冒険記録日誌
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2005年06月17日(金) 続・悪夢のマンダラ郷奇譚 その14

(ネタバレ注意。プレイ予定の方は読まないで下さい)

 意識がだんだん戻ってくる。すっかり見飽きた、草でできた動物の巣のような場所で私は真っ裸で寝ていた。傍らにはゴリラが幸せそうに寝ている。今度こそ、これで最後だ。
 すぐに巣から抜け出して棍棒を手に入れ、原住民らしい男達にトーテムはサメと答え、勝負を申し入れてきた1人を打ち負かすと、勇者の剣を手に入れた。魔女ランダのところで勇者の剣で脅して媚薬を剥ぎ取ると、意気揚揚と森を抜け、霧につつまれた墨絵のような山岳地帯に入りこみ、行商の太ったおばさんを無視してどんどん進み、仙人ところでご機嫌をとって浮遊の術を教えてもらい、別れて山を下って、草原地帯で羊飼いの少年に媚薬を渡し、毛皮の服を手に入れ、氷の海をわたって、海の女神にゴールドサーモンをもらう。そして違うルートを通って最初の陸上に戻り、神殿で謎の呪文らしきものをを覚え、アラブ風の町で毛皮を売って、羊を買い、狼地帯を抜けて、ディッグ博士にヒントをもらったあと、ドラゴンに出会ってゴールドサーモンと金貨11枚を交換。
 続いてスフィンクスの謎解きを解いて助言をしてもらう。砂漠の行商人から、金貨10枚で潜水服を購入すると、浜辺の手荷物預り所で勇者の剣を預けて、海にダイビング。小さな小島でレオタードを取ると、カヌーに乗って脱出。勇者の剣を回収すると、灼熱地獄へ進み、亡者どもを退けていよいよ2つの扉の前に立った。

 獣の顔ような紋章がついた扉を開けると、鏡の部屋だった。出口はない。気が付くと入ってきた扉も消えていた。
 鏡にあのお馴染みのゴリラの姿が見える。他にオオカミも。トラも。チェンソー男も。
 ありとあらゆる光景がめまぐるしく鏡にうつっては、徐々に存在感を増してくるではないか。よくわからないが危険な状況には間違いない!
 スフィンクスの助言にしたがって、必死で神殿の呪文を唱える。

「ゴデワレニデワレゴデワレニデワレ!」

 鏡は粉々に砕け散り、あたりは静寂と漆黒の闇に包まれる。
 またしても阿弥陀様のところへ戻ったのかと、心配しはじめたころ、遥か上の方で光が差し込んだ。見上げると上空に光輝く赤ん坊が浮いていた。
 赤ん坊は見る見る成長し、私の姿になっていく。

───あれが生まれ変わった私だというのか。ではここにいる私は、なんだというのだ。
───それにどうやってあそこへ行けばいいのだろう。

 ふと気が付いて苦笑いをした。今度こそ浮遊の術を使えばいいじゃないか。
 冒険の終了を確信して術を唱えると、体は重力に逆らって上昇しはじめる。
 そして眩い光に溶け込んだところで私は意識を失った・・・。


 電柱の傍のゴミ捨て場の傍で、ぼんやりと立っている自分に気が付いた。
 なにがあったのか。
 なんにもあるわけがない。たぶん、ちょっとしためまいだろう。仏壇から転がり落ちた阿弥陀像を拾おうとしただけじゃないか。軽く頭を振ると、転がっていた阿弥陀様の像を仏壇の中に入れ直す。
 なぜだかわからないが、生まれ変わったかのように気分がいい。きっとこれからいいことが起こるだろう。どういうわけかそんな予感がする。
 私は鼻歌を歌いながら仏壇の前を通り過ぎ、我が家に帰るために足取りも軽く歩き始めた。



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