冒険記録日誌
DiaryINDEXpastwill


2005年03月30日(水) ブラッドソード2 魔術王をたおせ!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その8

(ネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)

 災厄はまだまだ続いた。
 パーティの先頭に立って歩いていたバーガンが、突然出現した死神のようなゾンビに大鎌で斬りつけられ、霧のように消滅してしまったのだ。ゾンビも陰惨な笑い声を残して消滅する。
「なんということだ!バーガンが!」
「慌てるなよ。強制イベントだから後でどうにかなるだろう」
 モリスとリー・チェンはバーガンを捜して、建物の中を駆け回った。大理石の石柱やガーゴイルの彫刻がほこりに埋もれ、なんとも侘しげな雰囲気を作り出していた。
 階段を降りようとして、階下の廊下から人の気配がしたので立ち止まる。階段の手摺からそっと覗くと、僧侶の一団が遺体を棺台にのせてゆっくり歩いていた。
 遺体はバーガンだ!思わず飛び出しそうになるモリスをリー・チェンは止めた。
 そっとあとをつけると、僧侶の一団は教会のようなホールにたどり着いた。
 このホールは、人間の骸骨で作られているようだ。尖塔付近は頭蓋骨で、壁はあばら骨や腕の骨で埋め尽くされている。天井から薄明かりがするので、見上げるとよくリー・チェンを困らせていた、あのファルタインの妖精の仲間が檻に入れられ、発している明かりだった。
 ここで琥珀の火口箱を使うと、あたりは魔法の炎が発した光に輝いた。僧侶達は逃げ出してしまい、あとに残されたバーガンの死体は・・・目を覚ましたのだ。 

 3人はひとしきり再会を喜ぶと、教会の先に伸びている翼廊(よくろう)へ進もうとした。
「待って下さい!助けて下さい!」
 天井の檻に閉じ込められたファルタインが、声をあげた。
「お前を助けて、何か俺たちの得になるのか?」
 バーガンが意地悪く言うと、ファルタインはこの先の危険に対処する方法を教えてくれると誓った。バーガンが骨でできた壁をよじ登り、檻に飛びつこうとしたが失敗して落下し、床に体を叩きつけられた。死から生還したばかりで、どうもまだ本調子ではないらしい。
 リー・チェンが緊急脱出の魔法で檻の上にテレポートすると、ファルタインを救い出す。ファルタインはいくつかのヒントを出すと、感謝の言葉とともに姿を消した。
 ファルタインの助言は確かで、翼廊に仕掛けられた数々の罠も無事に通過していき、やがて突き当りにたどり着いた。
 その奥には部屋があるようだったが、そこには重装備の黒い鎧に身をつつんだ巨人が待っていた。
「俺はタナトスだ」
 巨人は吠えるようにいった。
「ここを通る者とは決闘することになっている。名誉ある決闘が嫌なら、大勢でかかってもかまわんぞ」
 名誉と聞いてモリスが一人で進みでようとした。バーガンがそれを勇めてささやく。
「悪いがここは俺に任せてくれ。決闘なら俺の方が戦える。レベル4だからな」
 バーガンが剣を抜いて、タナトスの前に出る。我ながら盗賊らしくないと思う。しかし戦士とはいえ、レベル2のモリスではさすがに荷が重いだろう。
 バーガンの剣は魔法の剣、ブルート・ゲトランカーだ。クラースの迷宮で命を落としたルーカスの形見だ。戦士のモリスより、盗賊のバーガンが強い理由はここにもある。それに先程死を克服したバーガンは確実に強くなっていた。
 戦闘は、タナトスがバーガンの剣に胸を貫かれて絶命して終わった。
 タナトスの守っていた部屋の中には、旧セレンチーヌ帝国の栄光の軍旗が立っていた。手に取ると、遥か昔の軍人の魂が恐怖に立ち向かう勇気を与えてくれるような気分になった。あきらかに何らかの力が込められていた。
 意気揚揚と軍旗を掲げたまま城に入り、ワーロック王の居場所を捜す。闇の守り神アンボラスが襲ってきたが蹴散らして進む。

 いつの間にかあたりが霧につつまれた。心臓の鼓動が聞こえてくる。
 霧が晴れると、広い競技場に立っていたのに気づく。
 心臓の鼓動と思ったものは客席にうずくまる人間ともつかない無数の観客達の歓声だった。手をこすり合わせて、血を求めてうなるような歌を歌っている。
 やがて貴賓席に年老いた男がやってきた。
「私が貴様らの捜していたワーロック王だ」
 男の唇をゆがめて笑った。額には水晶の冠が輝いている。同時に周辺の景色がぼやけて、ワーロック王の姿だけがくっきりと見えた。観客のささやき声も小さくなった。
 ここはワーロック王の夢魔法の世界の中なのだろう。
「愚か者め。私を殺そうとした者が今までいなかったと思うか。どんなに正しい支配を続けても必ず反抗者はいるものだ。そういった者どもは、どこに行ったと思う。ここだ!お前たちもここで教訓を学ぶが良い」
 ワーロック王が手を広げると、競技場の地面の中がいたるところで盛り上がり、剣と鎧を身に付けた無数の骸骨どもが這い出してきた。ちょっとした軍隊ほどの数がこちらを遠巻きに取り囲んだ。
「さあ、死ぬがいい」
 ワーロック王が高らかに笑った。

続く


*******************************************

 今回の日記、書くのに時間がかかるなぁ・・・。


山口プリン |HomePage

My追加