冒険記録日誌
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2006年03月15日(水) たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その10──

(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)

 カラムダー港で、オークムート行きの商船に乗り込んだ私は、しばらくの船旅で休息した。
 船に乗って6日目に、海賊船に襲われる。臆病な船長は抵抗もせずに、あっさり荷物と、乗客を奴隷として海賊船に差し出すことに同意してしまった。
 じょうだんじゃないわ。私はこっそり魔法の空飛ぶ絨毯で逃げ出すと、海賊船が立ち去るのを待ってから商船に戻った。逃げるのは性に合わないけど、食料を全部食べてしまっているから、体力を節約しないと。
 しかし、被害はそれだけじゃなかった。その晩になって、他の乗客のいなくなった客室で一人で寝ていると、かすかに扉の外で船員の声が聞こえたのだ。
「あいつは金持ちにに違いねぇ。いいか。魔法を使われないうちに、すぐに口を塞ぐんだぞ」
「なーに。寝込みを襲えば、あっというまさ」
「なかなかの上玉だから、最後に俺たちが遊んでやってもいいな。ヒヒッ」
 なーに言ってるのだか。乗客を見捨てたうえに物盗りとは、こいつらも海賊同然ね。戦闘の準備を開始しましょ。

船員  技術点7 体力点6
船員  技術点6 体力点4
船員  技術点6 体力点4

 あまり強くなさそうなので、電光の術を唱えて戦った方が確実な気もするけど、体力の消耗は避けたい。ここはまた眠りの術(魔法点1消耗)を唱えると、見事に全員が眠ってしまった。
 こんな奴らに情けは無用とばかりに、トドメを刺す。

 その後は何事もなく眠り、翌朝商船はペレウスの王国に寄港した。
「この国の王は、原因不明の病気にかかっているため、治世はおなざりになっています。こんな物騒な地域は、用がすんだら早く出港しますよ」
 船長が不機嫌な声で私に言う。昨日の騒ぎを私のせいだと思っているらしい。
 このまま船旅を続けるか下船するかの選択肢だけど、私はすぐに下船した。この船の治世よりは、よっぽどましよ。

 一応、私も王女の立場なので、ペレウスの城に行き王に挨拶をすることにした。
 私はすぐに玉座の間に通される。豪華な椅子に座ったペレウス王はぼんやりした目で、私をみつめて言った。
「王家の血を引く者とな。なら兄弟よ。わが家で一夜を過ごして私の病気を治してもらえないか」
 その言葉を聞くと、家臣は私をいそいそと城の高い塔に案内して、頂上に据えられた寝室に通した。何か不吉な気配のする部屋だ。
「ここがあなた様のお部屋でございます。どうか王の為にここで一晩お過ごし願います」
 いやな予感がするけど、もう引き下がれない。覚悟を決めてベットに潜り込んだ。

 真夜中になると異常な気配に目を覚ました。天井を見上げると、燃える槍がベットに飛んでくるところだった。
 とっさに身をかわすと、槍の刺さったベットが燃えはじめる。槍は意思をもって再び私の方へ、切っ先を向けた。

槍を持つ悪霊  技術点11 体力点4

 ここは技術点11じゃ、勝負にすらならない。敵の体力点が少ないので、眠りの魔法が一番確実な気もする。
 でも悪霊が眠るなんて変じゃない?ルールに書いて無くても、ここで眠りの魔法なんて私の美学が許さないわ。
 結局、爆発の魔法を唱える。(魔法点2消耗。サイコロ一つ分のダメージを与える)
 サイコロの目は5。槍は爆発して、真っ二つに折れると床に転がった。そのまま形を変え、槍は血をたたえた聖杯と姿を変えた。
 ペレウス王に聖杯を持って行くと、王は目を輝かせながら、それを飲み干した。とたんに王の顔色はよくなり、以前より若々しくなったようだ。
「余は生き返った」
 王は喜びに身を震わせながら、私に指輪を差し出した。指輪には「地獄」の文字が彫られている。
「兄弟よ、これを受け取るがいい。そちをしっかり見守ってくれるだろう」
 私は指輪を受け取って礼を言うと、荒涼とした地に向かって旅を続ける。
 オークムート島まであと数日だ。


続く


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