冒険記録日誌
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2005年11月08日(火) たけたろうの冒険 ──FF11・死神の首飾り編 その1──

 ここは…どこでしょう?
 私が目を醒ましてあたりを見回すと、もうそこは、いつもの危険で汚いタイタンの世界ではありませんでした。
 いつの間にか白くて美しい城のやぐらの上で、優雅なデザインの長椅子に寝そべっていたのです。空は青空に白い雲が漂い、やわらかな風がやさしくそよいできます。
 つややかな金色の羽を持つ鳥が、美しい声で鳴きながら飛んできて、近くの胸壁に止まりました。
「ようこそいらっしゃいました。たけたろうさん」
 驚いたことにその鳥が人間の声で話し掛けています。私はまだ半ばボケッとしながらも鳥に訊ねてみました。
「わたしはどこにいるのですか」
「ここはあなたの世界から遠く離れたオーブという世界です。そして今、あなたは神の園にいます。ご主人達があなたを待っています。さあ、ついておいでなさい」
 私はなかば夢うつつのまま、飛んでいく金色の鳥について歩いていきます。
 まもなく二人の人物が私を出迎えてくれました。どちらも顔も年齢もはっきりしない、不思議な姿をしています。これがこの世界の神々の姿ということなのでしょうか。二人が口々に私に語りかけます。
「よくぞいらした、運命の騎士よ。今、この世界は重要な危機に見舞われているので、お前を呼んだのだ」
「そう、神々の園にすむ私たちは介入できないことなのです」
「だから、お前を我々の道具として使うことにした。期待を裏切らないでくれたまえよ」
「さあ、あなたをオーブの人間達の世界に降ろすことにしましょう。死神の手におちないように気をつけてね」
 ちょ、ちょっと待って下さい!何を勝手なことを言っているんですか。それに誰の手に落ちるですって?
 私の抗議に耳も貸さずに、その人たちが頷くと私は意識を失いました…。

技術点  7
体力点 14
運点   7
荷物:剣、皮鎧、ツキ薬、食料(10食分)、松明(5本)、火打石


 気が付くと私は、どこかの石造りの地下迷宮の中にいました。
 迷宮のところどころに設置されている松明のおかげで暗くはありませんが、時おり恐ろしげな怪物の咆哮が聞こえてきます。
 そして何人もの人間が走ってくるような足音が聞こえてきました。こっちへ真っ直ぐ向かってきます。
 慌てて反対側の方角へ逃げ出そうとしたら、ドスンドスンと石壁が落ちてきて退路を断たれてしまいました。わけがわからないまま、いきなり大ピンチです。
 やがて私の目の前に、弓をもった女戦士、銀の鎧に身を包んだ屈強な騎士、仮面をかぶった魔法使いらしき人、十字架を首にかけた太った僧侶の四人があらわれました。
「もうすぐあいつらに追いつかれるぞ!ちくしょう、このままでは我々の努力が水の泡だ」
 銀の騎士が叫んでいます。女戦士は私に気がついたようです。
「誰?あなたはこんな邪悪な洞窟でなにをしているの」
 四人の視線がいっせいに、私にそそがれました。
 どうやら危険な人達ではなさそうです。ちょっと格好つけて見ましょうか。
「えっへん、私は悪と戦う為にここに参上したのです!」
 みんなポカンとした表情になりました。
「あなた、たった一人で?ねえ、本当かしら」
 女戦士が僧侶に問い掛けるように振り替えると、なにやら僧侶が呪文を唱えました。
「嘘だ」
 みんなが睨みつけるように、私に近づいてきます。
 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!本当はここの世界の神様に無理矢理、つれてこられたのです。許して下さい!
 私が半べそになって弁解をすると、僧侶がまた呪文を唱えてそれからごにょごにょ相談をし始めました。
 私がそわそわしていると結論が出たのか、四人は再び私に向き直りました。魔法使いが語りかけます。
「どうやらそれは本当のことらしいな。神々が我々の為にそなたを使わせたのだろう。我々は、この世を死の世界へと変貌しようと企む死神と、戦っている十字軍なのだ」
 騎士がルビーに髑髏を掘り込んだ首飾りを、高々とかかげました。
「そして、ついに我々は奴の力の源である、この首飾りを奪うことに成功したのだ!だが、払った犠牲は大きく、十字軍も生き残りは我々四人だけとなった。ここにも怪物どもがほどなく押し寄せてこよう」
「首飾りは、この世の方法では完全に消滅させることはできないの。だけど、別次元の世界、例えばあなたの住んでいた世界にこの首飾りを持っていけば、首飾りの力を死神は利用できなくなる。だからこの首飾りをあなたが持っていって。頼んだわよ」
「ここに金貨10枚があるから、君にあげよう。我々を失望させないでくれよ」
 怪物の咆哮が急に大きくなってきました。女戦士と騎士が、走ってきた方向へ振り向いて剣を構えます。
 ほどなくダークエルフとトロールの群れが、登場してきました。
 魔法使いが火の玉を飛ばし、騎士と女戦士は果敢に剣を振るいます。しかし、多勢に無勢です。いやです。このまま、死にたくないです!
「頼むぞ。我々に代わって使命を果たしてくれ!」
 僧侶が呪文を唱え終わると、私はまたしても意識を失いました。

続く


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