冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2006年02月12日(日) ブラッドソード3 悪魔の爪を折れ!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その4

(ネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 エメリタスの家の玄関に訪問して、エメリタスにブラッドソードの柄と鞘を見せると、彼は驚きのあまり息を呑んだ。
「生命の剣!失われたものとばかり聞いていたが!」
「まだ刀身が見つからないのです」
 リー・チェンが簡単に事情を説明すると、エメリタスは3人を家の中に招き入れた。
「あなた方には、ブラッドソードの由来からお話ししたほうがいいでしょうね」
 この世の生と死を切り離したとき、天使長のアブデルが鍛えた2本の剣。それが悪魔の爪とも言われる“死の剣”。そしてもう一本が生命の剣、つまり“ブラッドソード”であることをエメリタスは教えてくれた。そして、ブラッドソードの刀身を探すなら、ササリアンという人物を尋ねることを勧めてくれる。そして、次の言葉で締めくくった。
「ササリアンは油断のならない人物ですが、死の剣を探しています。ですから、ブラッドソードについても知っているかもしれません。2本の剣は引き離すことのできない強い絆で結ばれていますから」

 エメリタスに丁重に礼を言って別れ、ササリアンが住むという町外れに向かう。途中でターシムの女が、2人の下品な男達に絡まれていたので助けてやろうとする。
 2ラウンドも戦っていると、いきなり閃光がひらめいて男達の姿が消えた。
 ターシムの女を振り返ると、2匹のネズミを尻尾から捕まえながら女が微笑んでいた。
「助けていただいてありがとうございます。私はファティマ。お礼に私の庭園に入る鍵を差し上げましょう。隠れ家が必要になったときにご利用ください」
 警戒をしながらも、彼女の差し出した銀の鍵をリー・チェンが受け取る。
「今のは変身の術か。ターシム人も魔法の使い手がいるとは驚きだ」
「そのようなことは別に良いではありませんか。ファティマの庭園には一匹の猿がご案内することでしょう。どうぞご無事で」
 ファティマはお辞儀をすると、静かに立ち去った。
「変な女だ」
 肩をすくめて、ササリアンの家へ急ぐ。

 ササリアンの住処は肉屋だった。大きな肉のかたまりに包丁をおろしているひげ面の男に、尋ねるとやつは黙って二階をあごで指した。
 二階に駆け上がると、扉をノックする。
「入りたまえ。お前達がくるのは、わかっていた」
 扉を開けると質素な部屋に、窓際で水煙管を吸っている男。おそらく、こいつがササリアンだろう。
 バーガンが前に進み出ると、ササリアンは厳しい視線をこちらに向けた。
「そちらは生命の剣を探している。俺は死の剣を探している。力を合わせればお互いに欲しいものが手に入るというわけだ」
「そのとおりだ、ササリアン。だが、お前はどんな力を貸すことができるのだ」
「知識だ。お前達は実行する役を頼みたい」
 すかさずササリアンが答えて、木を彫って作った小さな人形を差し出した。
「これはハチュリという。偉大な魔法使いサークナールの遺品さ。動けば、こいつが魔法の剣を探してくれる。だが、そのためにはエメラルドで出来た両目が必要なのだ。その2つのエメラルドは、はるか昔に海賊王ハンガックが、サークナールの住処から盗み出したと伝えられている」
「それでどうしろというのだ。海賊王ハンガックは5百年も前に死んだはずだ…」
「ハンガックは死んでも生きてもいない。彼の船、デビルスランナー号は、この世の終わりまで海をさまよっているのだ」
 ササリアンはしばらく沈黙をしてこちらを見つめた。そして羊皮紙に描かれた海図をテーブルにひろげる。
「俺は天体観測を重ねた結果、デビルスランナー号が現れる位置を知っている。二日後、マラジット湾から100キロほど沖の海域だ。エメラルドを取り戻したら、ハクバットの町にある“砂漠の微風館”で落ち合おう。どの道、魔法の剣達はハクバットの町にあるんだ」
「ちょっと待て。マラジット湾はここからはるか遠い。二日ではとてもたどり着けないではないか。どうやっていけばいいのだ」
 ササリアンはまたしても厳しい目を向けて言った。
「私に聞くな。それはそちらが考える問題だ」


続く


*****************************************
 ブラッドソードの逸話がもっともよくわかるシーンですが、ゲーム的には特に何もなし。
 大きな選択肢も特にないしね。ただ、ここではターシムの女を助けておかないと後でクリアが不可能になりますが。


山口プリン |HomePage

My追加