冒険記録日誌
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2005年03月31日(木) |
ブラッドソード2 魔術王をたおせ!(デイヴ・モリス オリバ−・ジョンソン/富士見書房) その9 |
(ネタバレ満載です。ブラッドソードをプレイ予定の方は読まないで下さい)
突如として旧セレンチーヌ帝国の軍旗が光り輝いた!観客達は声にならない悲鳴をあげながら、這いずって逃げていく。眩しい輝きにワーロック王ですら目を覆って後ずさる。 軍旗に宿った亡霊が耳元でささやく。 「この旗にかけて、ひるまず戦え」 光がやんだとき旧セレンチーヌ帝国の軍隊が、パーティと骸骨の軍団の間に立ちふさがった。 チェッカーの駒から、軍馬に乗ったエルフの騎馬隊が生まれた。闇の守り神アンボラスの死体から黒の征服に身を固めた軍団が生まれた。ヒドラの牙からは屈強な蛇頭の男達が登場する。 寄せ集めの味方の軍隊にモリスが号令を発した。 経験が浅くともこういった指揮官としての力は、戦士のモリスに才能があるようだ。 骸骨の軍隊も応戦するが、もはや戦況はこちらが有利だ。弾かれた骸骨の頭や体の部品があたりに散らばる。 パーティは軍団を従えて、ワーロック王のいる貴賓席に詰め寄った。 「もうゲームは十分だ!」 ワーロック王が手を打つと、あたりの光景は鏡が割れるように消える。
気がつくとパーティは金属製のクモの巣にしがみついていた。網の中央に玉座が据えてあり、ワーロック王が座ってこちらを見下ろしていた。 あたりは広い空間で他に何もなかった。眼下にもはるか下に漂う雲以外になにも見えない。 「ここは私の夢の世界だ。私が絶対の君主なのだ!例え真のマグスだろうと私には介入できぬ」 真のマグスの名にハッとして顔を上げると、ワーロック王が小さな首飾りを取り出した。ぶらさがっているのは、捜していたブラッドソードの柄ではないか! こちらの視線に気がついて、ワーロック王が小さく笑った。 「こいつのお陰で私はマグス達の支配を受けずにすんでいる。だから手放すつもりはない。おまえ達はどうだ。助かりたくば、喜んでその鞘を私に手放すのではないか?」 もはやワーロック王の笑いは高笑いに変わっていた。 バーガンは、黙ってウルバに貰った鉄の鈴を取り出して鳴らした。ワーロック王に恐怖の表情が浮かぶ。 「やめろ」 やめるものか。なおも鈴を力いっぱいに鳴らしつづけると、王の玉座にひびが入る。あたりの光景が歪んで砕け始めた。 「やめろーーーー!!」 ワーロック王が玉座から飛び降りて、肩をつく。あたりが何千もの幻で渦巻き始まる。 「もうおしまいだ」 王が力なく言うと、水晶の冠が砕け散った。
気が付くと、パーティは湖の傍の青々とした緑の草原に寝転んでいた。 湖を見たが“夢のたそがれ城”は既になく、小さな廃墟があるばかりだ。 陽だまりの中に、2人の人影が現れた。しょぼくれた老人を賢そうな女が手を引いて近づいてくる。女は老人の首から何かを外すと、パーティに差し出した。 ブラッドソードの柄だ。受け取るとしばらく呆然と柄を眺める。 我に返って礼を言おうとしたが、既に2人は草むらのむこうに立ち去っていた。 南に下ると、村の農民たちが歓声をあげていた。彼らが目覚めた時、ワイアード王国は明るく豊かな土地に変貌していたのだ。 寒さも以前より緩んできたようで気温が心地よい。長い冬も終わり、これからこの国にも春がくるのだろう。 次は刀身を捜さなくてはならない。だが、今日は疲れを癒すこととしよう。
第二巻 完
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最後に登場するワーロック王と女性の関係。とっても気になります。 ちなみに終盤の展開についてですが、鉄の鈴に頼らずにワーロック王を倒すこともできます。その場合はエンディングが少し変化するのです。 苦労するうえ(たぶんレベルの高い冒険者一人で挑戦した方がいい)冒険終了後の経験値が少ないのでお勧めできませんが、次回はこっちの方法にも挑戦してみたいな。 第三巻のレポートもそのうち書きますので、楽しみにしていて下さい。
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