冒険記録日誌
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| 2005年06月19日(日) |
盗賊都市(イアン・リビングストン/社会思想社) |
典型的なFFシリーズの作品ともいえるゲームブック。たけたろう君がいつもヒドイ目にあっているリビングストン作品の代表作です。 もっとも町中がでの冒険が中心という点ではこれもFFシリーズでは珍しいかも。ポートブラックサンドという港町が舞台なのですが、これ以降のFFシリーズではこの世界の代表的都市として度々名前が登場したり、この町に主人公が訪れるなど、FFシリーズの世界を広げる重要な作品ともいえます。 雑多な町並みには物乞いや追いはぎがウヨウヨしています。すごく危険で汚らしい町なのですが、人々には活気があってそんな町をさまようだけで楽しいのですよね。おかげでボスキャラのザンバー・ボーンがFFシリーズ一影の薄いキャラになってしまったのは、ゲームブックファンの中では有名な話しです。(笑) たけたろうでもそこそこ冒険が進められたので、リビングストン作品の中では珍しく戦闘バランスが易しめだと思って確認してみたところ、悪玉のザンバー・ボーンの塔へ向かう途中で、奴の配下の2頭のムーンドックと避けられない戦闘があるのに気が付きました。
ムーンドック 技術点9 体力点10 ムーンドック 技術点11 体力点9
たけたろうでなくても、低い技術点で終盤まで頑張った読者を打ちのめすような強敵です。ネタバレ防止のために書きませんが、ニコデマスの物忘れのおかげで最後は運任せな選択肢を選ばないといけないし、リビングストン作品のゲームバランスの破綻は、このころからすでに始まっていたようですね。(苦笑) まあ、この作品はその欠点を補ってあまりあるほど、ポートブラックサンドの描写が素晴らしいので人気があるのだろうと思います。 個々のゲームブックの完成度はジャクソン作品の方が上だと思うのですけど、FFシリーズの中心となるのは、やはりリビングストン作品の方なのでしょう。
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