冒険記録日誌
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| 2008年01月14日(月) |
ウォーロック 第13号 1988年 1月 |
この号は非常に思い入れがあります。なぜなら、私がウォーロックが発売されていた当時に唯一購入した号だからです。 お目当ては、特集記事「ゲームブック、これを読んだらつくれちゃう?!」。当時は無謀にも、創元推理文庫のゲームブックコンテストに挑戦しようかなとか考えていたので、その参考のために購入したのでした。 もっとも当時の私はフローチャートの作り方とか、パラグラフ番号をランダムにシャッフルする方法など、具体的な制作方法を知りたかったのですが、記事の内容は複数のゲームブック作家が、ゲームブック制作の心構えについて語るというものでがっかりした覚えがあります。そうはいっても、これはこれで非常に参考になる内容でしたので、何度も読み返したものです。 登場したゲームブック作家とは、鈴木直人・古川尚美・門倉直人・山本弘・近藤功司の5人。(敬称略) 門倉直人・山本弘・近藤功司の3人はともかく、ウォーロックのコラムに、鈴木直人や古川尚美が登場しているのは珍しくて貴重です。 各自のおおざっぱな内容を羅列すると、鈴木直人は文章力がないのは気にせずシステムを考えろという意見、古川尚美は創作側のエンターティメント精神の必要性について語る、門倉直人はすでにウォーロックに連載していた「ゲームブックシステム講座」の総編集、山本弘は戦闘システムと世界観のバランスについて、近藤功司はゲームブックのストーリーを大きく「ゲームパズルタイプ」「パラレル小説タイプ」「RPGタイプ」の3つに分けての説明、といったところでしょうか。 ちなみに、鈴木直人と古川尚美のコラムの内容は「鈴木直人伝説」のサイト内で閲覧することが可能です。ゲームブックの製作に興味があれば一読の価値はあるでしょう。
鈴木直人伝説 http://gamemaster.s2.xrea.com/suzuki_naoto/
読者コーナー「ウォーロックサロン」では、モンスターをネタにした小話をテーマに投稿が集まっている。しょうもないネタが多いが私は結構好きです。 <小話例1> まだ原型をとどめているが、そろそろ肉の部分が腐り始めた乙女のゾンビの独り言。 「そろそろお肌の曲がり角ね」 <小話例2> 夜の町で、古城で、地下迷宮で、冒険者がつきつけたニンニクをひったくりむさぼり食ったバンパイアどもは言った。 「今度はお茶が怖い」
続いて今月の「私のベストゲームブック」コーナーのランキングを抜粋。 右の投票数は過去の投票の累計数です。そう考えると全体で毎月20〜30票の投票数しかないんだなw
作品の部 1位、魔界の滅亡 27票 2位、王たちの冠 21票 3位、死のワナの地下迷宮 18票 4位、恐怖の神殿 15票 5位、火吹山の魔法使い 14票 6位、バルサスの要塞 9票 6位、ニフルハイムのユリ 9票 6位、ドラゴンの洞窟 9票 9位、鷹の探索 6票 9位、ネバーランドのリンゴ 6票 9位、七匹の大蛇 6票
作者の部 1位、S・ジャクソン(英) 64票 2位、I・リビングストン 50票 3位、J・H・ブレナン 45票 4位、鈴木直人 32票 5位、門倉直人 12票 6位、林 友彦 11票 7位、S・ジャクソン(米) 6票 8位、黒田幸弘 5票 9位、P・パーカー 4票 9位、山本 弘 4票
この号に収録されている短編ゲームブックは「バッファローズ・キャッスル」。海外作品だがFFシリーズではなく、T&Tのソロシナリオの一種で、レベル1の戦士専用のシナリオです。 ストーリーはシンプルで、宝探しの為にバッファロー城を探索するだけなのだが、内容は不条理だ。社会思想社のT&Tのソロシナリオシリーズを、一作品でも遊んだことがある人なら大体の想像がつくと思います。 気楽に笑いとばしながら遊ぶのが吉な作品ですね。
それとこの号から欄外の小さなスペースを使って、難しいくせに解答を載せていないと評判だった「魔術師タンタロンの12の難題」の謎解きの解答編が連載されています。私も本書が手に入ったらお世話になろっと。
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