冒険記録日誌
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2005年06月02日(木) ランナウェイ・ボーイを捜せ(ヘザー・フィッシャー/サンリオ文庫)

 女性向けのゲームブック。他のサイトで見かけた感想では、ハーレクイン系ゲームブックと評している方もいますが、そんなに恋愛要素はありません。少しはあるけどあくまでも添え物程度。世界文化社の“愛のアドベンチャーゲームブック”シリーズに比べればまだまだ甘いです。(苦笑)

 主人公は探偵事務所に勤める探偵見習いの女性。彼女が初めてまかされた人探しの依頼を達成するのがゲームの目的です。ルールは簡単ですが、星座や生年月日を使ったラッキーナンバーなど、判定につかう材料がいかにも女性読者向けです。
 捜すべき相手は莫大な遺産を相続する権利があるのに、ミージシャンとして海外をライブ演奏にまわっている奔放息子、アラン。指定された期日までに、アランが家に帰らないと、遺産は金にだらしのないと評判の弟、ボビーが相続するのだそうです。読者的には、そんな大事な時期に海外で遊び呆けている兄の方も目くそ鼻くそだと思うのですが、これも仕事の依頼ですから割り切っておきましょう。
 見習いに任せるような仕事なので、探偵といっても関係者に聞き込みをすれば、すぐにアランの居場所はわかります。しかし到着すれば、アランは一足違いで次のライブ開催地に旅立ってしまっていたとか、もどかしい展開が続きます。
 やっとアランを捕まえたら、彼は財産なんていらないなんて抜かしてくれます。しかも性悪女に惚れこんでいる状態なのです。性悪女がアランに家へ帰るように説得してくれるのですが、これはこれで明らかに財産目当てという感じで嫌ですねーーーっ。
 女性探偵としては、感情を挟まずに使命達成を優先するか、アランの目を醒まさせるべきかが悩みどころ。性悪女とアランの結婚式を中断させる主人公のアイデアがあまりに大胆かつあっさりな展開だったので、ちょっと笑ってしまいました。

 それにしてもゲームブックだから最後まで読めるし、そんなに悪い出来でもないけど、もしこれが小説だとすれば淡々と進行しすぎて、ちょっと退屈なストーリーに見えるかも。
 ゲーム性よりストーリー重視のゲームブックにするなら、普通の小説でも通用するくらいにしっかり書かんかい!とも思ってしまいました。


山口プリン |HomePage

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