冒険記録日誌
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2008年01月13日(日) ウォーロック 第12号 1987年12月

 特集記事は「コンピュータRPG、その虚像と実像」。
 大仰なタイトルだけど、内容はコンピュータRPGのオーソドックスな作品紹介を書いているだけに見える。
 もしかすると、当時としては新鮮な内容だったかもしれないけど。
 記事の中で「コンピュータRPGにまずやって欲しいのが、もう少し深い内容をもったシナリオを作って欲しいってこと。とにかくゲームブックで描かれているシナリオぐらいは表現して欲しい」なんて書かれているあたり、このころはまだゲームブックの方が、表現力やゲーム性においてまだ有利な点が多かったようだ。

 今月の近藤功司氏のコラムは、ロストワールドシリーズのお話し。先月号の「王子の対決」の話題に引き続いて、対戦型ゲームブックをキーワードに語っています。最近リメイクされて発売されたクイーンズブレイドに対して、近藤さんはどう思っているのかな。
 他には山本弘のT&Tリプレイ漫画の連載が終了したのが、なにげに残念。絵はうまいとはお世辞にもいえないけど、何となく波長が合う面白さがあったのに。
 それから前から密かに気になっていた、読者コーナーの「私のベストゲームブック」が独立したコーナーになっていました。これは読者の投票により、人気ゲームブックと作家のランキングをしてしまおうというもの。
 参考までに第12号の結果は、以下のとおり。作品の部では、鈴木直人の「魔界の滅亡」が頭一つ抜けている。作者部門ではS・ジャクソン(英)が圧勝で、他にブレナンと鈴木直人の3位争いが熱いところ。

作品の部
1位、魔界の滅亡        26票
2位、王たちの冠        16票
2位、死のワナの地下迷宮    16票
4位、恐怖の神殿        14票
5位、火吹山の魔法使い     12票
6位、バルサスの要塞       8票
6位、ニフルハイムのユリ     8票
8位、ドラゴンの洞窟       7票
9位、鷹の探索          6票
9位、ネバーランドのリンゴ    6票

作者の部
1位、S・ジャクソン(英)   62票
2位、I・リビングストン    41票
3位、J・H・ブレナン     32票
4位、鈴木直人         30票
5位、林 友彦         10票
5位、門倉直人         10票
7位、黒田幸弘          5票
8位、P・パーカー        4票
9位、安田 均          3票
9位、山本 弘          3票
9位、S・ジャクソン(米)    3票


 この号に収録されている短編ゲームブックは和製ゲームブックの「顔のない村」。社会思想社の文庫版「送り雛は瑠璃色の」にも同時収録されていました。
 舞台は日本のある田舎町だけど、怪談ものというか、和風ホラーというか、不気味な雰囲気をかもしだしている作品。
 ゾンビなどの露骨な化け物はあまりいないけど、謎めいた手紙、無人の建物、どこかぎくしゃくした電車の乗客たちと、冒険中は不安感がずっとつきまといます。FFシリーズのルールを使ってここまで出来るのは、センスがあるとしかいいようがないです。2002年03月15日の冒険記録日誌にもプレイした感想を書いてあるので、興味があれば見てください。
 創土社版の「送り雛は瑠璃色の」には「顔のない村」は収録されず、独立して復刊する予定らしいけど、一冊分になるように大幅に書き増しでもするつもりかな。新作との二本立てにしてもらった方が個人的には嬉しいけど。


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