冒険記録日誌
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2005年11月11日(金) たけたろうの冒険 ──FF12・宇宙の暗殺者編 その1──

 ここは暗殺者ギルドの本部です。
 私は一呼吸おいて覚悟を決めてから、ボスのいる扉をノックしました。
「入りたまえ」
 扉を開けると窓からの夕日に照らされた山口プリンさんが、葉巻を燻らせながらクジラのような大きな椅子に腰掛けていました。
「よくきた、たけたろう君。さっそくだが、君に次の仕事が入っている」
 山口プリンさんが、老けたおじさんの写真を一枚、私に差し出します。
「次の冒険はSF。ターゲットはこの悪魔の科学者サイラスだ。奴は今、巨大宇宙船ヴァンダーベッケンをアジトにして、惑星に恐るべきウィルスを撒き散らすと政府に脅しをかけているのだ。正面からの戦闘は、危険だからな。そこで、君の出番なのだ。密かにヴァンダーベッケンに潜入して彼を暗殺してもらいたい」
「し、しかし、ボス。たまには休暇を下さいよ。雪山から悪魔の館、果ては別次元のオーブの世界まで、立て続けに行かされてこっちはもうクタクタなんです」
 私の抗議に山口プリンさんが、ピクッとなりました。よく見ると手がブルブル震えています。あ、まずかったかも。
「このたわけ者が!どの冒険も失敗続きじゃねぇか。いいからとっとと行って来い!」
 は、はい、すいません、すいません、すいません。
 私はあわてて部屋を飛び出して、冒険の準備を始めます。


技術点  7
体力点 14
運点   7
装甲点  7
購入点  1
荷物:電撃銃、栄養剤少々


 力不足なのはわかっていますが、銃撃戦で身を守ってくれる装甲点も7点。それに冒険前に装備を購入する為に使う購入点が、たったの1点というのもつらい。電撃銃しか買えないですよ。ボスのドケチ。
 これじゃ銃をもった敵とは、なにがなんでも戦闘を避けなくてはいけません。(*)
 一通り文句を言ったところで、気を取り直して任務を開始します。
 まずはヴァンダーベッケンと巡回する補給艇に潜入して、宇宙船の船外表面まで到着。そして点検ハッチを開けて、ダクトの中をはいずるようにして潜り込むことに成功しました。
 うん、まずは上々の滑り出しですよ。


続く



*このゲームの銃撃戦では、敵の攻撃が命中すると一度にサイコロ1つ分のダメージを受けるのに対し、電撃銃はダメージ2点しか与えられない。
 また、銃の命中率は攻撃側の技術点次第(サイコロを2つ振って技術点未満の数字なら命中)なので、敵の攻撃が命中しやすい。そのダメージを防ぐ唯一の方法は装甲点のポイントの高さなのである。
 つまり、たけたろうにとっては、普通の戦闘ルールの接近戦と違って、銃撃戦がものすごく不利なのだ。


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