冒険記録日誌
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2005年04月26日(火) 悪夢のマンダラ郷奇譚 その11

(ネタバレ注意。プレイ予定の方は読まないで下さい)

 意識がだんだん戻ってくる。すっかり見飽きた、草でできた動物の巣のような場所で私は真っ裸で寝ていた。傍らにはゴリラが幸せそうに寝ている。
 バナナをムシャムシャと食べてから巣から抜け出し、巨大な木々のそびえる熱帯ジャングルをあてもなくさまよう。
 予想どおり、前方から数人の原住民らしい男達がやってきた。トーテムは何かと聞かれるので、今度はヘビと答えてみる。
 すると男達は歓迎して村に招いてくれた。酒やら蒸した芋やら豚肉を振る舞われる。これもムシャムシャと食べた。
 世話になった礼をいって、村から出て行こうとすると、案の定だが男達は私を呼び止める。
「ちょっと、待て。これから旅を続けるのならどんな魔物にであうか分からない。この剣を持っていきなさい」
 こうして勇者の剣とついでに腰蓑をもらった私は、魔女ランダのところへ行った。勇者の剣で脅して媚薬を剥ぎ取ると、意気揚揚と森を抜ける。

 道はやがて、霧につつまれた墨絵のような山岳地帯に入りこんできた。裸の身には霧が寒くてこたえる。
 途中で行商の太ったおばさんが道の向こう側からやってきた。おばさんは立ち止まって、私をじろじろと眺めて言った。
「まあ、あんたはなんて格好をしているんだね。そんな姿で王様の宮殿に行きでもしたら、すぐ捕まってしまうよ!ちょうど売り物のチャイナ服があるから買わないかい。ぎゃあ!」
 今回もおばさんからチャイナ服を強奪する。まだ起き上がれないおばさんの罵り声を無視して、さらに山を登りつづけた。
 仙人のいる方へ向かうとチャイナ服が没収されてしまうので、草原に向かう。
 今度は羊飼いらしき少年がしょんぼりと座っているのが見えた。
 何を悩んでいるんだいと聞くと、もうすぐ親の決めた相手と結婚しなければならないのだという。
「相手は美人で気立てもよくて僕のことを慕ってくれる。でも僕は女が嫌いなんだ。あーあ、惚れ薬でもあったら僕が飲んで簡単に解決するのに」
 なんてワガママな、という気持ちを抑えて持っていた惚れ薬を差し出してみる。
 少年は媚薬を受け取ると礼を言ってそそくさと立ち去ろうとする。おいおい、ただじゃないよ。代わりに何かくれないのかい?
「どういうことさ。君のものは俺のもの。俺のものは俺のもの。そうだろう」
 少年はジャイアンみたいなことを言って今度こそ去ってしまった。とんだ恩知らず野郎だ。つばを吐き捨てて先へ進む。

 しばらくするとアラブ風の町にたどり着いた。ここでは勇者の剣とチャイナ服を金貨4枚で売って、馬(金貨3枚)と安かったのでついでに羊(金貨1枚)を購入する。これでオオカミ地帯を一気に駆け抜けようという作戦だ。
 馬はたくましく嘶くと、町を出て草原を疾走する。
 絵になりそうな格好良い光景だが、自分が素っ裸なのでやっぱり格好悪い。後から羊がトコトコとついてくる。
 やがてオオカミの出現地帯に差し掛かると、気配を感じ取ったのか急に馬は怯えあがり、そして私を振り落とすと馬は全力疾走で逃げてしまった。なんてこったい、薄情馬め。
 あとにはポツンと私と羊が残された。羊も気配を感じ取ったらしく、怯えて逃げ出そうとする。私はあわてて羊についていった。
 羊はジグザグに草原を走り回る。オオカミのいる付近を察知してうまく避けていたのかもしれない。いつの間にか私は草原地帯を抜けだしていた。
 どっしりと座り込んで動かなくなった羊に感謝して、1人で先に進む。

 目の前にエジプト風の砂漠のような光景が広がっている。目の前にスフィンクスがいて、私を見下ろしている。スフィンクスが口を開いて話し掛けてきた。
「元の世界に戻りたいのであろう。私の出す3つの問いに答えたら、そのための情報を教えてやろう。間違えればお前は死ぬ」
 願ってもないチャンスかもしれないが、死ぬのは嫌だな。
「嫌ならやめても良い。私はおまえ達の世界のスフィンクスと違い、通行の邪魔はせぬ。そのかわり脱出のヒントは手に入らない」
 スフィンクスがすかさず答える。どうやら心が読めるらしい。
 ようし、脱出できないなら死ぬのと一緒だ。挑戦を受けてたとうじゃないの。
「よくぞ言った。では、第一問。次の中でマンダラ郷にいない人間はどれか。少年、少女、壮年の男、壮年の女、老人の男、老婆」
 えええええっと、少年は羊飼いのがいたな。壮年の男は町にいくらでもいる・・・。壮年の女は行商のおばさん。老婆はチェーンソー男やキャタピラーの警告をした婆さんがいたし。老人・・・仙人は老人に入るのか?少女は・・・今のところ会っていないな。女の子のいないゲームブックなんてつまらんのだが・・・よし。答えは“少女”だ。
「正解。では、第ニ問。次の中でマンダラ郷にいない生物はどれか。トラ、サソリ、ヘビ、ワシ、オオカミ」
 まだ出合ったことがない生物はサソリとヘビだな。ヘビのトーテムというのはあるし、答えはサソリか。んー、でもこのゲームブックの表紙カバーがサソリの絵なんだよなぁ。ええい、答えはヘビだ!
「ファイナルアンサー?」
 ファイナルアンサー!頼む。当たってくれ。
 スフィンクスは黙っている。駄目か?失敗したのか?

 ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・・・・・




「正解」
 ほおおおおおおおおっ。安心した。
「ヘビのトーテムはあっても実在しない。第三問目。ではそのトーテムでマンダラ郷を脱出可能なのは何種類あるのか」
 トーテムの種類?ヘビのトーテムの1つだけかな。
 しかし本文には「ディック博士の言葉を思い出して正解の数に進もう。答えを知らなかったり、ディック博士がなんのことかわからなければ100へ進め」と書いてあるな。ディック博士なんて会ったことがないぞ。
 答えられずに100へ進むと、スフィンクスの額から光線が発せられ、一瞬で私は灰になってしまった。235へ進む。


235

「あーあ、やられてしまったのか。やれやれ、時間を巻き戻さねばならん。そなたは、まったく救いがたい奴じゃのう」
 意識を取り戻すと、暗闇の中で、あのゴミ捨て場で出会った阿弥陀様がぼやいていた。
 阿弥陀様の指示どおり、もう一度パラグラフ1へと進んでやり直す。


(前途はまだまだ多難らしいと予想しつつ)続く


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