冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2005年10月07日(金) レイデルの洞窟(ジーニー・ブラック/世界文化社)

 皆様お待たせしました。ハーレークインゲームブックとして名高い、愛のアドベンチャーゲームブックシリーズ第三巻の紹介です。
 この巻でついにシリーズが全て揃いました。例えゲームブックコレクターでも、この全四巻(幻影の島・バルデガードのお守り・レイデルの洞窟・運命の巻き物)揃えはなかなか持っていないのでは?ましてやシリーズ全部の感想を書き終えたサイトは、日本広しといえどもこの冒険記録日誌だけでしょう!って胸をはることでもないか。

 さて、本書の主人公は宝石細工師の娘シャンデル。シリーズ他の主人公の女性達(第一巻の主人公は戦士、第二巻はドルイド、第四巻は魔法使い)にくらべ一般庶民に近い普通の娘みたい。そのかわり様々な魔法の力の込められた宝石をいくつも持って、これを頼りに冒険をするわけです。
 物語は、財宝に目がないレイデルというレッドドラゴンに父親をさらわれたことから始まります。ただ1人残されたシャンデルは父親を取り戻そうとするのですが、そんな彼女に2人の戦士が助力を申し出てきます。
 1人はまだ冒険者になりたてのドジで田舎者な若者コーエン、もう1人はかなりのプレイボーイっぷりを発揮しているキザ男トーベックです。読者的にどちらも魅力的な男とはどうにも思えないのですが、しばらく冒険を共にすると主人公がコーエンと恋に落ちるというのはこのシリーズのお約束です。あと、ハーフリング(ボビット)の女盗賊も仲間になるのですが、全然目立ちません。
 そんなに長い物語ではないぶん、選択肢によってストーリーは大きくかわり、同じドラゴン退治でもまったく別物の展開が複数用意されています。難しいルールは一切なく、純粋な分岐小説タイプなので、さくさく読むことができます。
 小説志向の強い作品なのでノーヒントのまま選択肢を選ぶということは少なく、一応読者の決断を重視する作りにはなっていますが、「彼の言葉とおりにするか」という選択肢が多かったり「キスをするかどうか」という選択肢があるのがハーレークインらしい。しかもそうゆう選択肢の方が何気にクリアへの重要ポイントだったりするのです。
 それから数多く分岐しているストーリーの中には、コーエンがほとんど登場しないものも用意されていて、そこでは他ではどちらかというと脇役(かませ犬役?)っぽかったトーベックと結ばれるハッピーエンドが用意されていました。おめーは、身近にいる男なら誰でもいいのか。
 シャンデルに限らずこのシリーズのヒロインって、ものすごく恋に飢えてますねぇ。恋に恋するというか。本書のターゲット読者がそうだろうから、そうなのかもしれないけど。
 なんといいますか卵から孵って最初に見たものを親と認識する雛鳥を連想します…。


山口プリン |HomePage

My追加