冒険記録日誌
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2008年07月06日(日) 赤塚不二夫劇場(喰 始/JICC出版局)

 あの有名な天才バカボンをはじめとする赤塚不二夫漫画の世界観を詰め込んだゲームブック。読者はあのバカボンになって学校にいくというお話しです。
 えっと、正直この作品は読む前はあんまり期待していなかったのですが、意外に面白かったです。
 ゲームの目的はただ、先ほど書いたとおり、遅刻せずに学校に行くだけという内容なのですが、次から次へバカバカしいほどのしょーもないトラブルがバカボンに襲いかかってなかなか学校にたどりつけません。
 おでんの串を飲み込んだチビ太を助けるために人体に潜り込んだり、学校に間に合わせるためにイヤミと一緒にタイムマシンに乗り込んで過去に戻ったりと、ただ学校に行くだけなのに波乱万丈なのです。ルールは特にない単純な分岐小説なのでクリアは割と簡単ですけどね。
 クリアよりナンセンスギャグを代表する赤塚不二夫漫画の世界に浸るのが目的といえるでしょう。個人的にはバカボンのパパが卒業したバカ田大学に潜入して、バカ田大学のキャンパス風景を見物することができるシーンは何気に貴重だと思います。
 このゲームブックを一番特徴づけているのは、次から次へと濃ゆい赤塚不二夫漫画のキャラクター達が登場し、そのいちいちに原作のイラストつきで、キャラクター解説がつけられていることです。そのおかげでファンはもちろん、そんなに原作を知らなくても赤塚不二夫ワールド入門書のように楽しめます。例えばゲーム開始前に紹介してあるバカボン一家を例にとると、

<バカボン>
 着物に運動靴という今どきめずらしい格好で、それも春夏秋冬、季節を問わず日常生活をしている。落語に出てくるバカの与太郎がモデルらしいのだが、バカボンのパパのほうが個性が強すぎて、あまり性格がはっきりしていない。自分の名前がタイトルになっておきながら、活躍するのももっぱらパパのほうが多い。しかし、今回は間違いなく主役である。

<ハジメちゃん>
 バカボンの弟で、バカボンとは逆に天才的な頭脳を持っている。顔立ちもバカボンと違ってかわいい。しかし、天才とはいつの時代も不遇なもので、ハジメちゃんも例外ではない。ほとんど活躍することなく、いつも、「パパ、がんばって」「お兄ちゃん、がんばって」と声援を送ることでお茶をにごしている。

<バカボンのママ>
 あくまでもやさしく、あくまでも家庭的な母親。不倫などという言葉はママの辞書にはない。夫に対しても母親のような接し方で、そういえば、パパとママの夫婦生活はどうなっているのだろうか。いらぬお世話である。

<バカボンのパパ>
 ダボシャツにハラマキ、ハチマキにセッタという、どうみてもお祭りで出店を開いてるテキ屋の格好である。バカボンと同じに、一年中をこの格好ですごしている。一応、職業は植木屋らしいのだが、仕事をしているそぶりはない。退屈が大嫌いの典型的なヤジ馬タイプで、他人の家庭でもすぐに顔をつっ込む。「賛成の反対」「国会で青島幸男が決めたのだ」が口グセ。

という調子なのです。おそ松くんに登場するイヤミやチビ太、バカボンに登場するレレレのおじさん、ウナギイヌのような有名キャラは当然のことながら、バカラシ記者や男ドドドブス水島牛次郎のような聞いたこともないマイナーキャラまで、総パラグラフ245の作品のくせに総勢50キャラは登場するでしょうか。
 とりあえず、見た目が汚なく、う●ことか、チ●ポコみたいな言葉がポンポン出るキャラクターが多くて、赤塚不二夫は下品キャラが大好きということはよくわかりました。(笑)


山口プリン |HomePage

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