冒険記録日誌
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2005年11月03日(木) たけたろうの冒険 ──FF10・地獄の館編 その3──

 そろそろと右手側に廊下を進んでいきますと、途中で扉にゆき当たりました。
 扉には<アザツェル>と書かれた表札がかかっています。そっと覗きこむと、安心したことに誰もいません。
 でも骸骨の標本がおいてあったり、ガラスの試験管が転がっていたり、望遠鏡が設置してあったり、まるで学校の理科室のようですね。
 好奇心には勝てません。少しだけお邪魔させてもらいますよ〜。
 中身の入っている試験管に興味を出てきました。何本かの試験管の中から黄色の液体を選んで飲んでみると、レモンジュースのような味がしました。ちょっとスッキリしたところで、ギクッとします。部屋の外から足音と人の話し声が聞こえてきたのです!慌てて物陰に隠れましたが、思わず手の先を口に咥えながらガチガチと震えてしまいます。祈りも虚しく足音は部屋の扉の前で止まりました。絶体絶命!
「ご主人さまの許可を得た方がよくはないか?」
「そうだな。それにランプの明かりも用意した方がよさそうだ」
 安心したことに、謎の住民達は扉を開けずにもとの方へ廊下を引き返していったのです。
 完全に足音が消えるまで待って、そぉっと彼らと反対側の方向へ進みます。

 廊下は頑丈な木の扉が設置しるところで、行き止まりになっていました。<アポリヨン>と表札がかかっています。
 うーん、どうしましょうか。ここで引き返してさっきの住民と鉢合わせになるもの嫌ですしねぇ。
 そのとき、突然廊下にかかっていた壁掛けがガタガタ揺れはじめました。
 キャッ!と叫びそうな衝動を、両手で口を塞いで必死に押し殺します。おちつけおちつけ、ただの風のしわざですよ。怖がることなんかないじゃないですか。
 気を取り直して視線を扉に戻すと、目の前に白い霞のような女性の幽霊が立っています。
 ちょ、ちょっと、おしっこが少し漏れちゃったじゃないですかぁぁぁぁわわあわわわわわわわ。恐怖点も1点ふえちまったですよぉぉおおお。
「落ち着いて。あなたのためにもすぐに聞いてもらいことがあるの。さあ、早く部屋に入ってちょうだい」
 幽霊の女の人はそういうと、すぅ、と扉の中に吸い込まれていきました。
 意外に冷静な幽霊の声に、気を取り直して部屋に入ることにしました。

「あなたがここへ来たのは偶然ではありません」
 彼女は私は部屋のベットに腰掛けさせると話し始めました。
「この館の主人はドラマーの伯爵、ケルナーという黒僧。黒ミサを取り仕切る邪悪な者なのです。あなたも遅かれ早かれ悪魔への生贄にされることでしょう。今晩も彼らは、何も知らずにこの地を訪ねた美しい乙女を捕らえ、生贄にしようとしています」
 あ、あ、悪魔の生贄ってなんですか、善良な小市民な私がなぜこんな目に、ますます早く逃げなきゃとんでもないことに
「こんなことは止めなくてはいけません!」
 話しを聞け!と言わんばかりに彼女は大声になり、私はしゅんとうなだれます。
「その方法はクリス・ナイフを見つけるのです。クリス・ナイフだけが、ケルナーを倒す唯一の武器となるのです。そのナイフの場所は…いけない!逃げなさい!」
 獰猛そうな犬が二匹、どこからかあらわれて彼女に飛び掛ってきました。よく見ると犬達の体も透けています。おそらく彼女と同じ幽霊なのでしょう。
 彼女が犬達に噛みさかれて徐々に姿が消えていきました。最後まで見届ける前に部屋を飛び出してバタンと扉を閉め、大きく深呼吸をして息を整えます。
 ここでの選択肢は「彼女の頼みを聞いて、手助けしようと廊下に戻るか」と「まずこの館から逃げ出すことを考えるか」の2つです。
 考えるまでもなく、真っ先にこんな所から逃げ出したいです!本音は!でも今までの経験上、きっとそんなことをしても、うまく行かないのはわかっています。こうなったら先にクリス・ナイフを探すしかありません。
 泣く泣く廊下に戻り、さっきの部屋の方へ向かって引き返します。
 くすん。ケルナーより、真夜中に私を呼び出した山口プリンさんの方が憎いです…。

続く


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