。
「バーロイ。まだまだいるぜー」
 続いてヒグチ長十郎、デカ顔のおまわりさん、婦人警官山本リン子とおまわりさんが次々と登場した。赤塚不二夫ワールドって、こんなにおまわりさんキャラがいるのか。
 さすがにげっそりとしてしまう。もうチビ太のことを半ば忘れかけて、いくらか茫然とつぶやく。
「やっと、終わったのかな」
「終わってなーい!!」
 銃声を次々とあげながら、目ん玉つながりのおまわりさんが飛び込んできた!出た!日本一拳銃を撃ちまくるといわれる目ん玉つながりのおまわりさんだ!
「おまわりさんの真打ち!この私が登場しないと、おまわりさんシリーズは終わらないのだ!」
 あー、つきあってられない。交番を飛び出すと、元気に走り回っているチビ太が目に入った。なんだ、こちらが時間をつぶしている間に治ったらしい。
 気を取り直して、学校に向かい始める。とにかく毎朝こんな調子だから、学校に遅刻するのだ。

続く


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