冒険記録日誌
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2005年11月12日(土) たけたろうの冒険 ──FF12・宇宙の暗殺者編 その2──

(ネタバレ注意。プレイ予定の人は読まないで下さい)


 私が潜入した場所はダクトというより、無数のパイプやコード類が床や壁を這いずっていて、保守点検用トンネルといった様子でした。巨大宇宙船ヴァンダーベッケンにふさわしく、普通に立って歩ける高さなので、体を楽にして歩き始めます。
 途中でハッチが見えたので、そっと蓋を開けてみると、怖そうな警備ロボットが立っていました。ここから出るのは怖いので、静かに蓋を戻してダクトを先に進みます。
 さらに進むとまたハッチが見えたので、そっと蓋を開けてみると、今度はネズミみたいな乗務員が2人いました。やっぱり、ここから出るのは怖いので、静かに蓋を戻してダクトを先に進みます。
 やがてトンネルは左右に伸びるトンネルと交わるT字路にさしかかりました。おまけに真正面にはまたハッチがあって、こんな看板がついています。

──危険絶大 近寄るべからず──

 試しにハッチを触って見ると、簡単に開きました。
 顔をつっこんで見ると、中は何もない小部屋で、奥の壁に金属の小さな箱が据え付けられています。誰もいないようですね。
 興味を引かれて部屋の中に入り、箱のカバーをそっと取り外すと、レバーが2本突き出しています。ゲームブックのパターンからいえば、片方が良いことが起こるレバーで、もう一つのレバーは罠ですよね。
 ちょっと、考えてから左のレバーを倒してみました。

ブーーーン、ブーーーン、ブーーーン、ブーーーン、

 倒した途端、鈍い警告音が響いて、部屋の照明が赤く明滅し始めます。
 アワワワワッ、もしかして警報器を鳴らしちゃったんでしょうか。
 手を口にくわえてしばらくガチガチ震えてしまいましたが、それ以上は何もおこりません。ホッ。
 でも、この音は何の意味があるのでしょうかね。ま、いいか。もう一つのレバーを倒しますよ。
 私がもう一つのレバーも押し倒すと、照明がストロボのように激しく点滅を始めました!同時に、宇宙船全てに響きわたるような大音量のサイレンが鳴り始め、機械の合成音によるアナウンスが聞こえました。


───自爆スイッチ起動。ターミナル機能停止。ヴァンダーベッケンの爆発まで、あと6分。


 は?自爆?
 ……。
 エエエーーーーーーーー!!!!!!なんで!なんで?こんな簡単に船が自爆してしまっていいのですか!?


───自爆スイッチ起動中。ヴァンダーベッケンの爆発まで、あと5分。


 ま、待って!私はまだ死にたくないです!
 無我夢中で部屋を飛び出して、トンネルを必死に走りはじめます。


───自爆スイッチ起動中。ヴァンダーベッケンの爆発まで、あと3分。


 トンネルは突き当りになって、そこに保守用のハッチがありました。
 迷わずその中に飛び込みます。


───自爆スイッチ起動中。ヴァンダーベッケンの爆発まで、あと2分。


 ハッチの中は円形の部屋でした。反対側の壁に扉があって「脱出艇」と書いています。
 ついてます!もうダイビングするかのように突進して扉を開けると、ありがたいことに脱出艇がありました。


───自爆スイッチ起動中。ヴァンダーベッケンの爆発まで、あと1分。


 シートに座り込み、安全ベルトを装着すると、脱出艇が発射準備に入りました。
 射出ボタンを叩きつけるように押すと、私をのせた脱出艇は5秒後に宇宙空間へと飛び出します。
 背後から衝撃派が襲ってきましたが、もう大丈夫です。背後を写すモニターを見ると、ヴァンダーベッケンが大爆発を起こして、消滅していくところでした。

***

「……というわけで、サイラスの抹殺に成功しました」
 暗殺ギルドに戻った私はボスの山口プリンさんの部屋に行きました。せっかく得意気に報告したのに、山口プリンさんは黙っています。
「どうしました?ボス」
 突然、山口プリンさんが私に掴みかかりました。
「貴様ー、お前の起こした爆発のせいで、サイラスが作った殺人ウィルスが宇宙空間に広がって、惑星に降りかかってきているのだぞ!誰がダーティペアみたいな終わり方をしろと言った!」
「だ、だってだって、サイラスのデータを調べたら“技術点9、体力点12(強化スーツを着用時)”だし、最後まで頑張って進んでもそんなの勝てないし、私、死にたくないんですもん!……キュー…」
 私は山口プリンさんに胸をつかまれたまま、気絶してしまいました。


END


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