冒険記録日誌
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2006年12月07日(木) |
SF・環状世界(刀根広篤/アポリア出版) |
3D視点の巨大迷路で構成された、ゲームブックマニアの間では、有名な「魔城の迷宮」という本がありますが、これは奥谷晴彦(HUGO HALL)と刀根広篤という方の共著です。 奥谷晴彦さんの方は、ドラゴンファンタジーシリーズのイラストを描いていた方で、これまたゲームブックマニアの間では有名ですが、刀根広篤さんの方もこちらの本を執筆されています。 さて、国会図書館で読んだこの作品。古書店はおろか、ヤフオクでも一度も出品されたのを見たことがないという、今では非常に入手困難と思われる作品です。 この作品の感想については下記のごとく、すでに詳しく書かれているサイトがあり、それを読んでいたので、ある程度は覚悟を決めて読んだのですが・・・・・・困りました。下のサイトのレビューのまさに言うとおりだったので、書くことがなくなってしまったのです。まずはこちらをご覧あれ。
TDSFのホームページにようこそ。 http://www009.upp.so-net.ne.jp/TDSF/ 第21章 珍書『SF環状世界』とSF.Q&A http://www009.upp.so-net.ne.jp/TDSF/text/goden21.html
ゲームとしてはまったく成立してない内容で、選択肢といっても何を基準にどう勧めていいのかすら、わからなかったのです。ストーリー性も皆無に等しく、全パラグラフに不思議な異世界のイラスト(たとえば人の顔の形ををした建築物や、ドーム型の建物がならぶ都市とその住民など)と、それらに添えられた意味不明な詩的なコメント(グレイルクエストの詩的魔人に負けていない)が脈絡もなく存在します。ゲームオーバーはあっても、ゴールというものはないようで永遠とページを繰り続けて、この世界に浸り続けるのがゲームの目的らしいです。 私的にはこの本はゲームブックではなく、一種のイラスト集として楽しむのが正しい気がします。もしくは前衛的手法による絵本とか。 フーゴハル氏によると刀根氏は遠近法がまったくできないイラストレーターだそうで、確かにそんな感じの絵なのですが、私はこれはこれで面白いイラストとは思いました。ボーッっと本をパラパラ眺める分はいいかな・・・と。実際私は、気に入ったイラストをいくつかコピーして、持ち帰りました。 ただ二見の迷路ゲームブック「魔城の迷宮」の作者の一人であるからと、あのような迷路ゲームを期待して必死で入手するとガッカリすること請け合いなので、そのあたりは覚悟しましょう。そんな作品。
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