冒険記録日誌
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| 2005年04月27日(水) |
悪夢のマンダラ郷奇譚 その12 |
(ネタバレ注意。プレイ予定の方は読まないで下さい)
意識がだんだん戻ってくる。すっかり見飽きた、草でできた動物の巣のような場所で私は真っ裸で寝ていた。傍らにはゴリラが幸せそうに寝ている。 バナナを食べるのを我慢してさっさと巣から抜け出す。すると手ごろな武器になる棍棒を発見した。 巨大な木々のそびえる熱帯ジャングルをあてもなくさまよう。 予想どおり、前方から数人の原住民らしい男達がやってきた。トーテムは何かと聞かれるので、サメと答えてみる。 「サメだと。サメのトーテムの者は我らが仇敵。我らと勝負せよ」 男達の1人が槍をかまえて、私に向かい合った。他の男達はじっと見守っている。 私は相手の胴を目掛けて棍棒を薙ぎ払った。都合の良い事に棍棒は相手の槍を弾き飛ばしたではないか。ラッキー。 「むぅ、さすがはサメのトーテムの者だ。ここは負けを認めよう。だが、これ以上南に行って我らの村に近づかないでくれ」 原住民の男達の願いを聞かずにさらに村に進んでみようする。 「ちょっと、待ってくれ」 男達が嘆願するが、誰も私の決めたことを留めることは出来ない、と言い放ってニヒルに笑ってみせた。内心はビクビクものだったが、男達は私のそんな態度に感銘を受けたようだ。 「君こそ勇者の資格がある。この剣を持っていきなさい」 そういって差し出されたのは勇者の剣。なんとこの選択肢でも勇者の剣が手に入ってしまったのだ。こうなるとスフィンクスの3問目の答えがわからなくなってきたぞ。 とにかく剣と腰蓑をもらった私は、魔女ランダのところへ行った。勇者の剣で脅して媚薬を剥ぎ取ると、意気揚揚と森を抜ける。
道はやがて、霧につつまれた墨絵のような山岳地帯に入りこんできた。裸の身には霧が寒くてこたえる。 途中で行商の太ったおばさんが道の向こう側からやってきた。おばさんは立ち止まって、私をじろじろと眺めて言った。 「まあ、あんたはなんて格好をしているんだね。そんな姿で王様の宮殿に行きでもしたら、すぐ捕まってしまうよ!ちょうど売り物のチャイナ服があるから買わないかい」 今回はおばさんからチャイナ服を強奪するという選択肢を選んでみた。おばさんはあっさりひっくり返って、手足をジタバタとさせる。意外にも何も失わずに簡単にチャイナ服が手に入っではないか。 まるでチャイナ服はオーダーメイドのように体にピッタリとして着心地がいい。まだ起き上がれないおばさんの罵り声を無視して、さらに山を登りつづけた。 やがて道が分岐していたので、今度は仙人に会う道を進んでみる。チャイナ服を失っても、もっと他の質問をしてみたい。 すると道幅が徐々に狭くなってきて崖にへばりついているような格好になってきた。もはやロッククライミングだ。引き返す選択肢もあったが、少し意地になって先へ進む。 ああっ、足が滑ってバランスが崩れて、霧の谷へまっさかさまに落ちていった。 私の意識も深いモヤに包まれる。
どのくらい気を失っていただろうか。 気がつくと私は白いフワフワしたものの上に横たわっていた。気絶している間にチャイナ服は脱がされて、かわりにドテラのような着物を着せられていた。 「気がついたようじゃの。わしもどうせ暇じゃから、ゆっくりしていきなさい」 私に話し掛けてきたのは、杖を握ってローブを着た白髭の老人という、いかにもな姿をした仙人だった。その姿を見て、ここが雲の上にいるのだというのが徐々に理解できてきた。 「どうじゃ、しばらくわしと話しでもせんか。質問があったらなんでも聞いてよいぞ」 今度はあの無くなったチャイナ服はどうしたかと聞いてみる。 「なんとバカな質問じゃ。チャイナ服を着ていたということは、お前さんがトンマか強盗犯ということじゃろ。それを質問までするとは恥ずかしいとは思わんのか」 仙人の機嫌が悪くなっていく。だけど私も納得できない。質問を変えずに尚も問い詰めると、仙人は面倒くさそうに話した。 「わかった。わかった。教えてやる。あの服はもともと盗品じゃから、持ち主のエンマの側近の所へ返したまでよ」 するとあの行商のおばさんは食わせ者だったわけか。仙人はニヤリとして続けた。 「しかしお主のようなしつこい奴はマンダラ郷では見込みがある。良い事を教えてやろう。この世界では服の格好などどうでもいいのだ。衣服は身を守るためにのみ必要とされる。熱くても平気な服、寒くても平気な服、水中でも平気な服を手にいれないと脱出はおぼつかんだろう」 良いヒントを聞いた。礼を言って仙人と別れ、山々をくだって草原地帯へ進んでいく。 前回と同じ道を選ぶと、羊飼いらしき少年がしょんぼりと座っているのが見えた。 何を悩んでいるんだいと聞くと、もうすぐ親の決めた相手と結婚しなければならないのだという。 「相手は美人で気立てもよくて僕のことを慕ってくれる。でも僕は女が嫌いなんだ。あーあ、惚れ薬でもあったら僕が飲んで簡単に解決するのに」 なんてワガママな、という気持ちを抑えて持っていた惚れ薬を差し出してみる。 少年は媚薬を受け取ると礼を言ってそそくさと立ち去ろうとする。 今度はそのまま黙って見送った。 やっぱり損したかな、と一瞬後悔したが、少年のいた場所に皮袋があるのに気がついた。やった、少年の忘れ物だ。開いてみると中身は毛皮でできた分厚い服や暖かそうな帽子などだ。きっとこれが仙人の言っていた“寒くても平気な服”だ。 一旦引き返して、以前の冒険で進めなかった徐々に寒くなっていく道を歩いていく。 当然のように吹雪が襲ってくるが、毛皮の服のおかげで寒くない。やがて道は海につきあたって途切れた。あたり一面が氷に覆われた白い海だ。 よく見ると、ところどころ氷が割れていて危険そうだが、ここで引き返しては“寒くても平気な服”を手に入れた意味が無い。きっとこの先に何かがあるはずだ。 正面と左右に海が広がっている。息を飲んで覚悟を決めると、正面の方向を選んで歩いてみた。 突然バリバリバリバリと氷が割れて、体が235まで落ちていく。
235
「あーあ、やられてしまったのか。そなたは、まったく救いがたい奴じゃのう」 意識を取り戻すと、暗闇の中で、あのゴミ捨て場で出会った阿弥陀様がぼやいてた。しかし、今度は様子がおかしい。 「もう一度パラグラフ1へと進んでやり直してもらいたいところじゃが、予想以上にお主の冒険が進まんので4月分の日記がそろそろいっぱいなのだ。今回の冒険はこれくらいにしておこうの。日記でこのネタが再開するまで、しばらく眠っておれ」 そんな!私はいったいどうなるのだ。手抜きだ。無責任だ。閲覧者も納得しないぞ。本当にクリアしたのならちゃんと最後までやれ! 思いつくままわめいていみたが、阿弥陀様が厳かにつげると視界は闇に包まれてしまった。
(また会える日までさよーならーとごまかしつつ)完
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