冒険記録日誌
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| 2005年05月08日(日) |
たけたろうの冒険 ──FF2・バルサスの要塞編 その4── |
階段を登りきった踊り場に、分厚そうな金属の扉がありました。 扉には数字を合わせる回転錠がついています。図書館で書いてあった数字に合わせると・・・カチッ。 開きました。いよいよ、バルサル・ダイアとご対面です。 体が震えてきます。武者震いじゃありません。怖くておしっこがもれそうです。今の私は技術点5、体力点7、運点6なんですからね。焼け石に水ですが“体力増強”の術で体力を完全に回復させておきます。 深呼吸をして・・・入りますよ・・・。 いきなり私の首に向かって三叉の鉾が飛んできました! とっさに避けようとします。運試しは吉。鉾は私の額をかすめて(体力点−2)落ちました。 部屋の中央にいたのは、まさしくバルサス・ダイアです。身長は2メートルくらいで、雄牛のような立派な肩をしています。戦闘用の皮上着をきて、魔法使いというより百戦錬磨の戦士みたいです。 「なまいきな下郎め。このバルサス・ダイアにかなうと思っているのか」 バルサスがパチンと指を鳴らすと、醜悪な化け物がこっちに飛び掛ってきます。鉤爪獣です。 慌てて“骨抜きの術”を唱えますと、鉤爪獣は自分の体重に耐え切らずに、鳴き声をあげて床に崩れおちます。とっさに駆け寄って、心臓を一突きしてトドメを刺しました。バルサスはちょっとびっくりしたようです。 「ほう!他の者より強いつもりでいるのか」 いえいえ、滅相もない!でも相手が油断している今のうちに反撃したいところです。“千里眼の術”でバルサスの心を読み取ろうとします。
──テーブルの下の図面、悲鳴と恐怖、目もくらむ光、バルサスのはめている指輪、鋭い剣、そして私自身──
ふいに何も心が読めなくなりました。バルサスが怒っています。 「バルサス・ダイアの心を読むでない!」 バルサスが片手を上げると激しく動しました。急に大地震でもあったかのように、部屋が揺れ始めます!もう立っていられません! バルサスは部屋の揺れにもかかわらず、しっかりした足取りで尻餅をついた私に近づいてきます。 に、逃げなくちゃ。“浮遊の術”を唱えると、私は部屋の中に浮かび上がりました。これなら揺れは関係ありません。 私はバタバタと泳ぐように、必死で窓際に逃げ始めました。チラリとバルサスを見ると、目が乳白色に輝いています。 何か魔法を使うようです。何とかしてあの目を隠さないと!非常に危険です! もう無我夢中のやけくそで、私はカーテンをひっぺがして、バルサスの頭にかけようとしました。すると!
カーテンの外れた窓から眩しい朝日の光が、差し込んできたではありませんか。いつの間にか朝になっていたようです。バルサスが太陽の光に当たって苦しんでいます! 「貴様。カーテンを・・・。こんな馬鹿な。このバルサスが!このバルサスがあぁぁぁぁ!!!!!!」
ボッッシュウゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!
バルサスの体は崩れおちました。
ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド(特に意味のない効果音)
「か、勝ちました・・・」 私の目には涙が浮かんでいました。この貧弱な私がですよ。柳谷を救った英雄になったんですよ。 私は残った“浮遊の術”を使って、要塞を脱出しました。私は今回の冒険でちょっぴり成長したような気がします。ああ、朝日がこんなに美しいなんて、素晴らしい気分です!
完
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