冒険記録日誌
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2005年11月01日(火) たけたろうの冒険 ──FF10・地獄の館編 その1──

 嵐の夜、私は人里離れた山道を車で走っていました。まったく、山口プリンさんはいつも急に呼びつけるんだから。ぶつぶつ。
 おまけにさっきから見覚えのない道が続いています。1時間程前に通り過ぎたわかれ道で、白髪のお爺さんに道を尋ねたのですが間違っていたようです。お爺さん、ボケていたのかな。それともからかわれたのかな。思い起こえば、なにかイタズラっぽく笑っていたような気もします。
 そのとき、視界に急に人影が入ったかと思うと。フロントガラスにせまってきました。
「危ない!」
 私は急いで車のハンドルをきりますが間に合いません!凄まじい衝撃とともに車は停止しました。
 ハンドルを握ったまま、体が硬直しています。恐る恐る目を開けると、視界が斜めに傾いています。車は路肩の溝に落っこちたようです。幸い怪我はどこにもありません。
 我に返ると急いで車を出て、あたりを見回しますが誰もいません。さっきは確かに誰をはねてしまった手ごたえがあったのに。人影の特徴までくっきり覚えています。たしか白髪のお爺さんの・・・

 ぶるる!そんな馬鹿な!
 とりあえず車内に戻って考え込みます。きっと運転疲れで頭が混乱しているのです。車のエンジンを動かそうとしましたが、車はうんともすんとも動きません。
 携帯電話なんて気の効いたものは持っていないですし、ここは町から相当に離れています。外は豪雨。もう泣きそうになりながら、あたりを見回すと、少し先の家の明かりが灯っているのに気がつきました。
 電話でも貸してもらおうと、私はレインコートを着て、その家に向かいます。特に所持品はもっていません。


技術点     7
体力点    14
運点      7
恐怖限界点  7
*武器もないので、戦闘時は−3のペナルティ。
*恐怖点は0からスタート。限界点を超えるとショック死するシステム。


 家は少々古びていましたが大きな立派な屋敷です。なんとなく気圧されて息をのんだあと、私は玄関の呼鈴を鳴らしました。
 やがて執事が現れました。事情を話すと応接間に通してくたうえ、屋敷のご主人(ドラマー伯爵と名のっていました)が、食事を出して私をもてなしてくれました。
「赤ワインと、子羊の肉はお気に召しましたかな」
 夢中で食事を食べている私にドラマー伯爵が聞いてきました。こくこくと急いで頷くと、残ったご馳走をたいらげにかかります。ズブ練れになっていたさっきまでとは地獄と天国の差です。
 それから電話を借りなくちゃ。さっき部屋を見回したかぎりでは見つからなかったのですが、どこにあるか聞いてみましょう。
「でふんわをかふいてほぶいのでぐが」
「口の中のものを食べ終わってから話してくれたまえ。電話かね?あいにくこの嵐で電話も不通になっているので、今夜は我が家でくつろいだらいい。朝になったら誰か修理屋まで使いを出させましょう」
 ドラマー伯爵はそういって、微笑んでくれます。でも威厳のある顔立ちなので重々しい表情ですね。
 最後に食後のコーヒーと果物とブランデーを食べて飲み終わると、執事がベットのある部屋へと私を案内してくれました。疲れていたのでぐっすり眠ることにします。


続く


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