冒険記録日誌
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| 2006年03月10日(金) |
たけたろうの冒険 ──FF番外・王子の対決編 その5── |
(ネタバレ注意!プレイ予定の人は読まないで下さい)
戦士の書─たけたろう─
再び馬に乗ると、私は曲がりくねった道を5時間ほど進み続け、適当な空き地でキャンプをはって、一晩をあかします。 今頃、ともみはどうしているでしょうかねぇ。
翌朝になって東へ進む道を歩き続けていると、村に入りました。 そのまま大通りの道を歩き続けていると、村の広場はちょっとした人だかりになっているのが見えます。 広間を覗くとなんと老婆がさらし首になって、みんながそれに向かって、くさった生卵や石を投げ付けているではありませんか。 「ちょっと、ちょっと、なぜあのお婆さんはあんな目にあっているのですか?」 「お前には関係ないぜ。よそ者。一緒に楽しまないのなら、さっさと失せな」 ブルル、ここの村人はおっかないです。危ない事には関わらずに、さっさと宿屋に入って、宿の主人に料金を尋ねてみます。 すると外から私の馬のいななきが聞こえてきました。誰かが私の馬を盗もうとしているのです! 慌てて宿屋から飛び出すと、馬はもう跡形もありません。がっかりして宿屋の中に戻ると、今度は宿屋においたはずの食料と金貨の入った荷物もなくなっています。 「お前の荷物?さあ、知らんな。金がないならとっとと出ていきな」 宿屋の主人はそっけなく言うと、私を無視してしまいました。なんて嫌な村なのでしょうか。 怒った私は、宿のテーブルに置かれてあった蜂蜜酒を一瓶盗み出すと、村から出て行くことにしました。
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魔法使いの書─ともみ─ げほっ、げほっ。 私は川から体を引き揚げると、土手に大の字になって体力を回復させた。 思ったより下流に流されたわね。きっと兄貴とは多分離れちゃったわ。 そのまま川に沿って歩いて下流へ向かうと、大きな湖が行く手を塞いでいました。 近くには桟橋があって、小船が舫っています。そのとき3人の男たちが、私に声をかけてきたの。 「お嬢ちゃん。金貨6枚で湖を渡ってあげるよ」 「ずいぶん、料金が高いじゃない。こんな泳いで渡れそうな湖のくせに」 私が文句をいうと、男たちはニヤニヤ笑っています。 「泳ぐのは駄目なんだな。この湖には透明な毒魚が住んでいるのさ。ま、お嬢ちゃんなら代わりに、おじさん達と遊んで払ってくれても…おおっ!!」 私は浮遊の術(魔力点3を消費)を唱えて、湖を飛び越えた。あんなチンピラを相手にする時間がもったいないわ。
湖からは森の中をひたすらに歩き続けていくと、いつの間にか夕方になってしまう。やーね。今日はこんな場所で野宿するしかないのかしら。 そのとき軽やかな歌声の合唱が森の奥から聞こえて来た。声のする方に近づくと、妖精たちが輪になって踊っている。女王らしき一羽の妖精が私に気がついたようだ。 「ようこそ、歓迎しますわ。一緒に踊りませんこと?」 私も喜んで躍りにくわわった。こうして一晩中、私は妖精たちと素敵な夜を過ごし続けた。 でもいいことばかりじゃない。とんだハプニングが起こって、大ピンチ。私は偶然にも女王の花で作られた冠を蹴飛ばし、それを踏んづけてしまったの! 妖精たちはたちまち静まりかえり、女王は私に向き直った。 「あなたは私の力の源を壊したのです。この償いをしていただきます」 女王が手をひらめかせると、私の魔力点はなんと0点になってしまった。 私は慌てて訴える。だって魔力がなくては旅ができないもの。 「待って、待って!悪い事をしたのだから謝るわ。でも、何か他に私にできることで償わせて」 私の申し出に女王は、洞窟に住むという凶暴なワイトの退治を依頼してきた。 ワイトか。魔法が使えない今の状態でまともに戦うのは、無謀ね。外におびき寄せなくちゃ。 そう思った私は女王に教えてもらった洞窟の前で、歌を歌う。
「おお、しわだらけのワイトさん、 とっても腹ペコ 寒いでしょう。 つかまえられるなら 追ってきなさい、 おまえにそれほど勇気があるなら」
途端に洞窟からうなり声が上がると、ぺちゃぺちゃと足音を立てながら、見るも恐ろしげなワイトが飛び出してきた。 急いで丘の方角へ逃げ出すと、案の定、ワイトもこちらを追いかけてきたわ。 ワイトに捕まったら一巻の終わりだから、息を切らせながら全力疾走で走る私。でも予想より、ワイトの足は速く、丘の頂上の一歩手前で追いつかれてしまった。ワイトは皺くちゃの両腕で私をつかむと、喉を締め上げながら体を持ち上げて勝ち誇る。 「さあ、お前に勇気の意味を教えてやる!」 ワイトが高らかに勝利宣言をしたとき、地平線から朝日の光が差し込んくる。ワイトは私を放り投げて、苦しみながら太陽光線に分解されてしまった。 私は安堵のため息をついた後、妖精たちのいた広間に戻ると、女王は私を祝福して(魔力点を原点まで回復させる)くれたうえ、数字の1と彫った大きな指輪をくれた。 私の旅に必要なものみたいね。ありがたくいただきましょう。
こうして旅を再開した私が広い道を歩いていると、別の方角からまったく思いもかけずに、たけたろう兄貴がやってくるのを発見。 「ともみ。会いたかったですよ!」 「しょーがないわね。またしばらくは、兄貴に付き合うわよ。まったく」
続く
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