冒険記録日誌
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| 2008年07月02日(水) |
ブラスターケリー(社会思想社) |
ウォーロック34号に掲載されている、パラグラフ127のミニゲームブック作品です。 この号のウォーロックはSF特集ということで、T&TのルールでSFをしようとか、FFシリーズにおけるSF作品の役割を書いた評論とかあるので、このゲームブックも当然のようにSF作品となっています。 ただ、この作品の主人公は元役者です。昔は開拓地の火星を舞台に悪と戦う"ブラスターケリー”という役をこなしたビデオヒーローだったのですが、その栄光も過去のものとなり、少々疲れと老いを感じるようになった単なる本名のエドワードに過ぎなくなっていたのです。しかしかつて不思議な老人からもらった贈り物の箱を開けてみると、ブラスターケリーが使っていた型の、まるで本物のようなレーザー銃がはいっていました。 こんな感じのオープニングです。銃と携えて火星にやってきた主人公は、小さな女の子と知り合い、やがて彼女をめぐる事件に巻き込まれていきます。
パラグラフ数のわりにストーリー分岐も多く、主人公の設定もあいまって冒険がなかなか面白いです。ブラスターケリーのように行動するか、エドワードとして行動するかという選択肢が何度かでてきますが、正義として戦うだけならブラスターケリーの行動を迷わずとればいいけれども、現実世界でやたら銃を振り回したりもできず、常識的なエドワードとしての行動も時にはとる必要もあるのです。 展開によってはたまに、現実から離れたというか、ブラスターケリーの世界の方が現実に見えてしまうような展開もありますが、そこがまたこの作品の特徴なのでしょう。
ルールはケリーポイントとエドワードポイントの2つのポイントを管理し、どちらかでも0になったらゲームオーバー。どちらの終わり方も、おや?と思わせるような感じになっています。無事に終盤まで進められた場合も、普通のエンディング以外にいろいろな終わり方があるので、短いながら何度も挑戦してみるのが吉な作品と思います。
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